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水は1日2リットル飲むべき? 比較試験のまとめで分かったこと

「水は1日2リットル」とよく言われますが、その量に決まった根拠はあるのでしょうか。水を多く飲む比較試験のまとめと、体が1日に使う水の量を測った国際研究から、分かっていることを整理しました。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.11.03更新 2026.11.03
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 水を飲む量を変えた比較試験18本のまとめでは、健康によい結果が出た試験は約半分で、全員に同じ量を勧める根拠は限られていた
  • 太りぎみの人を対象にした8試験の解析では、水を多く飲むだけで体重がはっきり減るとは言えなかった
  • 減量の食事と組み合わせ、食前に500mLの水を飲んだ55〜75歳の試験では、12週で体重が約2kg多く減ったと報告されている
  • 体が1日に使う水の量は、年齢・体格・活動量・気温などで大きく変わることが、23か国5,604人の測定で示されている

水を多く飲むことの効果を確かめた比較試験は少なく、「1日2リットル」のように全員に同じ量を勧める根拠は限られています。体重や尿路結石では効果を示す試験もありますが、必要な量は人によって大きく違うと報告されています。

水を多く飲むと、体にいいと確かめられている?

2024年に、米国の研究チームが、1日に飲む水の量を変えた比較試験(くじ引きで組を分けて比べる試験)をまとめました。1,464件の文献を調べ、条件に合ったのは18本だけでした。

試験の期間は4日から5年までと幅があり、対象者もさまざまです。多くは、片方の組に水を決まった量だけ多く飲んでもらい、もう片方の組はいつもどおりに過ごす形でした。

よい結果が1つ以上出た試験は10本(55%)で、残りの8本(44%)は差がないという結果でした。くり返し調べられていたのは、体重、空腹時の血糖値、頭痛、尿路の感染、尿路結石です。

このうち尿路結石では、水を多く飲んだ組で、5年間に100人あたり15件少なかったと報告されています。片頭痛や血圧が低い人などでは、1本ずつの試験で可能性が示された段階です。研究チームは、試験の数も質も限られていると結論しています。

水を飲むと、やせやすくなる?

2024年には、太りぎみの人を対象にした比較試験8本をまとめた解析も発表されました。水を多く飲むよう勧めた組や、ほかの飲み物を水に置き換えた組を比べています。

全体では、体重の差は平均0.33kg減にとどまり、はっきりした差とは言えませんでした。BMIや腹囲にも差は出ていません。

砂糖入りの飲み物を水に置き換えた試験だけを見ると、体重は平均0.81kg減でしたが、これも統計的にははっきりしない結果です。研究チームは、水を飲むこと自体が体重に大きく影響するとは言えず、砂糖入りの飲み物を水に替えることには小さな利点があるかもしれない、と書いています。

食事の前に水を飲む方法は、どうだった?

米国で行われた小規模な比較試験があります。対象は、太りぎみの55〜75歳の48人です。全員が摂取カロリーを抑えた食事をとり、片方の組だけが毎食前に500mLの水を飲みました。

12週後、水を飲んだ組は、飲まなかった組より体重が約2kg多く減っていました。試験の初めには、食前に水を飲むと、その食事でとるカロリーが減っていました。ただし12週後には、この差ははっきりしなくなっています。

人数が少なく、期間も3か月と短い試験です。減量の食事と組み合わせた結果なので、水を飲むだけで同じ結果になるとは言えません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
水を多く飲むと健康によい結果が出るか(18の比較試験のまとめ)根拠 有望よい結果は10本、差なしは8本。体重と尿路結石で報告あり
水を多く飲むと体重が減るか(太りぎみの人・8試験の解析)根拠 確立平均0.33kg減で、はっきりした差なし
砂糖入りの飲み物を水に置き換える(同じ解析の一部)根拠 有望平均0.81kg減。統計的にははっきりしない
減量の食事+毎食前に水500mL(55〜75歳48人・12週)根拠 有望体重が約2kg多く減った
必要な水の量は人によって違うか(23か国5,604人の測定)根拠 初期年齢・体格・活動量・気温などで変わる

必要な水の量は、人によって違う?

2022年には、日本の研究者を中心とした国際チームが、体の水が1日にどれだけ入れ替わるかを測った研究を発表しました。生後8日から96歳まで、23か国の5,604人のデータです。水の入れ替わる量(飲み物や食べ物からとり、尿や汗などで出ていく水の量)を、目印をつけた水を使う方法で測っています。

入れ替わる量は、年齢や体の大きさ、体の組成と関係していました。体をよく動かす人、運動選手、妊娠中の人、それに気温や湿度が高い土地に住む人でも、量が変わっていました。研究チームは、こうした条件から必要な量を見積もる式を示しています。

水は飲み物だけでなく、ご飯やみそ汁、野菜などの食べ物からもとっています。1日に何リットルを飲むと決めるより、季節や体の動かし方に合わせて考えるほうが、研究の結果に沿っていると言えそうです。

まだ分かっていないこと健康な大人にとって、1日に何リットル飲むのがよいかを比較試験で確かめた研究はありません。18試験のまとめでは、試験ごとに対象者・期間・調べた項目がばらばらで、著者自身が根拠の質と量は限られていると書いています。8試験の解析も、試験の数が少なく、体重の結果には大きなばらつきがありました(I²=78%)。食前に水を飲む試験は48人・12週と小規模で、減量の食事と組み合わせた結果です。23か国の測定研究は、体の水の入れ替わる量を調べたもので、飲む量を変えて健康がどうなるかを調べたものではありません。この研究の筆頭著者の1人は、内容に一部関係する特許を出願中と開示しています。

では、どれくらい飲めばよいか

健康な大人が全員1日2リットル飲むべきだと言える根拠は、いまのところ見当たりません。喉が渇いたときや、暑い日・体を動かした日にこまめに飲むこと、砂糖入りの飲み物を水やお茶に置き換えることは、手軽に始められます。腎臓や心臓の病気で水分の量を指示されている方は、その指示に従ってください。

今日からできること
  • 決まった量にこだわらず、喉が渇いたときや、暑い日・体を動かした日にこまめに飲む
  • 砂糖入りの飲み物を、水やお茶に置き換えてみる
  • 食事や汁物からも水をとっていることを意識する
  • 腎臓や心臓の病気などで水分の量を指示されている方は、自己判断で増やさず、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
水の量を変えた比較試験のまとめ(JAMA Netw Open 2024)2023年4月までの文献1,464件から、比較試験18本(並行群15本・クロスオーバー3本)。期間は4日〜5年。よい結果が1つ以上出たのは10本、差なしは8本。水を多く飲むと体重の減りが対照より44〜100%大きい、尿路結石が5年間で100人あたり15件少ない。片頭痛・尿路の感染・糖尿病の管理・低血圧は単独の試験のみ。カリフォルニア大学サンフランシスコ校。利益相反なしと開示
太りぎみの人・8試験の解析(Nutrients 2024)2023年12月までの比較試験8本。水を多く飲む・ほかの飲み物を水に置き換える組で、体重は平均−0.33kg(95%信頼区間−1.75〜1.08)、BMI−0.23、腹囲+0.05cmで差なし。砂糖入り飲料を水に置き換えた試験では体重−0.81kg(−1.66〜0.03)。人工甘味料入り飲料を水に置き換えた試験では体重+1.82kg。韓国・東国大学ほか。利益相反なしと開示
食前に水500mLの試験(Obesity 2010)米国。BMI25〜40の55〜75歳48人。全員が低カロリー食、片方の組だけ毎食前に水500mL、12週間。水の組で体重の減りが約2kg大きく、減り方は44%大きい。試験の初めは食前の水で食事のカロリーが減ったが(498 vs 541kcal)、12週後は差がはっきりしなかった。資金は抄録に記載なし
23か国の水の入れ替わり量の測定(Science 2022)国際原子力機関の二重標識水データベース。生後8日〜96歳の5,604人、23か国。年齢・体格・体組成・身体活動・運動選手かどうか・妊娠・社会経済的な状況・緯度・高度・気温・湿度が入れ替わる量と関連。必要量を見積もる式を提示。日本の国立健康・栄養研究所ほか。筆頭著者の1人が一部関連する特許を出願中と開示
出典
  1. Hakam N, et al. Outcomes in Randomized Clinical Trials Testing Changes in Daily Water Intake: A Systematic Review. JAMA Netw Open. 2024. PMID 39585691
  2. Chen QY, et al. Water Intake and Adiposity Outcomes among Overweight and Obese Individuals: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Nutrients. 2024. PMID 38612997
  3. Dennis EA, et al. Water consumption increases weight loss during a hypocaloric diet intervention in middle-aged and older adults. Obesity (Silver Spring). 2010. PMID 19661958
  4. Yamada Y, et al. Variation in human water turnover associated with environmental and lifestyle factors. Science. 2022. PMID 36423296
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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