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ピラティスで体は変わる? 姿勢・バランス・腰痛の比較試験のまとめ

結論は、ピラティスでバランスや持久力、腰の痛みがよくなったと比較試験のまとめで報告されている一方、筋力や転倒の数は、はっきりとは変わっていないということです。どの研究も質の低いものが多く、ほかの運動より優れているとまでは言えません。中高年を中心に、体のどこが変わり、どこが変わらなかったのかを整理しました。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.11.04更新 2026.11.04
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 60歳以上の39研究のまとめでは、ピラティスで立つ・歩くときのバランスがよくなったと報告されている。ただし転ぶ回数や転ぶことへの不安は減っていなかった
  • 60歳以上の24の比較試験のまとめでは、筋力は運動しない組とはっきりした差がなく、ほかの運動とも同じ程度だった
  • 健康な大人の12の比較試験のまとめでは、合計1,440分(週2回で3か月ほど)以上続けた場合に持久力がよくなっていた
  • 長引く腰痛では、82の比較試験のまとめで、運動の中でピラティスの効果が最も大きいと報告されている
  • どのまとめも根拠の確かさは「とても低い〜中程度」で、ほかの運動より優れているとは示されていない

ピラティスで、立つ・歩くときのバランスや持久力、長引く腰の痛みがよくなったと、比較試験のまとめで報告されています。一方で、高齢者の筋力や転ぶ回数については、はっきりした差は見られていません。

ピラティスは、マットの上や専用の器具で、呼吸に合わせて体幹(おなかや背中まわり)を意識しながら動く運動です。ここでは比較試験(くじ引きで組に分け、片方だけ運動してもらって比べる方法)をまとめた研究を中心に見ていきます。

バランスはよくなる? 転びにくくなる?

2024年に、60歳以上を対象にした39の研究(1,770人)をまとめた解析が発表されました。ピラティスをした組は、運動をしない組より、歩くときや片足で立つときのバランスの検査結果がよくなっていました。

ただし、転んだ回数や、転ぶことへの不安は減っていませんでした。ほかの運動と比べると、バランスでも同じ程度でした。方法の質が十分と判断された研究は39のうち14にとどまり、根拠の確かさは「とても低い〜中程度」とされています。

筋力はつく?

60歳以上を対象にした24の比較試験(1,190人)のまとめでは、ピラティスをした組と運動をしない組の間で、筋力にはっきりした差はありませんでした。ほかの運動と比べても同じ程度でした。腕の筋肉の持久力はよくなっていましたが、この結果の確かさは「とても低い」とされています。

著者は、現時点では筋力をつける目的でピラティスを勧めることはできないとしています。筋力を目的にするなら、筋トレの比較試験のほうが多くの結果がそろっています。

持久力や姿勢は変わる?

健康な大人を対象にした12の比較試験(569人)のまとめでは、ピラティスをした組で、全身の持久力(心肺の力)がよくなっていました。差が出たのは、合計1,440分以上続けた場合で、週2回なら3か月、週3回なら2か月ほどに当たります。マットでも器具でも結果は同じでした。ほかの有酸素運動などとは差がありませんでした。

姿勢については、18の研究のまとめがあります。大人では、肩の位置や腰の反りなどがよくなったという結果がありましたが、根拠の確かさは「とても低い〜低い」で、著者は今後の研究が必要としています。

腰痛にはどう?

原因がはっきりしない長引く腰痛では、82の比較試験(5,033人)をまとめた2024年の解析があります。運動の量と痛みの関係を種類ごとに調べたところ、意味のある改善に必要な運動量で見て、ピラティスの効果が最も大きかったと報告されています。ここでも根拠の確かさは「とても低い〜中程度」です。

別のまとめ(36の研究)でも、ピラティスは運動をしない場合や一般的な運動と比べて、腰の痛みを軽くしていました。腰痛が続く方、しびれや強い痛みがある方は、運動を始める前に医師に相談してください。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
バランスの検査(60歳以上・39研究のまとめ)根拠 有望運動しない組よりよくなった。ほかの運動とは同じ程度
転ぶ回数・転ぶことへの不安(同じまとめ)根拠 有望減らなかった
筋力(60歳以上・24の比較試験のまとめ)根拠 有望運動しない組とはっきりした差なし。ほかの運動とも同じ程度
全身の持久力(健康な大人・12の比較試験のまとめ)根拠 有望よくなった。合計1,440分以上で差。ほかの運動とは同じ程度
姿勢(大人・18研究のまとめ)根拠 有望肩の位置や腰の反りが改善。確かさはとても低い〜低い
長引く腰痛の痛み(82の比較試験のまとめ)根拠 有望運動の種類の中でピラティスの効果が最も大きい
まだ分かっていないことどのまとめでも、方法の質が十分な試験は一部にとどまり、根拠の確かさは「とても低い〜中程度」とされています。ピラティスがほかの運動より優れているかは示されておらず、筋力・バランス・持久力ではほかの運動と同じ程度でした。高齢者で転ぶ回数が減るかは確かめられていません。筋力・バランス・持久力・姿勢の4つのまとめは同じブラジルの研究グループによるもので、3つで利益相反はないと開示されていますが、資金は抄録に記載がありません。試験ごとにピラティスの内容や回数、期間はまちまちで、日本人を対象にした結果かどうかも分かっていません。長生きや病気の予防との関係を調べた研究は見当たりませんでした。

では、どうすればよいか

ピラティスは、バランスや持久力を保つための選択肢の一つになりそうです。ただし、筋力や転倒の予防については、筋トレやバランスの運動のほうが根拠がそろっています。続けやすい運動を選び、ほかの運動と組み合わせることが現実的です。

今日からできること
  • 始めるなら週2〜3回、2〜3か月を一つの区切りにする(持久力の差が出たのは合計1,440分以上)
  • 筋力をつけたい方は、筋トレも組み合わせる
  • マットでも器具でも結果は同じだったので、続けやすい形を選ぶ
  • 腰や首に痛み・しびれがある方、骨粗しょう症や持病のある方、妊娠中の方は、始める前に医師に相談する。運動中に痛みが強くなったら中止する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
60歳以上のバランスと転倒(Complement Ther Clin Pract 2024)39研究・1,770人(2023年4月までの検索)。方法の質が十分なのは14研究。運動しない組と比べて動的バランス(標準化平均差0.72〜1.60)・静的バランス(0.25〜0.37)・全体のバランス(0.76)が改善。転倒の回数・転倒への恐怖は改善せず。ほかの運動とは同等。確かさはとても低い〜中程度(GRADE)。著者は利益相反なしと開示。ブラジル・北パラナ州立大学
60歳以上の筋力・持久力(J Bodyw Mov Ther 2024)比較試験24本・1,190人。筋力は運動しない組と有意差なし(標準化平均差1.18、95%信頼区間−0.71〜3.08、確かさ低い)、ほかの運動とも差なし(0.01、確かさ中程度)。上肢の筋持久力は運動しない組より改善(確かさとても低い)。著者は現時点で筋力目的には推奨できないと結論。利益相反なしと開示
健康な大人の持久力(Complement Ther Clin Pract 2023)比較試験12本・569人。方法の質が高いのは3本。運動しない組より心肺の持久力が改善(標準化平均差0.96)。質の高い3本だけでも改善(1.14)。合計1,440分以上で効果。マット・器具で差なし。ほかの運動とは差なし。確かさはとても低い〜低い。利益相反なしと開示
姿勢のずれ(Musculoskeletal Care 2024)18研究、偏りの危険が低いのは8研究。子どもでは胸と腰の角度の改善(確かさ中程度)。大人では肩の角度・腰の反りなどの改善(確かさとても低い〜低い)。著者は大人では今後の研究が必要としている
長引く腰痛と運動の量(J Orthop Sports Phys Ther 2024)原因のはっきりしない慢性腰痛の比較試験82本・5,033人のネットワークメタ解析。意味のある痛みの改善には週520MET・分の運動量が目安。必要な量は運動の種類で異なり、ピラティスが最も効果的。確かさはとても低い〜中程度
腰痛とピラティス(Disabil Rehabil 2024)36研究を系統的レビュー、19研究をメタ解析。運動しない場合・一般的な運動と比べて腰痛が軽減。事前登録あり(PROSPERO)。資金は抄録に記載なし
出典
  1. de Campos Júnior JF, et al. Effects of Pilates exercises on postural balance and reduced risk of falls in older adults: A systematic review and meta-analysis. Complement Ther Clin Pract. 2024. PMID 39068875
  2. Oliveira LS, et al. Effects of pilates exercises on strength, endurance and muscle power in older adults: Systematic review and meta-analysis. J Bodyw Mov Ther. 2024. PMID 38876695
  3. Pessôa RAG, et al. Effects of Pilates exercises on cardiorespiratory fitness: A systematic review and meta-analysis. Complement Ther Clin Pract. 2023. PMID 37244080
  4. Roque GC, et al. Are Pilates Exercises Effective in Improving Postural Misalignment? Systematic Review and Metanalysis. Musculoskeletal Care. 2024. PMID 39562728
  5. Liang Z, et al. The Best Exercise Modality and Dose for Reducing Pain in Adults With Low Back Pain: A Systematic Review With Model-Based Bayesian Network Meta-analysis. J Orthop Sports Phys Ther. 2024. PMID 38457134
  6. Patti A, et al. Effectiveness of Pilates exercise on low back pain: a systematic review with meta-analysis. Disabil Rehabil. 2024. PMID 37632387
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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