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抜け毛とビタミンD不足は関係ある? サプリで髪が戻るかを研究で確かめる

結論は、抜け毛のある人はビタミンDの数値が低い傾向があると報告されていますが、ビタミンDを補えば髪が戻るかは、まだ確かめられていません。関連を示したのは観察研究のまとめで、補った試験は偽薬と比べていない小規模なものだけです。研究の種類を分けて整理しました。

根拠 初期4分で読めます公開 2026.11.05更新 2026.11.05
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 抜け毛のある人は、ない人より血液中のビタミンDが平均で約7ng/mL低いと、23研究・約1万人のまとめで報告されている
  • 差がはっきりしていたのは女性の薄毛などで、男性の薄毛でははっきりした差が見られなかった
  • ビタミンDの低さが抜け毛の原因なのかは、観察研究では区別できない
  • 補った後に改善したという報告は、偽薬と比べていない40人ほどの研究だけで、量も基準の上限を大きく超えていた

抜け毛で皮膚科を受診した人は、そうでない人より血液中のビタミンDが低い傾向があると、複数の研究のまとめで報告されています。ただし、これは観察研究の段階で、ビタミンDを補えば抜け毛が減るかは、偽薬と比べた試験で確かめられていません。

ビタミンDの数値とは、どんなもの?

ビタミンDは、骨を丈夫に保つのに必要な栄養素です。魚やきのこなどの食事からとるほか、日光を浴びると皮膚でも作られます。体にどれだけあるかは、血液中の25(OH)Dという物質の量で調べます。通常の健診の項目には入っていないことが多い数値です。

髪のもとになる毛包(皮膚の中で髪を作る部分)には、ビタミンDを受け取る仕組みがあることが知られています。このため、ビタミンDの不足と抜け毛の関係が、以前から研究されてきました。

抜け毛のある人は、ビタミンDが低い?

2023年に、中国の四川大学のチームが23の研究をまとめました。対象は、髪が薄くなる、まとまって抜けるなど、跡を残さない型の抜け毛がある3,374人と、抜け毛のない7,296人です。抜け毛のある人は、ない人より25(OH)Dが平均で約7.3ng/mL低く、ビタミンDが不足している割合も約3.1倍でした。

2024年には、タイのマヒドン大学のチームが、抜け毛の種類ごとに分けて調べています。抜け毛のある人の約4〜5割がビタミンD不足に当たり、髪全体が薄くなる女性の薄毛では、抜け毛のない人より平均で約15.7ng/mL低くなっていました。一時的に抜け毛が増える状態(休止期脱毛)の人も、平均で約5.7ng/mL低い結果でした。

一方、男性の薄毛では、抜け毛のない人とのはっきりした差は見られませんでした。2024年の中国の復旦大学の総説も、ビタミンDなどの不足と薄毛の関連を示す研究がある一方、関連がないとする研究もあり、結果はそろっていないとしています。

数値が低いことは、抜け毛の原因なのか?

まだ分かっていません。観察研究では、抜け毛のある人の生活や体調の違いを取りきれないためです。たとえば、外に出る時間が短い、食事が偏っている、別の病気がある、といった事情が、ビタミンDの低さと抜け毛の両方に関わっている可能性があります。

2026年に発表された、食事と髪の17研究のまとめ(約6万1,000人、ほとんどが女性)でも、ビタミンDや鉄の値が高い人ほど抜け毛が少ない関連が報告されています。ただし、ここでも関連を見た研究が中心で、研究チームはさらに確かめる研究が必要だとしています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
抜け毛のある人は、ビタミンDが低いか(23研究・1万670人のまとめ)根拠 初期平均で約7.3ng/mL低く、不足の割合は約3.1倍
抜け毛の種類ごとの差(タイの系統的レビュー)根拠 初期女性の薄毛で約15.7ng/mL低い。男性の薄毛でははっきりした差なし
食事・栄養と髪の関連(17研究・約6万1,000人のまとめ)根拠 初期ビタミンDや鉄の値が高いほど抜け毛が少ない関連
ビタミンDを補うと抜け毛が減るか根拠 動物偽薬と比べた試験がなく、分かっていない

ビタミンDを補えば、髪は戻る?

補った後の変化を見た研究は、小規模なものに限られます。パキスタンの研究では、一時的な抜け毛がある女性40人が、ビタミンD3を2週間ごとに20万IU、合わせて6回飲み、82.5%の人で改善がみられたと報告されています。エジプトの研究でも、同じ型の抜け毛がある女性40人で、3か月ビタミンDを飲んだ後に数値が上がり、研究チームは期待できる結果としています。

どちらの研究も、偽薬を飲む組と比べていません。一時的な抜け毛は、何もしなくても数か月で落ち着くことが多く、補ったから良くなったのかは区別できません。また、パキスタンの研究の量は1日あたりに直すと約360μgに当たり、日本の食事摂取基準が定める成人の耐容上限量(1日100μg)を大きく超えています。医師の管理のもとで行われた量で、自分で試す量ではありません。

まだ分かっていないことビタミンDの低さが抜け毛の原因なのか、外に出る時間や食事、体調の違いが重なっているだけなのかは、観察研究では区別できません。まとめに入った研究は、抜け毛の種類やビタミンD不足の基準、測り方がそろっておらず、結果のばらつきも大きくなっています。日本人を対象にした研究は少なく、結果が当てはまるかは分かりません。ビタミンDを補った研究は、どちらも女性40人ほどで偽薬の組がなく、一時的な抜け毛が自然に落ち着いた分と区別できません。髪のために目指すビタミンDの値も決まっていません。

では、どうすればよいか

厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)では、成人のビタミンDの目安量を1日9.0μgとしています。2024年の米国内分泌学会の指針は、75歳未満の健康な成人には、この基準を超えるビタミンDを一律にとることを勧めておらず、症状のない人がビタミンDの数値を定期的に測ることも勧めていません。抜け毛が気になるときは、まず皮膚科で原因を調べてもらい、ビタミンDを補うかどうかは検査の結果を見て医師と相談することが勧められます。

今日からできること
  • 抜け毛が数か月続く、量が急に増えた、まとまって抜けた部分があるときは、皮膚科で相談する
  • ビタミンDの数値を測るか、サプリで補うかは、検査の結果を見て医師に相談する
  • ビタミンDのサプリを自己判断で多くとらない。成人の耐容上限量は1日100μgとされている
  • 魚やきのこ、卵など、ビタミンDを含む食品を食事に取り入れる
  • 日中に屋外で過ごす時間を少し持つ。日焼けが気になる人は、顔以外の手足に短時間日を当てる方法もある
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
跡を残さない脱毛と血液中のビタミンDのまとめ(J Cosmet Dermatol 2024)中国・四川大学。23研究、抜け毛のある3,374人と健康な7,296人。25(OH)Dは平均7.29ng/mL低く、ビタミンD不足の割合はオッズ比3.11。研究間のばらつきが大きい(I2=95%)。資金・利益相反は抄録に記載なし
脱毛の種類ごとのビタミンD不足の系統的レビュー(Front Nutr 2024)タイ・マヒドン大学。2024年9月までの研究。ビタミンD不足の割合は女性の薄毛50.4%、男性の薄毛47.4%、休止期脱毛53.5%。女性の薄毛はオッズ比5.24、平均15.67ng/mL低い。男性の薄毛はオッズ比4.42(95%信頼区間0.53〜36.61)で有意差なし。休止期脱毛は平均5.71ng/mL低い。サプリを飲んでいる人の研究は除外。利益相反なし
食事と髪の健康の系統的レビュー(Nutr Health 2026)ポルトガル・ポルト大学。17研究、6万1,332人、97%が女性。最も多く調べられた栄養素はビタミンD(5研究)。ビタミンDと鉄の値が高いほど脱毛が少ない関連。PROSPERO登録。利益相反なし
微量栄養素と男性型・女性型の薄毛の系統的レビュー(Mol Nutr Food Res 2024)中国・復旦大学。1993〜2023年の49論文。ビタミンB群・D・鉄・亜鉛などの不足と薄毛の関連を示す研究がある一方、関連なしとする研究もあり、結果は一貫していない
休止期脱毛の女性へのビタミンD3の研究(J Nutr Sci Vitaminol 2021)パキスタン。休止期脱毛の成人女性40人、平均32歳。ビタミンD3を2週間ごとに20万IU、計6回(約3か月)。82.5%で改善と報告。偽薬の組なし
休止期脱毛の女性へのビタミンDの研究(Int J Trichology 2023)エジプト・タンタ大学。休止期脱毛の女性40人と健康な20人。治療前の25(OH)Dは13.31対33.61ng/mL。3か月飲んだ後は38.4ng/mLに上昇。偽薬の組なし。利益相反なし
病気予防のためのビタミンDの診療指針(J Clin Endocrinol Metab 2024)米国内分泌学会。偽薬と比べた試験を GRADE で評価。75歳未満の健康な成人に基準を超える量を一律にとることは勧めない。一般の人に25(OH)Dを定期的に測ることも勧めない
日本人の食事摂取基準(2025年版)厚生労働省。成人のビタミンDの目安量は男女とも1日9.0μg、耐容上限量は1日100μg
出典
  1. Chen Y, et al. Serum 25 hydroxyvitamin D in non-scarring alopecia: A systematic review and meta-analysis. J Cosmet Dermatol. 2024. PMID 38010941
  2. Yongpisarn T, et al. Vitamin D deficiency in non-scarring and scarring alopecias: a systematic review and meta-analysis. Front Nutr. 2024. PMID 39416654
  3. Gomes N, et al. Assessing the relationship between dietary factors and hair health: A systematic review. Nutr Health. 2026. PMID 40836838
  4. Wang R, et al. Micronutrients and Androgenetic Alopecia: A Systematic Review. Mol Nutr Food Res. 2024. PMID 39440586
  5. Sattar F, et al. Efficacy of Oral Vitamin D(3) Therapy in Patients Suffering from Diffuse Hair Loss (Telogen Effluvium). J Nutr Sci Vitaminol (Tokyo). 2021. PMID 33642467
  6. El-Tatawy RA, et al. Oral Vitamin D Treatment in Patients with Telogen Effluvium: Clinical and Dermoscopic Evaluation. Int J Trichology. 2023. PMID 39170090
  7. Demay MB, et al. Vitamin D for the Prevention of Disease: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. J Clin Endocrinol Metab. 2024. PMID 38828931
  8. 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ビタミン(脂溶性ビタミン). 2024. リンク
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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