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乳酸菌やビフィズス菌のサプリで、お通じは変わる? 比較試験のまとめで分かったこと

便秘が気になって、乳酸菌やビフィズス菌のサプリを考える人は少なくありません。慢性の便秘がある大人を対象にした比較試験のまとめと、2025年の英国のガイドラインから、分かっていることと分かっていないことを整理しました。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.10.26更新 2026.10.26
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 慢性の便秘がある大人の比較試験のまとめでは、プロバイオティクスで排便の回数が増えたと報告されている
  • 症状が軽くなった人の割合は57%と44%だったが、試験の質は低めで、結果のばらつきも大きい
  • どの菌がよいかはまとめによって結果が分かれ、2025年の英国のガイドラインも特定の菌は勧めていない
  • 副作用の出方は、比べた組と差がなかったと報告されている

乳酸菌やビフィズス菌のサプリ(プロバイオティクス)を便秘のある大人がとった比較試験では、排便の回数が増えたという報告がまとまっています。ただし試験の質は低めで、どの菌がよいのかは、2025年の英国の食事のガイドラインでも決められていません。

プロバイオティクスとは何?

プロバイオティクスは、とることで体によい働きをすると考えられている生きた菌のことです。乳酸菌やビフィズス菌がよく知られており、ヨーグルトなどの食品のほか、粉や粒のサプリとしても売られています。菌のえさになる食物繊維などはプレバイオティクス、菌とえさを組み合わせたものはシンバイオティクスと呼ばれます。

ここで紹介する研究の多くは、慢性の便秘がある大人を対象にしています。便秘のない人がとったときの変化を調べた研究ではない点に注意が必要です。

比較試験のまとめでは、どんな結果が出た?

2022年に英国の研究チームが、慢性の便秘がある大人を対象にした比較試験をまとめました。プロバイオティクスの試験が30本、シンバイオティクスの試験が4本です。

「症状が軽くなった」と判定された人の割合は、プロバイオティクスの組で57%、比べた組で44%でした。排便の回数も増えていました。一方、便の硬さには、はっきりした差が出ていません。菌の種類で分けると、差が見られたのはビフィズス菌の一種(B. lactis)でした。複数の菌を混ぜたものや、一部の菌株では差がはっきりしませんでした。シンバイオティクスは、回数にも症状にも差が出ていません。

研究チームは、試験ごとの結果のばらつきが大きく、偏りの危険も高いので、慎重に解釈する必要があると書いています。

ほかのまとめでも、同じ結果だった?

2024年に中国の研究チームが発表したまとめでは、17の試験・1,256人を、偽の粉などと比べた試験に絞って解析しました。プロバイオティクスを含む製品で、排便の回数が増え、便の硬さと症状の点数もよい方向に変わったと報告されています。ただし根拠の確かさは「低い」か「非常に低い」と判定されました。このまとめでは、シンバイオティクスのほうが回数が増えやすいという結果で、2022年のまとめとは分かれています。

同じ2024年には、37の試験・3,903人を使って、21の方法を互いに比べた解析も出ました。菌のえさになる成分や、シンバイオティクスで回数が増えたという結果です。副作用の出方には、比べた組とのあいだで差がありませんでした。

高齢者に限ったまとめもあります。6つの試験・444人で、回数が増えたと報告されましたが、根拠の確かさは「非常に低い」とされています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
症状が軽くなった人の割合(慢性の便秘の大人、プロバイオティクスの試験のまとめ)根拠 有望57%と44%。結果のばらつき・偏りの危険が大きい
排便の回数(30試験と17試験の2つのまとめ)根拠 有望増えたと報告。根拠の確かさは低い
便の硬さ根拠 初期まとめによって差なし・わずかに改善と分かれる
どの菌がよいか根拠 初期まとめによって結果が分かれ、特定の菌は勧められていない
高齢者の排便の回数(6試験のまとめ)根拠 初期増えたと報告。根拠の確かさは非常に低い
副作用根拠 有望比べた組と差なし

ガイドラインでは、どう扱われている?

2025年には、英国栄養士会が慢性の便秘の食事についてのガイドライン(研究をもとにした推奨のまとめ)を発表しました。75の比較試験をもとに、59の推奨をまとめています。そのうち20がプロバイオティクスに関するものです。

ガイドラインは、一部の菌で症状の項目によっては改善が見込めるとしつつ、全体としては特定の菌を勧めるだけの根拠はないという立場です。試したい人には、製品を1つ選び、ある程度の期間続けてから判断するよう助言しています。同じガイドラインでは、オオバコ(サイリウム)の食物繊維、キウイフルーツ、ライ麦パン、ミネラルの多い水も、特定の項目で勧められています。

まだ分かっていないことまとめに含まれる試験は数十人から数百人規模のものが多く、期間も短めです。菌の種類や量、とり方は試験ごとに大きく異なり、どの菌をどれだけとればよいかは分かっていません。まとめによって、菌を混ぜたものやシンバイオティクスの評価が分かれています。対象の多くは慢性の便秘がある人で、便秘のない人がとったときの変化は調べられていません。数か月から年単位で続けたときの結果も分かっていません。2022年のまとめとガイドラインの著者の一部は、乳製品やプロバイオティクスを扱う企業から研究費や講演料を受けたことを開示しています。

では、どう考えればよいか

プロバイオティクスのサプリで排便の回数が増えたという報告は多い一方、試験の質は低めで、どの菌をどれだけとればよいかは分かっていません。まずは食事や水分、体を動かす習慣を見直し、サプリを試す場合は過度に期待せずに様子を見るのが現実的です。便通の急な変化や血が混じるといった変化があれば、サプリで様子を見続けず医師に相談しましょう。

今日からできること
  • まずは食物繊維や水分を意識してとり、体を動かす時間を増やす
  • サプリを試す場合は1種類に絞り、ある程度の期間続けてから、合うかどうかを判断する
  • おなかの張りなど不調が出たら、量を減らすかやめる
  • 持病のある方、薬を飲んでいる方、免疫の働きが落ちている方、妊娠中・授乳中の方は、飲む前に医師や薬剤師に相談する
  • 便通の急な変化、便に血が混じる、体重が減るといった変化があるときは、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
プロバイオティクスとシンバイオティクスのまとめ(Clin Nutr 2022)慢性の便秘がある成人。プロバイオティクス30試験、シンバイオティクス4試験。反応した人はプロバイオティクス369/647人(57%)、対照252/567人(44%)、リスク比1.28。排便回数の標準化平均差0.71。便の硬さは有意差なし(0.26)。症状スコアは改善(−0.46)。B. lactisで有意、混合物や一部の菌株では有意差なし。シンバイオティクスは有意差なし。異質性と偏りの危険が高い。著者に食品業界・乳製品企業からの研究費などの開示あり
プロバイオティクスを含む製品のまとめ(BMJ Open 2024)機能性便秘の成人、プラセボと比べた17試験・1,256人。排便回数の加重平均差0.93(確かさ低い、I²=84.5%)、便の硬さ0.38(非常に低い)、症状スコア−0.28(非常に低い)。サブグループ解析ではシンバイオティクスのほうが回数を増やした。利益相反なし
ネットワーク・メタ解析(Eur J Nutr 2024)慢性の便秘の成人、37試験・3,903人、21種類の方法を比較。プレバイオティクスとシンバイオティクスで週の排便回数が増加(確かさは中程度〜非常に低い)。有害事象はすべての解析で有意差なし
高齢者のまとめ(J Nutr Health Aging 2023)便秘のある高齢者、6試験・444人。排便回数の平均差1.02(非常に低い確かさ)。いきみ・用手的な排便・有害事象は有意差なし。利益相反なし
英国栄養士会のガイドライン(Neurogastroenterol Motil 2025)4つの系統的レビュー・75試験をもとに、GRADEとデルファイ法で59の推奨を作成(プロバイオティクス20、食物繊維のサプリ15など)。推奨の根拠は非常に低い12、低い39、中程度8。一部の菌、オオバコ、キウイフルーツ、ライ麦パン、ミネラルの多い水が特定の項目で推奨された。著者の一部に乳製品・プロバイオティクス企業からの研究費・講演料の開示あり
出典
  1. van der Schoot A, et al. Probiotics and synbiotics in chronic constipation in adults: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Clin Nutr. 2022. PMID 36372047
  2. Ding F, et al. Efficacy in bowel movement and change of gut microbiota on adult functional constipation patients treated with probiotics-containing products: a systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2024. PMID 38238054
  3. Deng X, et al. Network meta-analysis of probiotics, prebiotics, and synbiotics for the treatment of chronic constipation in adults. Eur J Nutr. 2024. PMID 38693449
  4. Deng X, et al. Efficacy and Safety of Probiotics in Geriatric Patients with Constipation: Systematic Review and Meta-Analysis. J Nutr Health Aging. 2023. PMID 37997737
  5. Dimidi E, et al. British Dietetic Association Guidelines for the Dietary Management of Chronic Constipation in Adults. Neurogastroenterol Motil. 2025. PMID 41081381
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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