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マグネシウムのサプリで、眠りはよくなる? 比較試験とまとめで分かったこと

寝つきが悪いときにマグネシウムを試す人が増えています。飲むと眠りが変わるのかを、比較試験とそのまとめから整理しました。とりすぎの目安も、厚生労働省の基準で確認しています。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.24更新 2026.10.24
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 高齢者の3試験・151人のまとめでは、寝つくまでの時間が約17分短かったが、根拠の確実性は低いとされた
  • ドイツの155人の比較試験では、4週間で不眠の重さの点数がわずかに改善した。効果の大きさは「小さい」
  • 12試験をまとめた2026年のレビューは、結果が一致せず、不眠の対策として日常的に勧める根拠はないと結論している
  • サプリなど通常の食品以外からとる量の上限は、厚生労働省の基準で成人1日350mg

マグネシウムのサプリで、寝つくまでの時間がやや短くなったと報告した比較試験はあります。ただ、どの試験も小さく結果もそろっていないため、2026年の最新のまとめでは、不眠の対策として日常的に勧められるだけの根拠はないと結論されています。

マグネシウムと眠りは、なぜ結びつけて語られる?

マグネシウムは、食事からとるミネラルの一つです。眠りとの関係を調べた研究チームは、神経の興奮を静める仕組みに関わっている可能性を挙げています。ただし、これは考えられている仕組みの段階で、飲んで眠りがよくなるかは人の試験で確かめる必要があります。

2023年には、観察研究と比較試験を合わせた9つの研究、7,582人分を整理したレビューが出ました。体のマグネシウムの状態と眠りの質には、観察研究では関連が見られています。一方、比較試験の結果は食い違っていました。

飲むと、寝つきはよくなる?

高齢者を対象にした比較試験のまとめが、2021年に発表されています。3か国の3つの試験、合わせて151人分です。マグネシウムを飲んだ組は、偽薬(見た目が同じで有効成分を含まないもの)の組より、寝つくまでの時間が約17分短くなっていました。眠っている時間の合計は約16分長かったものの、偶然でも起こりうる差の範囲でした。

著者は、どの試験にも偏りが入る危険が中程度から高く、根拠の確実性は低い、または非常に低いと評価しています。医師が勧めるかどうかを決めるには、研究の質が足りないとも書いています。

3つのうちの一つは、イランの高齢者46人の試験です。マグネシウム500mgか偽薬を8週間飲んでもらったところ、不眠の重さの点数が下がり、寝つくまでの時間も短くなったと報告されました。

最近の比較試験では、どんな結果が出た?

2025年には、眠りの質が悪いと感じているドイツの18〜65歳、155人の試験が報告されました。マグネシウム250mgを毎日飲む組と、偽薬の組に分けています。4週間後、不眠の重さの点数は、マグネシウムの組で3.9点、偽薬の組で2.3点下がりました。差は統計的に意味があるとされる境目に近く、効果の大きさは「小さい」と評価されています。

気分などほかの項目では、差がありませんでした。食事からのマグネシウムが少ない人ほど改善が大きい可能性も示されましたが、あとから追加で調べた分析です。

2024年には米国で、眠りに悩みのある35〜55歳の80人が、別の形のマグネシウムを21日間飲む試験も行われました。指輪型の機器で測った深い睡眠の点数や、目覚めたときの状態、日中の活力がよくなったと報告されています。ただし、この試験には原料を扱う企業の研究者が加わっています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
寝つくまでの時間(高齢者の3試験・151人のまとめ)根拠 有望約17分短いと報告。根拠の確実性は低い
眠っている時間の合計(同じまとめ)根拠 有望約16分長いが、偶然の範囲
不眠の重さの点数(ドイツの18〜65歳155人、4週間)根拠 有望わずかに改善。効果は小さい
機器で測った深い睡眠の点数(米国の35〜55歳80人、21日間)根拠 有望改善と報告。企業の研究者が参加
眠り全体への効果(成人の12試験のまとめ、2026年)根拠 有望結果が一致せず。不眠の治療として勧める根拠はない
体のマグネシウムの状態と眠りの質(観察研究を含む9研究)根拠 初期観察研究では関連あり。試験では食い違う

試験をまとめると、どう言える?

2026年8月には、成人の比較試験を集めた最新のレビューが出ました。眠りや不眠を調べた12の試験が対象です。マグネシウムの種類や量、飲む期間、測り方は試験ごとに大きく異なり、数字を合わせて計算することはできませんでした。

本人の感じ方を聞く質問票でも、脳波や腕に付ける機器の記録でも、結果は一致していません。著者は、一部の人で本人の感じ方がわずかによくなる可能性はあるとしつつ、不眠の治療として日常的に使うことを支持する根拠はないとまとめています。

なお、2022年に31の比較試験から眠りに関わるサプリを調べた解析では、マグネシウムは数字を合わせられるだけのデータがなく、さらに研究が必要とされていました。

飲むときに気をつけることは?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、サプリなど通常の食品以外からとるマグネシウムの上限を、成人で1日350mgとしています。とりすぎたときに最初に起きやすい不調は下痢です。通常の食品からとる分には、上限は設けられていません。

まだ分かっていないこと試験はどれも数十〜150人ほどと小さく、飲む期間も3〜8週間と短いものばかりです。使われたマグネシウムの種類や量は試験ごとに異なり、どの形や量がよいのかは分かっていません。多くの結果は本人の感じ方を聞く質問票によるもので、機器で測った結果は一致していません。食事からのマグネシウムが少ない人で差が出やすいという見方は、あとから調べた分析から出た仮説です。2025年の試験の著者の一人は、栄養補助食品の企業から研究資金を受ける研究受託会社の代表で、2024年の試験には原料を扱う企業の研究者が加わっています。2021年のまとめには、2024年に訂正が出ています。ここで紹介した試験に日本で行われたものは含まれておらず、長く飲み続けたときの安全性も確かめられていません。

では、どうすればよいか

寝つきの悪さが気になるとき、マグネシウムのサプリを最初の手段にするだけの根拠は、まだそろっていません。寝る前の過ごし方を見直すことから始め、眠れない日が続くときは医師に相談しましょう。

今日からできること
  • 寝つきの悪さが気になるときは、寝る前の画面やカフェイン、お酒など、まず生活の習慣を見直す
  • サプリを飲む場合は、通常の食品以外からとる量が成人1日350mgの上限を超えないよう、表示で量を確かめる。ほかのサプリとの重なりにも気をつける
  • 飲んで下痢などの不調が出たら、量を減らすかやめる
  • 持病のある方、薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、飲む前に医師や薬剤師に相談する
  • 眠れない日が続く、日中の眠気が強いといったときは、サプリで様子を見続けず医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
高齢者の不眠とマグネシウムのまとめ(BMC Complement Med Ther 2021)高齢者を対象にマグネシウムと偽薬を比べた比較試験3本、3か国・151人。寝つくまでの時間が17.36分短い(95%信頼区間−27.27〜−7.44)。総睡眠時間は16.06分長いが有意差なし。すべての試験で偏りの危険が中〜高、根拠の確実性は低〜非常に低い(GRADE)。著者は利益相反なしと開示。2024年に訂正あり
成人の比較試験の系統的レビュー(J Diet Suppl 2026)2026年6月1日までの検索。マグネシウム単独の比較試験で、眠り・不眠を調べた12本を主な分析に、こむら返りやむずむず脚に関わる3本を別に分析。種類・量・期間・評価方法がばらばらで、数値をまとめる解析は行わず記述で統合。主観的な評価・脳波・活動量計・市販の装着型機器・生理的な指標で結果が一致せず。確実性は低〜非常に低い。不眠の日常的な治療としての使用は支持されないと結論
ドイツの比較試験(Nat Sci Sleep 2025)眠りの質が悪いと自己申告した18〜65歳の155人。ビスグリシン酸マグネシウム(マグネシウムとして1日250mg)と偽薬を二重盲検で比較。4週後の不眠重症度指数の変化は−3.9対−2.3(p=0.049)、効果量は小さい(d=0.2)。ほかの心理的な項目は差なし。食事からの摂取が少ない人で改善が大きい傾向は探索的分析。登録: DRKS00031494。著者の一人が栄養補助食品企業から研究資金を受ける研究受託会社の代表と開示。資金の出どころは抄録に記載なし
米国の比較試験(Sleep Med X 2024)眠りに悩みを感じる35〜55歳の80人。L-トレオン酸マグネシウム1日1gと偽薬を21日間、二重盲検で比較。指輪型の機器で深い睡眠・レム睡眠の点数などが改善、質問票で目覚めたときの状態・活力・気分などが改善と報告。安全性に問題なしとされた。著者6人のうち3人が原料を扱う企業の所属。2025年に訂正あり
イランの比較試験(J Res Med Sci 2012)不眠のある高齢者46人。マグネシウム500mgか偽薬を8週間。不眠重症度指数・寝つくまでの時間・睡眠効率などが改善と報告。総睡眠時間は有意差なし。著者は利益相反なしと開示
マグネシウムと睡眠の系統的レビュー(Biol Trace Elem Res 2023)横断研究・コホート研究・比較試験の9本、7,582人。観察研究ではマグネシウムの状態と眠りの質(日中の眠気・いびき・睡眠時間など)に関連。比較試験の結果は食い違い、12週を超える大規模な試験が必要とされた
睡眠の質とサプリの解析(Postgrad Med J 2022)サプリの比較試験31本。マグネシウムはメタ解析に使えるデータが不十分で、さらに研究が必要とされた。著者は利益相反なしと開示
日本人の食事摂取基準(2025年版)通常の食品以外からのマグネシウムの過剰摂取で最初に起きる好ましくない影響は下痢。サプリなど通常の食品以外からの摂取の耐容上限量は成人で1日350mg。通常の食品からの摂取には耐容上限量を設定していない
出典
  1. Mah J, Pitre T. Oral magnesium supplementation for insomnia in older adults: a Systematic Review & Meta-Analysis. BMC Complement Med Ther. 2021. PMID 33865376
  2. Lopresti AL, et al. Magnesium Supplementation for Sleep in Adults: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials. J Diet Suppl. 2026. PMID 42661485
  3. Schuster J, et al. Magnesium Bisglycinate Supplementation in Healthy Adults Reporting Poor Sleep: A Randomized, Placebo-Controlled Trial. Nat Sci Sleep. 2025. PMID 40918053
  4. Hausenblas HA, et al. Magnesium-L-threonate improves sleep quality and daytime functioning in adults with self-reported sleep problems: A randomized controlled trial. Sleep Med X. 2024. PMID 39252819
  5. Abbasi B, et al. The effect of magnesium supplementation on primary insomnia in elderly: A double-blind placebo-controlled clinical trial. J Res Med Sci. 2012. PMID 23853635
  6. Arab A, et al. The Role of Magnesium in Sleep Health: a Systematic Review of Available Literature. Biol Trace Elem Res. 2023. PMID 35184264
  7. Chan V, Lo K. Efficacy of dietary supplements on improving sleep quality: a systematic review and meta-analysis. Postgrad Med J. 2022. PMID 33441476
  8. 厚生労働省. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 ミネラル(多量ミネラル). 2024. リンク
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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