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日焼け止めを毎日塗ると、ビタミンDが足りなくなる? 比較試験で分かったこと

しみやしわを防ぐために、日焼け止めを毎日塗る人が増えています。一方で、肌でビタミンDを作る力を妨げないかという心配もあります。1年間の比較試験と研究のまとめから、どれくらい影響があるのかを整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.11.01更新 2026.11.01
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • SPF50+の日焼け止めを1年間毎日塗った組は、自由に使った組よりビタミンDの値が平均5.2nmol/L(約2ng/mL)低かったと、オーストラリアの639人の比較試験で報告された
  • 同じ試験で、ビタミンD不足と判定された人は46%対37%と、毎日塗った組で多かった
  • SPF15〜17の日焼け止めを使った試験では、ビタミンDの値は塗らない場合と同じ程度に上がっており、生成が完全に止まるわけではない
  • 研究チームは日焼け止めをやめることは勧めておらず、検査や食事などでの補給を考えるよう提案している

日焼け止めを毎日しっかり塗ると、血液中のビタミンDの値は塗らない場合より少し低くなると、オーストラリアの1年間の比較試験で報告されました。差は小さいものの、不足と判定される人の割合は増えており、日焼け止めをやめるのではなく、食事などでビタミンDを補う考え方が示されています。

なぜ日焼け止めでビタミンDが減ると考えられている?

ビタミンDは、食べ物からとるほか、日光の紫外線B(UVB)が肌に当たると体の中で作られます。日焼けの主な原因になるのも、同じUVBです。そのため、日焼けを防ぐ日焼け止めは、ビタミンDを作る働きも妨げるのではないかと心配されてきました。

実験室で人工の紫外線を当てた研究では、日焼け止めでビタミンDの生成が大きく抑えられていました。一方、2019年にオーストラリアの研究チームが研究をまとめたところ、ふだんの暮らしを調べた観察研究の多くでは、日焼け止めを使う人の値は低くありませんでした。使う人ほど外にいる時間が長いことも、理由の一つと考えられています。

毎日しっかり塗ると、どれくらい下がる?

2025年に発表されたSun-D試験は、18〜70歳の639人を、くじ引きで2つの組に分けました。片方は、紫外線の強さの予報(UVインデックス)が3以上の日に、毎朝SPF50+の日焼け止めを塗りました。もう片方は、これまでどおり好きなときに使いました。期間は約1年です。

血液中のビタミンDの値(25(OH)D)は、自由に使った組で平均6.8nmol/L上がり、毎日塗った組では1.6nmol/Lの上昇にとどまりました。差は5.2nmol/Lで、ng/mLに直すと約2です。不足(50nmol/L未満)と判定された人は、毎日塗った組で46%、自由に使った組で37%でした。

この差は、住んでいる地域の紫外線の強さや、外で過ごす時間、服で肌を覆う程度で分けて調べても、ほぼ同じでした。言われたとおりに塗っていた人ほど、差は大きくなっていました。期間中にビタミンDのサプリを飲まなかった人に限っても、同じ傾向でした。

2025年には、イタリアの研究チームが22の研究を整理し、そのうち7つ(合わせて9,470人)の数値をまとめています。日焼け止めを使う人の値は、平均で約2ng/mL低いという結果でした。Sun-D試験とほぼ同じ大きさの差です。

SPFが低めなら、影響はない?

1990年代のオーストラリアの比較試験では、40歳以上の113人が夏の間、SPF17の日焼け止めか、日焼け止めの成分を含まないクリームを毎日塗りました。どちらの組でもビタミンDの値は同じ程度に上がり、正常な範囲を外れた人はいませんでした。

日差しの強いスペイン領カナリア諸島での1週間の旅行を調べた研究もあります。SPF15の日焼け止めを十分な厚さで塗った人は、日焼けをせずに、ビタミンDの値が上がっていました。ただし、上がり幅は好きなように使った人より小さめでした。どの研究も、日焼け止めでビタミンDの生成が完全に止まるわけではないことを示しています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
SPF50+を1年間毎日塗ったときのビタミンDの値(639人の比較試験)根拠 有望自由に使った組より平均5.2nmol/L低い
ビタミンD不足と判定された人の割合(同じ試験)根拠 有望46%対37%で、毎日塗った組で多い
日焼け止めを使う人の値(7研究・9,470人のまとめ)根拠 初期平均で約2ng/mL低い
SPF17を夏の間毎日塗ったとき(40歳以上113人の比較試験)根拠 有望塗らない組と同じ程度に上昇
日差しの強い旅行でSPF15を十分に塗ったとき(約80人)根拠 初期日焼けを防ぎつつ値は上昇。上がり幅はやや小さい
まだ分かっていないこと日焼け止めで下がるビタミンDの差(約2ng/mL)が、骨や筋肉など体の健康にどれくらい影響するかは分かっていません。Sun-D試験は紫外線の強いオーストラリアで行われ、ふだん日焼け止めを使わず、サプリも飲んでいない人が対象でした。日照の少ない季節や地域、日本人にそのまま当てはまるかは確かめられていません。参加者も研究者も、どちらの組かを知ったうえで行われた試験です。研究者の一部は、日焼け止めの販売収入を研究資金に充てる団体の職員でした。7研究のまとめは、観察研究を含み、研究ごとに方法が異なります。日本の約8,300人の研究は観察研究で、ビタミンDの低さが亡くなる割合を高める原因かどうかは分かりません。

日本の中高年は、どう考えればよい?

新潟県の40〜74歳の約8,300人を調べた研究では、血液中のビタミンDの平均は50.1nmol/Lでした。不足の目安とされる値に近い水準です。この研究では、値が低い人ほど、その後の追跡中に亡くなる割合が高い傾向もありました。ただし観察研究で、ビタミンDが低いことが原因かどうかは分かっていません。

日焼け止めは、日焼けやしみを防ぐために勧められている方法です。Sun-D試験の研究チームも、日焼け止めを使い続けたうえで、ビタミンDの検査や補給を考えることを勧めています。魚やきのこ、卵など、ビタミンDを含む食べ物を意識してとることも一つの方法です。

今日からできること
  • しみや日焼けを防ぐための日焼け止めは、これまでどおり使う
  • 鮭やさばなどの魚、きのこ、卵など、ビタミンDを含む食べ物を食事に取り入れる
  • 骨が気になる方、外に出る機会が少ない方は、ビタミンDの値を調べるかどうかを医師に相談する
  • サプリを考えるときは、量や持病との関係を医師や薬剤師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
Sun-D試験(Br J Dermatol 2025)オーストラリアの18〜70歳639人(解析628人、年齢の中央値52歳、女性66%)。ふだん日焼け止めを使わず、ビタミンDのサプリも飲んでいない人。UVインデックス3以上の日にSPF50+を毎朝塗る組と、自由に使う組に分け、約1年間。25(OH)Dの変化は+1.6対+6.8nmol/Lで差は−5.2(95%信頼区間−7.2〜−3.2)。不足(50nmol/L未満)は45.7%対36.9%(有病率比1.33)。非盲検。豪州NHMRCの研究費。著者の一部は日焼け止めの販売収入がある団体の職員で、製薬会社や日焼け止めの会社から支援を受ける団体の代表も含む
日焼け止めと25(OH)Dのまとめ(Endocr Pract 2025)22研究を整理し、7研究・9,470人を統合。日焼け止めの使用で25(OH)Dが平均2ng/mL低い(95%信頼区間−3〜−1)。研究間のばらつきは大きくない(I²=37%)。観察研究を含む。著者は利益相反なしと開示
日焼け止めとビタミンDのレビュー(Br J Dermatol 2019)実験研究4本、野外の試験3本(比較試験2本)、観察研究69本。人工の紫外線を使った実験では生成が大きく抑えられたが、SPF16前後の比較試験では差がなかった。観察研究の多くは関連なし、または使う人ほど値が高い。SPFの高い日焼け止めの試験はないと指摘
SPF17の比較試験(Arch Dermatol 1995)オーストラリアの40歳以上113人(全員に日光角化症あり)。夏の間、SPF17の日焼け止めか、成分を含まないクリームを毎日塗る二重盲検の比較試験。25(OH)Dの上昇幅は同程度(+11.8対+12.8)。基準範囲を外れた人はいなかった
日差しの強い旅行での研究(Br J Dermatol 2019)テネリフェ島での1週間の休暇。ポーランドの健康な成人に、UVAの防御が高いSPF15と低いSPF15を各20人。自由に使う組22人、旅行しない組17人と比較。25(OH)D3は自由に使う組で+28.0、日焼け止めの組で+19.0と+13.0nmol/L。日焼け止めの組は日焼けを防げた。著者に日焼け止めを販売する企業の社員を含む
日本の約8,300人の追跡研究(Br J Nutr 2025)新潟県の40〜74歳8,285人を11年追跡。25(OH)Dの平均50.1nmol/L。値が最も低い5分の1の組は、最も高い組より亡くなる割合が高い(ハザード比1.46)。観察研究
出典
  1. Tran V, et al. Effect of daily sunscreen application on vitamin D: findings from the open-label randomized controlled Sun-D Trial. Br J Dermatol. 2025. PMID 40927943
  2. Gatta E, Cappelli C. Sunscreen and 25-Hydroxyvitamin D Levels: Friends or Foes? A Systematic Review and Meta-Analysis. Endocr Pract. 2025. PMID 40246233
  3. Neale RE, et al. The effect of sunscreen on vitamin D: a review. Br J Dermatol. 2019. PMID 30945275
  4. Marks R, et al. The effect of regular sunscreen use on vitamin D levels in an Australian population. Results of a randomized controlled trial. Arch Dermatol. 1995. PMID 7726582
  5. Young AR, et al. Optimal sunscreen use, during a sun holiday with a very high ultraviolet index, allows vitamin D synthesis without sunburn. Br J Dermatol. 2019. PMID 31069787
  6. Kitamura K, et al. Plasma 25-hydroxyvitamin D concentrations, vitamin D deficiency and mortality in community-dwelling Japanese adults. Br J Nutr. 2025. PMID 41063361
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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