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早食いは太る? ゆっくり食べると量が減るかの研究で分かったこと

早食いの人ほど太っている、という話はよく聞きます。ゆっくり食べると本当に食べる量が減るのか、体重まで変わるのかを、日本の健診データと比較試験から整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.11.02更新 2026.11.02
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 日本の健診を受けた約56万人の研究では、肥満が長く続いた人ほど「食べるのが速い」と答える割合が高かった(男性で約2.4倍)
  • 食べる速さを実験で変えた22の研究のまとめでは、ゆっくり食べた条件のほうが、その食事で食べた量が少なかった
  • 2週間ずつの比較試験では、ゆっくり食べる献立で1日の摂取量が約369kcal少なかったが、体重には差がなかった
  • 早食いをやめると体重が減るかを、長い期間で確かめた比較試験はまだない

ゆっくり食べると、その食事で食べる量が少なくなることは、短い実験をまとめた研究と、2週間の比較試験で報告されています。一方で、早食いをやめると体重が減るかは、まだ人の長い試験で確かめられていません。

早食いの人ほど太っている、という関係は、日本の健診のデータなどで繰り返し見つかっています。ただし、これは観察研究(ふだんの暮らしをそのまま調べ、体重と見比べる方法)の結果で、早食いが原因かどうかまでは分かりません。

早食いの人は太っている?

2026年に、日本の健診を受けた約56万人のデータを調べた研究が発表されました。長い期間にわたって肥満が続いていた人は、食べる速さを「速い」と答える割合が高く、男性ではそうでない人の約2.4倍、女性では約1.5倍でした。反対に、やせが続いていた人は「遅い」と答える割合が高くなっていました。食べる速さの答えは、何年たっても変わらない人が7割前後でした。

2型糖尿病のある日本人約6万人を2008〜2013年に追った研究もあります。食べるのが遅い人は、速い人に比べて肥満である割合が低く、オッズ比(なりやすさの比)は0.58でした。同じ人の中で食べる速さが遅くなると、BMIと腹囲がわずかに小さくなる傾向も見られました。

海外を含む研究のまとめ(2021年)でも、早食いではない人のBMIは、早食いの人より低いと報告されています。ただし、どの研究も食べる速さを本人の回答で調べており、何分で食べ終わるかを測ったものではありません。

ゆっくり食べると、食べる量は減る?

食べる速さを実験で変えて、その食事で食べた量を比べた22の研究をまとめた解析があります(2014年)。ゆっくり食べた条件のほうが、食べた量は少なくなっていました。食べ方の変え方(一口の大きさ、噛む回数、食べ物のかたさなど)にかかわらず、同じ傾向でした。一方、食後の空腹感には、はっきりした差がありませんでした。

タイの若い成人41人の試験では、一口を50回噛んだときは、15回のときより食べた量が少なくなっていました。食後の血糖値とインスリンの値には、差が見られませんでした。

数日以上続けても、差は残る?

1回の食事だけでなく、毎日の食事でも差が出るかを調べた比較試験が、2026年に発表されました。オランダの若い成人41人が、同じような加工食品を使いながら、かたさなどで速く食べられる献立と、ゆっくり食べることになる献立を、それぞれ2週間ずつ好きなだけ食べました。

ゆっくり食べる献立のほうが、1日の摂取量は約369kcal少なく、この差は2週間を通じて続いていました。体脂肪は0.43kg減りましたが、体重には差がありませんでした。著者の一部は、食品企業から講演料などを受け取っていたことを開示しています。

東京大学の試験(2024年)では、太り気味の日本人男性9人が、加工の多い食事と少ない食事を1週間ずつ食べました。加工の多い食事の期間は、1日の摂取量が多く、体重も増えていました。このとき、カロリーあたりの噛む回数は少なくなっていました。人数が少なく、噛む回数だけの影響を取り出した試験ではありません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
早食いの人ほど肥満が多いか(日本の健診・約56万人)根拠 初期肥満が長く続いた人で「速い」の割合が高い(男性約2.4倍・女性約1.5倍)
食べる速さと肥満(日本の2型糖尿病の人・約6万人)根拠 初期遅い人は速い人より肥満の割合が低い(オッズ比0.58)
ゆっくり食べると、その食事の量が減るか(22の実験のまとめ)根拠 有望量は少なくなった。空腹感には差なし
2週間続けても摂取量の差が残るか(41人の比較試験)根拠 有望1日約369kcal少ない。体脂肪0.43kg減、体重は差なし
早食いをやめて、体重が長く減るか根拠 話題長い期間の比較試験はない
まだ分かっていないこと早食いをやめることで体重が減り、それが何年も続くかを確かめた比較試験はありません。日本の健診の研究は観察研究で、太っている人が早食いになりやすいのか、早食いで太るのかは区別できません。食べる速さは本人の回答で、測り方も研究ごとに違います。22の実験のまとめは、多くが1回の食事を調べたもので、結果のばらつきも大きいとされています。2週間の比較試験は平均27歳の若い成人41人が対象で、中高年に同じ結果が当てはまるかは分かっていません。著者の一部は食品企業から講演料などを受け取っていました。東京大学の試験は9人の男性だけで、噛む回数の影響を単独で調べたものではありません。

食べる速さを変えるには、どうすればよいか

研究のまとめでは、一口を小さくする、噛む回数を増やす、かたさのある食べ物を選ぶ、といった方法のいずれでも、食べる量が少なくなる傾向が見られました。どの方法が続けやすいか、どの程度ゆっくりにすればよいかは、まだ決まっていません。歯や飲み込みに不安がある方は、無理に噛む回数を増やさず、歯科医に相談してください。

今日からできること
  • 一口を小さめにし、口の中のものを飲み込んでから次の一口をとる
  • 噛みごたえのある食材(根菜・きのこ・玄米など)を献立に入れる
  • テレビやスマートフォンを見ながらではなく、食事の時間を15〜20分ほどとる。この時間は研究で決まった目安ではない
  • 歯の痛み、入れ歯の不具合、飲み込みにくさがある方は、噛む回数を増やす前に歯科医に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
日本の健診の約56万人(Nutrients 2026)日本の健診データを使った後ろ向きコホート研究、56万4,198人。20代のBMIの経過で、普通体重・やせが続く群・肥満が続く群に分類。肥満の期間が75〜100%の群で「早食い」と答えるオッズ比は男性2.40、女性1.47。やせが続く群では「遅い」と答えるオッズ比が男性2.45、女性1.89。食べる速さの答えは追跡中も約7割が同じ。著者は利益相反なしと開示
日本の2型糖尿病の約6万人(BMJ Open 2018)健康保険組合の請求データと健診データ(2008〜2013年)、2型糖尿病の日本人5万9,717人。速く食べる人に比べ、肥満(BMI25以上)のオッズ比は遅い人0.58、普通の人0.71。固定効果モデルで、食べる速さが遅くなるとBMIと腹囲が小さくなる傾向(BMIの係数は遅い−0.11、普通−0.07)。著者は利益相反なしと開示。九州大学
成人の研究のまとめ(Healthcare 2021)縦断研究6本と横断研究15本を検討し、8本でメタ解析。早食いではない人のBMIは早食いの人より有意に低く、腹囲とも関連。食べる速さの測り方を標準化する必要があると著者が指摘。著者は利益相反なしと開示
22の実験のまとめ(Am J Clin Nutr 2014)食べる速さを実験で変え、その食事の摂取量や空腹感を測った研究22本。ゆっくり食べた条件で摂取量が少ない(標準化平均差0.45)。操作の方法によらず同じ傾向だが、研究間のばらつきが大きい。食事の終わりや3.5時間後までの空腹感には有意な差なし。著者の1人は当時食品企業の研究所に所属
2週間ずつの比較試験(Am J Clin Nutr 2026)オランダ、若い成人41人(平均27歳、BMI平均23.4)、単盲検のクロスオーバー試験。加工食品中心で、かたさにより速く食べる献立とゆっくり食べる献立を各14日、好きなだけ食べる。ゆっくりの献立で1日の摂取量が369kcal少なく(95%信頼区間221〜517)、差は14日間で一定。体脂肪は0.43kg減、体重は前後・献立間とも差なし。著者の一部が食品企業などから講演料・旅費を受領と開示。NCT06113146
加工の多い食事の比較試験(Diabetes Obes Metab 2024)東京大学医学部附属病院、太り気味・肥満の日本人男性9人、各1週間のクロスオーバー試験。加工の多い食事の期間に体重が1.1kg多く増え、1日の摂取量が813.5kcal多い。カロリーあたりの噛む回数は少ない(事前に決めた副次評価項目)
噛む回数の試験(Nutr Diet 2019)タイ、若い成人41人のクロスオーバー試験。一口50回噛んだときは15回のときより摂取量が少ない。食後の血糖値とインスリンには有意な差なし。太り気味の人は一口あたりの噛む回数が少なかった
出典
  1. Iizuka K. Self-Reported Eating Speed Is Dose-Dependently and Bidirectionally Associated with Long-Term Underweight- and Obesity-Related Weight-History Groups. Nutrients. 2026. PMID 42588035
  2. Hurst Y, Fukuda H. Effects of changes in eating speed on obesity in patients with diabetes: a secondary analysis of longitudinal health check-up data. BMJ Open. 2018. PMID 29440054
  3. Kolay E, et al. Self-Reported Eating Speed Is Associated with Indicators of Obesity in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Healthcare (Basel). 2021. PMID 34828605
  4. Robinson E, et al. A systematic review and meta-analysis examining the effect of eating rate on energy intake and hunger. Am J Clin Nutr. 2014. PMID 24847856
  5. Forde CG, et al. Eating rate has sustained effects on energy intake from ultraprocessed diets: a 2-week ad libitum dietary randomized controlled crossover trial. Am J Clin Nutr. 2026. PMID 41314613
  6. Hamano S, et al. Ultra-processed foods cause weight gain and increased energy intake associated with reduced chewing frequency: A randomized, open-label, crossover study. Diabetes Obes Metab. 2024. PMID 39267249
  7. Borvornparadorn M, et al. Increased chewing reduces energy intake, but not postprandial glucose and insulin, in healthy weight and overweight young adults. Nutr Diet. 2019. PMID 29767425
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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