白い皿にのった、目玉焼きをのせたトースト
写真はイメージです

トップ / 食べる

食べる

朝ごはんを抜くと太る? 比較試験と追跡研究で分かったこと

「朝ごはんを抜くと太る」は本当なのか。数週間の比較試験と、長い期間の追跡研究では結果が分かれています。体重と、その先の健康について、人の研究から整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.26更新 2026.10.26
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 数週間の比較試験のまとめでは、朝ごはんを抜いた組のほうが体重が0.4〜0.5kgほど少なかった。抜くと太るという結果は出ていない
  • 朝ごはんを足すと、1日にとるエネルギーは約260kcal多くなっていた
  • 抜いた組でLDLコレステロールが高くなったという報告もあるが、測った試験は3つだけ
  • 長い期間の追跡調査では、朝ごはんを抜く人ほど心臓や血管の病気で亡くなる割合が高い傾向がある。原因かどうかは分かっていない

朝ごはんを抜いても、体重が増えるとは言えないことが、比較試験のまとめで報告されています。数週間の試験では、抜いた組のほうが体重がわずかに少ない結果でした。一方で、長い期間の追跡調査では、朝ごはんを抜く人ほど心臓や血管の病気で亡くなる割合が高い傾向があり、こちらは原因かどうかがまだ分かっていません。

朝ごはんを食べると、やせやすくなる?

「朝ごはんを食べると太りにくい」とよく言われます。これを比較試験(くじ引きで組に分け、片方だけ朝ごはんを食べてもらって比べる方法)で確かめた研究があります。

2019年に、オーストラリアのモナシュ大学のチームが、高所得国で行われた13の比較試験をまとめました。体重を測った7つの試験では、朝ごはんを食べた組のほうが、抜いた組より体重が平均0.44kg多くなっていました。1日にとるエネルギーも、食べた組のほうが約260kcal多くなっていました。昼や夜に食べすぎて取り返す、という形にはなっていなかったことになります。

朝ごはんを食べると昼の食欲が抑えられて、1日の量が減るという考え方もあります。しかし、まとめた試験の結果は、その考え方とは合いませんでした。研究チームは、体重を減らす目的で朝ごはんを足すことは、よい方法とは言えない可能性があるとしています。ただし、どの試験も期間が短く、体重を測った試験は平均7週間でした。試験の質も全体に低いと書かれています。

朝ごはんを抜くと、血液の数値は変わる?

2020年には、米国ハーバード大学のチームが、4週間以上続いた7つの比較試験(425人)をまとめています。平均の期間は8.6週間です。朝ごはんを抜いた組は、体重が平均0.54kg少なくなっていました。体脂肪率には差がありませんでした。

気になる結果もあります。3つの試験で測ったLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が、抜いた組で平均9.24mg/dL高くなっていました。血圧や血糖、中性脂肪などには差がありませんでした。測った試験が少ないので、はっきりしたことは言えない段階です。

長い目で見ると、どうなる?

数年から数十年を追った観察研究(ふだんの暮らしを調べ、その後の健康と見比べる方法)では、比較試験と違う傾向が出ています。2021年のドイツのまとめでは、週3日以上朝ごはんを抜く人は、太りすぎや肥満になる割合が11%高くなっていました。ただし、もとになった研究は2本だけで、BMIの変化には差がありませんでした。

2024年に発表された、9つの追跡調査、約24万人のまとめもあります。朝ごはんを抜く人は、毎日食べる人より、追跡中に亡くなる割合が27%、心臓や血管の病気で亡くなる割合が28%高くなっていました。ただし、研究チーム自身が、根拠の確かさは「非常に低い」から「低い」と評価しています。

日本では、40〜79歳の約8万5,000人を19年間追った研究(JACC研究)があります。和食の朝ごはんの人と比べて、朝ごはんを抜く人は心臓や血管の病気で亡くなる割合が1.31倍でした。和食と洋食を組み合わせた朝ごはんの人では、0.64倍でした。

朝ごはんを抜く人は、喫煙や夜ふかし、仕事の忙しさなど、ほかの生活習慣も違うことがあります。観察研究では、こうした違いの影響を取りきれません。朝ごはんを抜くこと自体が原因なのかは、まだ分かっていません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
朝ごはんを食べると体重が減るか(13の比較試験のまとめ)根拠 確立減らない。食べた組が0.44kg多い(平均7週間)
朝ごはんを抜くと体重はどうなるか(7つの比較試験のまとめ)根拠 確立抜いた組が0.54kg少ない。体脂肪率は差なし
朝ごはんを抜くとLDLコレステロールは上がるか(3つの比較試験)根拠 有望抜いた組で9.24mg/dL高い
朝ごはんを抜く人は太りやすいか(追跡調査のまとめ)根拠 初期太りすぎ・肥満が11%多い。研究は2本だけ
朝ごはんを抜く人は亡くなる割合が高いか(9つの追跡調査のまとめ)根拠 初期27%高い。根拠の確かさは低い
日本人の朝ごはんの種類と心臓・血管の病気(約8万5,000人・19年)根拠 初期抜く人は1.31倍。和洋の組み合わせは0.64倍
まだ分かっていないこと体重への影響を調べた比較試験は、どれも数週間から2か月ほどと短く、何年も続けたときにどうなるかは分かっていません。13試験のまとめでは、すべての試験に偏りの危険があると評価されています。LDLコレステロールが上がったという結果は3つの試験だけのものです。追跡調査では、朝ごはんを抜くかどうかを本人の回答で調べており、喫煙や睡眠、仕事などほかの生活習慣の影響を取りきれていません。2024年のまとめは、研究の数が少なく結果も安定しないと著者自身が書いています。日本の研究は、朝ごはんの種類を調査の初めに1回聞いただけです。

では、どうすればよいか

やせる目的で、無理に朝ごはんを足す必要はなさそうです。一方で、朝ごはんを抜くことを体によい習慣として勧められるだけの根拠もありません。ふだん食べている方は、そのまま続けてよいと考えられます。食べるときは、主食だけで済ませず、魚や卵、大豆、野菜などを組み合わせると、1日の食事の内容を整えやすくなります。

今日からできること
  • やせる目的で、無理に朝ごはんを足したり抜いたりしなくてよい
  • 朝ごはんを食べる方は、主食に加えて魚・卵・大豆・野菜などを組み合わせる
  • 朝ごはんを抜く方は、昼や夜に食べすぎていないか、1日の食事の内容を見直す
  • 糖尿病の治療中の方や、血糖を下げる薬を使っている方は、食事の回数を変える前に医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
13の比較試験のまとめ(BMJ 2019)高所得国の成人を対象に、朝ごはんを食べる組と抜く組を比べた比較試験13本(体重7本・エネルギー摂取10本)。食べた組の体重が平均0.44kg多く(95%信頼区間0.07〜0.82)、1日のエネルギー摂取が259.79kcal多い。追跡は体重で平均7週間、エネルギー摂取で平均2週間。全試験が少なくとも1項目で偏りの危険が高いか不明。著者は外部からの支援なし、利益相反なしと開示。モナシュ大学
7つの比較試験のまとめ(Obesity 2020)18歳以上、4週間以上の比較試験7本・425人、平均8.6週間。朝ごはんを抜いた組で体重が平均0.54kg少ない(−1.05〜−0.03)。体脂肪率は差なし。LDLコレステロールは抜いた組で9.24mg/dL高い(3試験)。血圧・総コレステロール・HDL・中性脂肪・空腹時血糖・インスリンなどは差なし。著者は利益相反なしと開示。ハーバード大学
追跡調査のまとめ(Nutrients 2021)成人を対象にした前向き研究9本(メタ解析は5本)。週3日以上朝ごはんを抜く人は、週2日以下の人より太りすぎ・肥満の相対リスク1.11(1.04〜1.19、2研究)。BMIの変化には差なし(2研究)。著者は利益相反なしと開示
9つの追跡調査のまとめ(Food Funct 2024)前向きコホート研究9本・24万2,095人。毎日食べる人と比べ、朝ごはんを抜く人の全死亡のハザード比1.27(1.07〜1.51)、心血管病による死亡1.28(1.10〜1.50)、がんによる死亡1.34(1.11〜1.61、2研究)。感度分析では全死亡・心血管病の結果が安定しない。GRADEで全死亡は「非常に低い」、心血管病とがんは「低い」
日本の約8万5,000人(J Atheroscler Thromb 2023)JACC研究。心血管病とがんのない40〜79歳8万5,319人、中央値19年追跡、心血管病による死亡5,870人。和食の朝ごはんと比べ、朝ごはんを抜く人の心血管病による死亡のハザード比1.31(1.00〜1.71)、冠動脈の病気1.77(1.11〜2.83)。和洋の組み合わせは0.64(0.52〜0.79)。著者は利益相反なしと開示。大阪大学など
出典
  1. Sievert K, et al. Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ. 2019. PMID 30700403
  2. Bonnet JP, et al. Breakfast Skipping, Body Composition, and Cardiometabolic Risk: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Trials. Obesity (Silver Spring). 2020. PMID 32304359
  3. Wicherski J, et al. Association between Breakfast Skipping and Body Weight-A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Longitudinal Studies. Nutrients. 2021. PMID 33477881
  4. Wang Y, et al. Breakfast skipping and risk of all-cause, cardiovascular and cancer mortality among adults: a systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies. Food Funct. 2024. PMID 38738978
  5. Tang J, et al. Breakfast Type and Cardiovascular Mortality: The Japan Collaborative Cohort Study. J Atheroscler Thromb. 2023. PMID 36543187
無料動画セミナーのサムネイル
動画 約15分
特集・無料動画セミナー若返り研究の最前線にある「幹細胞」。いま、どこまで来ている?

15分の無料動画で、幹細胞の仕組みと最新の研究、受けられる場所や費用の考え方までお伝えします。

この記事は役に立ちましたか?

この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。

次に読む

ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

よく読まれている記事

  1. シューマッハ氏の近況報道と、幹細胞治療について分かっていること
  2. マレーシアで受ける幹細胞点滴のご案内
  3. 半月板の再生医療「セイビスカス注」承認、誰がいつ受けられる?
  4. Muse細胞はいまどうなっている?開発中止の背景と研究の現在地
  5. 自分の脂肪から採る幹細胞、利点と限界は?自家と他家の比べ方
健康長寿のニュースを、メールで

世界の研究と話題から、編集部が選んだ記事をお届けします。