木のテーブルに置かれた巻き尺と、水の入ったグラス(イメージ)

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ゼロカロリーの甘い飲み物で、体重は減る? 比較試験とWHOの指針で分かったこと

砂糖の代わりに人工甘味料で甘みをつけた飲み物は、体重を気にする人に選ばれています。置き換えでどれくらい体重が変わるのか、なぜWHOは使わないよう求めているのかを、人の研究から整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.27更新 2026.10.27
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 砂糖入りの飲み物をゼロカロリーの飲み物に置き換えると、体重が約1kg低くなったと、17の比較試験のまとめで報告されている
  • 水を飲む組と比べた1年の試験では、差は1.4kg。研究チームは健康の面で意味のある差ではないとしている
  • WHOは2023年、長い目で見た体の脂肪を減らす利点は確認できないとして、体重の管理を目的に使わないよう求めている(条件つきの勧告)
  • 甘味料と病気の結びつきは観察研究によるもので、もともとの体重や持病の影響を取りきれていない

砂糖入りの飲み物を、人工甘味料などで甘みをつけたゼロカロリーの飲み物に置き換えると、体重が1kgほど減ったと、比較試験のまとめで報告されています。ただし差は小さく、世界保健機関(WHO)は2023年の指針で、体重を管理する目的で人工甘味料を使うことを勧めないとしています。

この記事では、置き換えの比較試験と、水と比べた試験、WHOの指針の考え方を順に整理しました。ここで扱うのは、ふだんの食事と飲み物の話です。糖尿病などの持病がある方の食事は、主治医の方針が優先されます。

砂糖入りの飲み物を置き換えると、体重はどうなる?

2022年に、カナダのトロント大学などのチームが、比較試験(くじ引きで組に分けて比べる試験)17本をまとめました。対象は、太り気味で糖尿病がある、またはその危険が高い大人1,733人です。平均年齢は33歳で、8割近くが女性でした。

砂糖入りの飲み物をゼロカロリーの飲み物に置き換えた組では、体重が平均1.06kg、体脂肪率が0.60%低くなっていました。肝臓にたまる脂肪も少なくなっていました。一方、砂糖入りの飲み物を水に置き換えた試験は3本と少なく、はっきりした差は出ていません。研究チームは、向きとしては水と同じ方向の結果だとしています。

2024年には、イランの研究チームが、飲み物の種類どうしを比べた78本の比較試験(4,168人)をまとめました。ゼロカロリーの飲み物は、水と比べて0.79kg、砂糖入りの飲み物と比べて1.08kg、体重が多く減っていました。ただし、質の高い試験だけで見ると差ははっきりせず、根拠の確かさは全体に低いと評価されています。

水と比べると、どちらがよい?

英国のリバプール大学などは、太り気味の大人493人を、水を飲む組とゼロカロリーの飲み物を飲む組に分けました。両方の組が1年間、減量の教室に通っています。52週後、水の組は6.1kg、ゼロカロリーの組は7.5kgの減量を保っていました。差は1.4kgで、研究チームは「統計上の差はあるが、健康の面で意味のある差とは言えない」と書いています。この試験は、米国の飲料業界の団体の資金で行われました。

欧州の大規模な試験(SWEET)も2025年に結果を出しました。太り気味の大人341人が、まず2か月の食事制限で体重を5%以上落とし、その後10か月、砂糖の少ない食事を続けました。甘い食品や飲み物を甘味料入りのものに置き換えた組は、置き換えなかった組より、1年後の体重が1.6kg多く減ったままでした。血糖や血中の脂質などの数値には、差がありませんでした。一緒に参加した子ども38人でも、差は出ていません。

WHOは、なぜ勧めないとしている?

WHOは2023年5月、人工甘味料を体重の管理や病気の予防のために使わないよう求める指針を出しました。研究のまとめから、長い目で見ると体の脂肪を減らす利点は確認できなかったとしています。長く使う人ほど、2型糖尿病や心臓・血管の病気が多いという観察研究もあると書かれています。

ただし、この結びつきは、もともと体重が多い人や持病の気配がある人ほど甘味料を選ぶ、といった違いの影響を受けている可能性があります。WHOもその点を認めていて、勧告の強さは「条件つき」です。また、この指針は、すでに糖尿病がある人には当てはめていません。糖アルコール(エリスリトールなど、糖からできた少しカロリーのある甘味料)も対象外です。

エリスリトールの研究は、どう読めばよい?

2023年に米国のクリーブランド・クリニックのチームが、心臓の検査を受けた人の血液を調べました。米国の2,149人と欧州の833人で、血液中のエリスリトールが多い4分の1の人は、少ない4分の1の人より、その後に心筋梗塞や脳卒中などを起こす割合が1.8〜2.2倍高くなっていました。健康な8人の試験では、エリスリトールをとると、血液中の量が2日以上高いまま続いていました。

一方で、エリスリトールは人の体の中でも作られます。血糖の乱れの結果として血液中に増えている可能性があり、食べた量だけを表しているとは限らないという指摘があります。長くとったときに心臓や血管にどう影響するかは、比較試験で確かめられていません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
砂糖入りの飲み物からの置き換えで体重は変わるか(17の比較試験のまとめ)根拠 確立平均1.06kg低い。根拠の確かさは中程度
飲み物どうしの比較(78の比較試験のまとめ)根拠 有望水より0.79kg低いが、質の高い試験だけでは差がはっきりしない
水と比べた1年の減量(英国・493人)根拠 有望差は1.4kg。健康の面で意味のある差ではないとされた
減量後の体重の維持(欧州SWEET・341人)根拠 有望1年後に1.6kg多く減ったまま。血糖や脂質に差なし
長く使う人ほど糖尿病や心臓の病気が多いか(WHOのまとめ)根拠 初期観察研究で結びつきあり。もともとの違いの影響の可能性
血液中のエリスリトールと心筋梗塞・脳卒中(心臓の検査を受けた人)根拠 初期多い人で1.8〜2.2倍。体の中でも作られるため解釈は分かれる
まだ分かっていないこと比較試験の多くは1年以内で、長く使い続けたときの体重や病気への影響は分かっていません。17試験のまとめの参加者は平均33歳と若く、40〜70代の日本人にそのまま当てはまるかは確かめられていません。英国の試験は飲料業界の団体の資金で行われ、まとめや欧州の試験の著者の一部も甘味料や食品の業界から講演料などを受けています。78試験のまとめでは、質の高い試験に限ると差がはっきりしませんでした。糖尿病や心臓・血管の病気との結びつきは観察研究によるもので、甘味料が原因かどうかは分かっていません。エリスリトールの研究も、心臓の検査を受けた人を対象にした観察で、食べた量を測ったものではありません。甘味料の種類ごとの違いも、まだ十分に分かっていません。

では、どうすればよいか

砂糖入りの飲み物を毎日飲んでいる方にとって、ゼロカロリーの飲み物への置き換えは、体重が小さく減る方向の結果が比較試験で報告されています。ただし、もともと甘い飲み物をあまり飲まない方が、新たに飲む理由にはなりません。WHOが勧めているのは、甘みそのものに慣れすぎないことと、水やお茶など甘くない飲み物を選ぶことです。

今日からできること
  • 砂糖入りの飲み物を毎日飲んでいる場合は、まず量や回数を減らす。置き換える先は、水や無糖のお茶を第一に考える
  • ゼロカロリーの飲み物を選ぶ場合も、それだけで体重が減ると考えず、食事全体の量や運動と合わせて見直す
  • 甘い味に慣れすぎないよう、飲み物や料理の甘さを少しずつ控えめにする
  • 糖尿病などの持病がある方、妊娠中・授乳中の方は、甘味料の使い方を医師や管理栄養士に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
17の比較試験のまとめ(JAMA Netw Open 2022)2週間以上の比較試験17本・1,733人(平均33歳、女性77%、太り気味で糖尿病がある、または危険が高い)。ゼロカロリー飲料への置き換え(12試験・601人)で体重−1.06kg、BMI−0.32、体脂肪率−0.60%、肝細胞内脂肪も低下。水への置き換え(3試験)は差なし。ゼロカロリー飲料と水の比較ではHbA1c+0.21%、収縮期血圧−2.63mmHg、ほかは差なし。根拠の確かさは中程度〜低。著者の一部が国際甘味料協会などの業界団体から講演料・研究費を受けていると開示
飲み物どうしの比較(Int J Obes 2025)比較試験78本・4,168人のネットワークメタ解析(2023年1月までの文献)。ゼロカロリー飲料は水より−0.79kg、牛乳より−0.80kg、果汁より−0.83kg、砂糖入り飲料より−1.08kg。ウエストは水より−1.85cm。偏りの危険が低い試験と、カロリー制限を行った試験に限ると有意差なし。根拠の確かさは多くが低い。著者は利益相反なしと開示
水と比べた52週の試験(Int J Obes 2024)BMI27〜35の大人493人を水の組(246人)とゼロカロリー飲料の組(247人)に分けた非盲検の同等性試験。12週の減量期と40週の維持期の行動療法つき。52週の減量は水6.1kg、ゼロカロリー飲料7.5kg、差1.4kg。著者は臨床的に意味のある差ではないと結論。米国飲料協会の資金。NCT02591134
欧州SWEET試験(Nat Metab 2025)欧州の多施設の比較試験。太り気味の大人341人と子ども38人。2か月の低エネルギー食で5%以上減量した後、10か月は糖類をエネルギーの10%未満とする食事で、甘味料・甘味増強剤の製品に置き換える組と置き換えない組を比較。1年後、置き換えた組で体重減少が1.6kg大きく維持。心代謝の指標と子どもでは差なし。著者の一部が甘味料業界の団体から講演料、米国飲料協会から研究費を受けていると開示。NCT04226911
WHOの指針(2023年)研究のまとめに基づき、体重管理や生活習慣病の予防の目的で非糖質系甘味料を使わないよう勧告(条件つき)。長期の体脂肪減少の利点は確認されず、観察研究で2型糖尿病・心血管病・死亡との結びつきがあるが、参加者の背景による交絡の可能性を認める。糖尿病がある人、糖アルコール、歯みがきや薬などは対象外
エリスリトールの研究(Nat Med 2023)と反論の総説(Nutrients 2023)心臓の検査を受けた人の追跡(探索1,157人、米国2,149人、欧州833人)。血中エリスリトールの上位4分の1は下位4分の1より心筋梗塞・脳卒中などの危険が高い(調整ハザード比1.80と2.21)。健康な8人で摂取後2日以上血中濃度が上昇。総説は、エリスリトールは体内でも作られ、血糖の乱れの目印にすぎない可能性があり、長期の比較試験が必要と指摘
出典
  1. McGlynn ND, et al. Association of Low- and No-Calorie Sweetened Beverages as a Replacement for Sugar-Sweetened Beverages With Body Weight and Cardiometabolic Risk: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Netw Open. 2022. PMID 35285920
  2. Shahinfar H, et al. Comparative effects of different beverages on weight loss in adults: a systematic review and network meta-analysis of randomized trials. Int J Obes (Lond). 2025. PMID 39543378
  3. Harrold JA, et al. Non-nutritive sweetened beverages versus water after a 52-week weight management programme: a randomised controlled trial. Int J Obes (Lond). 2024. PMID 37794246
  4. Pang MD, et al. Effect of sweeteners and sweetness enhancers on weight management and gut microbiota composition in individuals with overweight or obesity: the SWEET study. Nat Metab. 2025. PMID 41057614
  5. World Health Organization. Use of non-sugar sweeteners: WHO guideline. 2023. リンク
  6. Witkowski M, et al. The artificial sweetener erythritol and cardiovascular event risk. Nat Med. 2023. PMID 36849732
  7. Mazi TA, Stanhope KL. Elevated Erythritol: A Marker of Metabolic Dysregulation or Contributor to the Pathogenesis of Cardiometabolic Disease? Nutrients. 2023. PMID 37764794
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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