
カフェイン入りのシャンプーで、薄毛は変わる? 比較試験とまとめで分かったこと
カフェイン入りのシャンプーや頭皮用の液は、薄毛が気になる方向けによく見かけます。実験室の研究から人の比較試験、2025年の研究のまとめまでを整理し、どこまで分かっているかを確認しました。
- 男性210人の試験では、カフェイン0.2%の頭皮用の液で、成長期の毛の割合がミノキシジル5%と同じ程度に改善したと報告された
- 男性154人の試験では、カフェイン入りのシャンプーを24週間使った組で、引っ張って抜ける毛の本数が偽のシャンプーより減った
- 2025年に9本の研究をまとめたレビューは「有望だが、大きな比較試験が必要」としている
- 試験は少なく、製造会社が関わったものが多い。髪の量がはっきり増えるかはまだ分かっていない
カフェインを含むシャンプーや頭皮用の液を使った比較試験では、抜ける毛が減った、成長期の毛の割合が増えたといった結果が報告されています。ただし試験の数は少なく、多くは製造会社が関わったもので、髪の量がはっきり増えるかは確かめられていません。
2025年に発表された研究のまとめでも、著者は「有望だが、大きな比較試験が必要」としています。現時点では有望の段階の話です。
なぜカフェインが髪に使われるの?
きっかけは実験室の研究です。2007年にドイツの大学のチームが、男性型の薄毛の方の頭皮から採った毛包(毛を作る根元の組織)を培養し、カフェインを加えました。男性ホルモンで抑えられた毛の伸びが、カフェインで打ち消されたと報告しています。カフェインだけを加えた場合も、毛の伸びが促されていました。
同じ年に別のドイツのチームが、カフェイン入りのシャンプーで2分間洗ったあと、カフェインが体に吸収されるかを調べました。毛穴を通る経路が肌の表面を通るより速く、塗ってから20分間の速い吸収は毛穴からだけだったと報告しています。ただし、毛包に届くことと、髪が増えることは別の話です。どちらも人で髪の量を確かめた研究ではありません。
人の試験では、どんな結果が出ている?
インドで行われた試験では、男性型の薄毛の男性210人を2組に分けました。片方はカフェイン0.2%の頭皮用の液、もう片方は薄毛の治療に使われる塗り薬のミノキシジル5%を、6か月使ってもらいました。成長期の毛の割合は、カフェインの組で10.59%、ミノキシジルの組で11.68%改善し、カフェインは劣らないと結論づけています。
ただし、この試験は参加者も医師もどちらを使っているかを知っている形で行われ、偽の液と比べた組はありません。著者には、カフェイン製品を作る会社の社員が含まれています。
2025年には、イタリアで男性154人を対象にした試験が発表されました。カフェインと血流に関わる成分を含むシャンプーと、成分を除いた偽のシャンプーを、24週間毎日使ってもらいました。髪を軽く引っ張ったときに抜ける本数は、本物の組で平均2.8本減り、偽の組では0.6本増えていました。副作用の報告はありませんでした。この試験も製造会社の社員が著者に入っており、カフェイン単独の働きは分かりません。
研究のまとめでは、どう評価されている?
2025年の系統的レビュー(決まった方法で論文を集めて評価する研究)は、カフェインと髪を調べた9本の研究を集めました。比較試験が5本、追跡調査が4本で、ほとんどが頭皮に塗るカフェインでした。塗るカフェインでは、髪が伸びた、抜け毛が減ったという結果が一貫して出ており、副作用はわずかだったとしています。
一方で、毛を数える場所に印をつけて同じ場所を数え直した研究は1本もなかったと指摘しています。毛の本数を正確に比べるには、この方法が勧められています。
別のまとめは、医師の処方がなくても使える成分を調べた13本の試験を整理しました。カフェインのほか、植物の抽出物やノコギリヤシなどが含まれ、いずれも何らかの指標で改善が報告されていました。ただし著者は、質の高い大きな試験と、長く使ったときの安全性のデータが必要だとしています。
| 調べたこと | 根拠 | 結果 |
|---|---|---|
| 培養した毛包にカフェインを加える(実験室) | 根拠 動物 | 男性ホルモンによる毛の伸びの抑制を打ち消した |
| シャンプーのカフェインが毛穴から吸収されるか(人) | 根拠 初期 | 2分間の洗髪で毛穴を通って吸収された |
| カフェイン0.2%の液とミノキシジル5%の比較(男性210人・6か月) | 根拠 有望 | 成長期の毛の割合の改善は同程度(10.59%と11.68%) |
| カフェイン入りシャンプーと偽のシャンプーの比較(男性154人・24週) | 根拠 有望 | 引っ張って抜ける毛が減った。カフェイン単独の働きは不明 |
| 9本の研究の系統的レビュー(2025年) | 根拠 有望 | 塗るカフェインで一貫して良い結果。研究の質に課題 |
では、どう考えればよいか
カフェイン入りのシャンプーや頭皮用の液は、これまでの試験で大きな副作用の報告はほとんどありません。一方で、試験の数は少なく、髪の量がはっきり増えるかは分かっていません。使う場合は、その前提で期待しすぎないことが大切です。飲むコーヒーで髪が変わるかは、ほとんど調べられていません。
抜け毛が急に増えた、円形に抜けた、かゆみや赤みがあるといった場合は、薄毛のほかの原因が隠れていることがあります。自己判断で続けず、皮膚科で相談してください。
- カフェイン入りの製品を使うなら、研究で使われた期間(6か月ほど)を目安に、抜け毛の量や地肌の見え方を同じ条件で写真に残して比べる
- 頭皮にかゆみや赤みが出たら使うのをやめる
- 抜け毛が急に増えた、円形に抜けた、頭皮に炎症があるといった場合は、皮膚科で相談する
- 薄毛の治療薬を使っている方、使うか迷っている方は、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
| カフェインと髪の系統的レビュー(J Drugs Dermatol 2025) | 7つのデータベースを2023年8月に検索。587件から9本(比較試験5本、前向きコホート3本、双子のコホート1本)。多くは塗るカフェインで、飲むカフェインは1本。塗るカフェインで髪の成長や抜け毛の減少が一貫して示され、有害事象はわずか。毛を数える部位に入れ墨や印をつけた研究はなかった。米国ミネソタ大学など |
|---|---|
| 処方がなくても使える成分の試験のまとめ(Skin Appendage Disord 2025) | 評価者を盲検化した対照試験13本。プロシアニジン、セチリジン、カフェイン、米ぬか、カボチャ種子油、ローズマリー油、ノコギリヤシ、クレソン。毛の密度・太さのいずれかで改善。有害事象はわずか。より質の高い大規模な試験と長期データが必要。著者は利益相反なしと開示 |
| カフェイン0.2%液とミノキシジル5%液の比較(Skin Pharmacol Physiol 2017) | インドの多施設、男性型脱毛症の男性210人、6か月、非盲検の非劣性試験。成長期毛の割合の改善はカフェイン10.59%、ミノキシジル11.68%、差1.09%で非劣性と結論。偽薬の組なし。著者にカフェイン製品の製造会社の所属者を含む |
| カフェイン入りシャンプーの比較試験(J Cosmet Dermatol 2025) | イタリア、男性型脱毛症の男性154人、24週の二重盲検・偽薬対照。ジメチルグリシンナトリウムとカフェインを含むシャンプー。引っ張りテストで抜けた毛の変化は−2.8本と+0.6本(p<0.001)。30人の部分集団で毛の数・密度・成長期毛の割合が増加。有害事象の報告なし。著者に製造会社の社員を含む |
| シャンプーからのカフェインの吸収(Skin Pharmacol Physiol 2007) | ドイツ・シャリテ大学病院。カフェイン入りシャンプーを2分間使用し、血中のカフェインを測定。毛穴の経路を塞いだ部位と比べ、毛穴を通る吸収が速く多かった。人数は抄録に記載なし |
| 培養した毛包の実験(Int J Dermatol 2007) | 男性型脱毛症の男性14人の頭頂部の組織から毛包を培養。テストステロンによる毛の伸びの抑制を、カフェイン0.001%・0.005%が打ち消した。カフェイン単独でも伸びを促した。人での効果を示すものではない |
- Ly N, et al. Caffeine Supplementation and Hair: A Systematic Review. J Drugs Dermatol. 2025. PMID 41187241
- Gupta AK, et al. Do Non-Prescription Products Help in Managing Androgenic Alopecia? Skin Appendage Disord. 2025. PMID 40475103
- Dhurat R, et al. An Open-Label Randomized Multicenter Study Assessing the Noninferiority of a Caffeine-Based Topical Liquid 0.2% versus Minoxidil 5% Solution in Male Androgenetic Alopecia. Skin Pharmacol Physiol. 2017. PMID 29055953
- Celleno L, et al. A Novel Approach Against Male Pattern Hair Loss With Topical Dimethylglycine Sodium Salt (DMG-Na) and Caffeine: Efficacy of a 24-Week, Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Trial. J Cosmet Dermatol. 2025. PMID 40820949
- Otberg N, et al. Follicular penetration of topically applied caffeine via a shampoo formulation. Skin Pharmacol Physiol. 2007. PMID 17396054
- Fischer TW, et al. Effect of caffeine and testosterone on the proliferation of human hair follicles in vitro. Int J Dermatol. 2007. PMID 17214716

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この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。









