焼き鮭・卵焼き・豆腐・ご飯・みそ汁の朝ごはん

トップ / 食べる

食べる

卵は1日何個まで? コレステロールと長生きの研究で分かったこと

卵はコレステロールが多いので、1日1個までと聞いたことがある方も多いと思います。卵とコレステロールの数値、心臓の病気や寿命との関係について、比較試験と追跡研究を分けて整理しました。

根拠 初期4分で読めます公開 2026.10.23更新 2026.10.23
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 卵を食べるとLDLコレステロールが平均5〜8mg/dLほど上がることが、比較試験のまとめで報告されている
  • 卵を多く食べる人と少ない人で、心臓や血管の病気、全体の死亡に大きな差はないとするまとめが多い
  • 約360万人分のまとめでは、関連は米国の研究で見られ、アジアの研究では見られなかった
  • 日本の約9万人の追跡研究では、卵をほぼ毎日食べても冠動脈の病気との関連は見られなかった

卵を多く食べる人と少ない人で、心臓や血管の病気、死亡の危険に大きな差はないとする研究のまとめが多く出ています。ただし、いずれも観察研究が中心で、卵を食べるとLDLコレステロールが少し上がることは比較試験で確かめられています。

卵を食べると、血液のコレステロールは上がる?

卵の黄身には、食事からとるコレステロールが多く含まれています。そこで、卵を食べる組と食べない組をくじ引きで分けた比較試験が、数多く行われてきました。

2020年に、健康な人を対象にした17の比較試験をまとめた解析が発表されました。卵を多く食べた組は、LDLコレステロール(血管に脂をためやすいとされるコレステロール)が平均で8.14mg/dL高くなっていました。2か月を超える試験のほうが、差が大きい傾向もありました。

2018年の28の研究のまとめでも、LDLコレステロールは平均5.55mg/dL上がっていました。同時に、HDLコレステロールも2.13mg/dL上がっています。LDLとHDLの比や中性脂肪には差がなく、1日に食べる卵の数との関係も見られませんでした。上がり幅は、健診の数値の基準と比べると小さな差です。ただし、食事のコレステロールへの反応には個人差があり、上がりやすい人もいることが、研究のばらつきの理由の一つとされています。

卵をよく食べる人は、心臓の病気や死亡が多い?

2022年には、33の追跡研究、約221万人分をまとめた解析が出ました。卵を最も多く食べる人と最も少ない人を比べても、全体の死亡、心臓や血管の病気による死亡に、はっきりした差はありませんでした。一方、がんによる死亡は約1.2倍で、研究チームは1日1個までを目安に挙げています。

同じ2022年に、別のまとめも発表されました。こちらは約360万人分の研究を集めています。卵を1日1個(50g)多く食べるごとに、心臓や血管の病気の危険は4%高いという結果でした。ただし、研究ごとの結果のばらつきが大きく、地域で分けると傾向が違いました。米国の研究では危険が高く、アジアの研究では関連が見られなかったと報告されています。

日本人の研究では、どうだった?

国立がん研究センターなどが行っている大規模な追跡研究(JPHC研究)では、40〜69歳の約9万人を、1990年代前半から2001年まで追いました。卵をほぼ毎日食べる人でも、心筋梗塞などの冠動脈の病気が増える関連は見られませんでした。

一方、血液の総コレステロールが240mg/dL以上の人は、180mg/dL未満の人と比べて、冠動脈の病気になる危険が約2.2倍でした。コレステロールが高い人は卵を控えていた可能性があり、研究チームもその点を指摘しています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
卵を食べるとLDLコレステロールは上がるか(17の比較試験のまとめ)根拠 確立平均8.14mg/dL上昇。期間が長いほど差が大きい傾向
HDLコレステロール・LDLとHDLの比(28研究のまとめ)根拠 有望HDLも2.13mg/dL上昇。比と中性脂肪は差なし
卵を多く食べる人は、全体の死亡・心臓や血管の病気による死亡が多いか(33の追跡研究)根拠 初期はっきりした差なし
がんによる死亡(同じまとめ)根拠 初期最も多い人で約1.2倍。根拠の確実性は低い〜中程度
卵1日1個多いごとの心臓や血管の病気(約360万人分のまとめ)根拠 初期4%高い。アジアの研究では関連なし
日本人で、卵をほぼ毎日食べると冠動脈の病気が増えるか(約9万人の追跡)根拠 初期関連なし

研究をまとめた最新の評価は?

2025年には、2020年以降に出た14のまとめ(観察研究10、比較試験4)を評価し直した報告が出ました。卵を多く食べる人と少ない人で、心臓や血管の病気と全体の死亡に、関連は見られなかったとしています。

心不全やがんによる死亡のわずかな増加、LDLコレステロールの上昇といった関連は残りました。ただし、もとになった研究の質は全体に低く、どの結果も根拠は非常に弱いと判定されています。そのうえで研究チームは、卵を控えるよう勧めるだけの根拠は足りず、健康的な食事の一部にできると結論しています。

まだ分かっていないこと卵と心臓の病気や寿命の関係は、ほとんどが観察研究で調べられています。卵をよく食べる人は、肉や加工肉もよく食べるなど、食事全体が違うことがあり、その影響を取りきれません。2025年の評価でも、もとになった研究の質は全体に低いと判定されています。比較試験は数週間から数か月の短いものが多く、LDLコレステロールの小さな上昇が、長い年月で心臓の病気にどう影響するかは確かめられていません。食べ方(ゆで卵か、油やベーコンと一緒か)による違いや、コレステロールの値がもともと高い人、糖尿病のある人での影響もはっきりしていません。日本人の研究は1990年代〜2001年のもので、いまの食生活に当てはまるかも分かりません。

では、1日何個までがよいのか

健康な人が1日1個程度を食べることについて、心臓の病気や死亡が増えるという一貫した結果は出ていません。2個、3個と多く食べ続けた場合については、研究によって結果が分かれます。卵の数だけでなく、一緒に食べる肉や加工肉、揚げ物を含めた食事全体を見ることが大切です。健診でLDLコレステロールが高いと言われた人は、卵の数も含めて、食事の内容を医師や管理栄養士に相談しましょう。

今日からできること
  • 1日に食べる卵の数を、卵焼きやマヨネーズ、菓子に使われる分も含めて数えてみる
  • 卵と一緒にベーコンやソーセージをとることが多い場合は、組み合わせを見直す
  • 健診のLDLコレステロールの数値を確認する
  • LDLコレステロールが高いと言われた人や、治療中の人は、卵の量を医師や管理栄養士に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
卵とコレステロールの比較試験のまとめ(Nutrients 2020)健康な人を対象にした17の比較試験。卵を多く食べた組でLDLコレステロールが平均8.14mg/dL高く、LDLとHDLの比も0.14高かった。2か月を超える試験で差が大きい傾向。著者は利益相反なしと開示
卵と血液の脂質の比較試験のまとめ(J Am Coll Nutr 2018)2000年以降の28研究。総コレステロール5.60mg/dL、LDLコレステロール5.55mg/dL、HDLコレステロール2.13mg/dL上昇。LDLとHDLの比・総コレステロールとHDLの比・中性脂肪は差なし。1日の卵の数や期間との関係なし
卵と死亡の追跡研究のまとめ(Adv Nutr 2022)33の追跡研究、221万6,720人、死亡23万2,408人。最多と最少の比較で全死亡1.02、心血管病死亡1.04、冠動脈疾患死亡0.98、脳卒中死亡0.81(いずれも有意差なし)、がん死亡1.20。週1個増えるごとに全死亡2%・がん死亡4%増、脳卒中死亡4%減。根拠の確実性は低い〜中程度
食事のコレステロール・卵と死亡の研究(Circulation 2022)男性2万7,078人の追跡(48万2,316人年、死亡2万2,035人)で、卵1日50g増えるごとに全死亡1.06、心血管病死亡1.09。追跡研究のまとめ(360万1,401人)では、卵1日1個増えるごとに心血管病1.04(95%信頼区間1.00〜1.08、ばらつき大)。米国1.08、欧州1.05(境界域)、アジアは関連なし。利益相反なし
JPHC研究(Br J Nutr 2006)日本の40〜69歳9万735人を1990〜94年から2001年まで追跡。卵をほぼ毎日食べる人まで、冠動脈疾患との関連なし。総コレステロール240mg/dL以上は180mg/dL未満に比べ冠動脈疾患2.17倍。コレステロールが高い人は卵を控えていた可能性
卵と健康のアンブレラ・レビュー(Nutr Metab Cardiovasc Dis 2025)2020年以降の14のメタ解析(観察10・介入4)を評価。研究の質は全体に非常に低い。心血管の病気・全死亡と卵の量の関連なし。心不全1.15、がん死亡1.13、LDLコレステロール7.39mg/dL上昇、HDLコレステロール1.37mg/dL上昇は、いずれも根拠が非常に弱い。著者は利益相反なしと開示
出典
  1. Li MY, et al. Association between Egg Consumption and Cholesterol Concentration: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Nutrients. 2020. PMID 32635569
  2. Rouhani MH, et al. Effects of Egg Consumption on Blood Lipids: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials. J Am Coll Nutr. 2018. PMID 29111915
  3. Mousavi SM, et al. Egg Consumption and Risk of All-Cause and Cause-Specific Mortality: A Systematic Review and Dose-Response Meta-analysis of Prospective Studies. Adv Nutr. 2022. PMID 35396834
  4. Zhao B, et al. Associations of Dietary Cholesterol, Serum Cholesterol, and Egg Consumption With Overall and Cause-Specific Mortality: Systematic Review and Updated Meta-Analysis. Circulation. 2022. PMID 35360933
  5. Nakamura Y, et al. Egg consumption, serum total cholesterol concentrations and coronary heart disease incidence: Japan Public Health Center-based prospective study. Br J Nutr. 2006. PMID 17092383
  6. Formisano E, et al. Effect of egg consumption on health outcomes: An updated umbrella review of systematic reviews and meta-analysis of observational and intervention studies. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2025. PMID 39934049
無料動画セミナーのサムネイル
動画 約15分
特集・無料動画セミナー若返り研究の最前線にある「幹細胞」。いま、どこまで来ている?

15分の無料動画で、幹細胞の仕組みと最新の研究、受けられる場所や費用の考え方までお伝えします。

この記事は役に立ちましたか?

この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。

次に読む

ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

よく読まれている記事

  1. シューマッハ氏の近況報道と、幹細胞治療について分かっていること
  2. マレーシアで受ける幹細胞点滴のご案内
  3. 半月板の再生医療「セイビスカス注」承認、誰がいつ受けられる?
  4. Muse細胞はいまどうなっている?開発中止の背景と研究の現在地
  5. 自分の脂肪から採る幹細胞、利点と限界は?自家と他家の比べ方
健康長寿のニュースを、メールで

世界の研究と話題から、編集部が選んだ記事をお届けします。