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寝る前の音楽やホワイトノイズで、眠りはよくなる? 比較試験のまとめで分かったこと

寝つけない夜に、音楽や雨音のような音を流す方は少なくありません。眠りにくさのある大人を対象にした比較試験のまとめと、雑音を流したときの睡眠を測った実験から、分かっていることを整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.30更新 2026.10.30
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 眠りにくさを訴える大人の13の比較試験のまとめでは、毎日25〜60分音楽を聴いた組で、本人が答える睡眠の質の点数がよくなっていた
  • 一方、脳波などの機器で測った寝つきや睡眠時間では、はっきりした差は出ていない
  • 眠りに悩みのない大人では、音楽を聴いても睡眠の質にはっきりした差は見られなかった
  • ピンクノイズを一晩中流した実験では、夢を見ることの多いレム睡眠が減っていた。外の音を防ぐには耳栓のほうが役立っていた

眠りにくさを訴える大人が寝る前に音楽を聴くと、本人が感じる睡眠の質がよくなると、比較試験のまとめで報告されています。ただし、機器で測った睡眠では差がはっきりせず、一晩中雑音を流すことには注意が必要だという実験結果も出ています。

寝る前に音楽を聴くと、眠りはよくなる?

2022年に、国際的な研究グループであるコクランが、眠りにくさを訴える大人を対象にした13の比較試験(くじ引きで組に分け、片方だけに音楽を聴いてもらって比べる方法)をまとめました。参加者は合わせて1,007人です。録音された音楽を毎日25〜60分、3日から3か月にわたって聴いてもらう試験でした。

睡眠の質は、PSQI(本人の回答で睡眠の質を0〜21点で表す質問票。点が低いほど良い)で比べています。音楽を聴いた組は、聴かなかった組より平均で約2.8点低くなっていました。確からしさは「中程度」と評価されています。寝つくまでの時間や睡眠時間についても、本人の回答ではよくなる傾向がありました。

一方で、脳波などの機器で睡眠を測った3つの試験(136人)では、寝つきや睡眠時間に、はっきりした差は出ていません。不眠の重さを測る別の質問票でも、差ははっきりしませんでした。副作用を報告した試験はありませんでした。

眠りに悩みのない人や、高齢の人ではどうか?

眠りに悩みのない大人を対象にした研究のまとめも、2022年に発表されています。6つの比較試験(424人)を合わせた分析では、音楽を聴いた組と聴かなかった組で、睡眠の質にはっきりした差は見られませんでした。3週間以上続けた試験だけを見ると、差が出ていました。ただし、もとになった試験は3本だけです。

高齢者については、2026年に14の比較試験(1,730人)をまとめた解析があります。音楽を取り入れた組では、PSQIが平均で約3.4点低くなっていました。4〜8週間、1回30〜45分、毎日続けた試験で、差が大きい傾向がありました。中国語の論文も含めたまとめで、方法はさまざまです。

ホワイトノイズや雨音のような音はどうか?

ホワイトノイズは、「サー」という一定の雑音です。2025年に、12の比較試験(1,301人)をまとめた解析が発表されました。大人と高齢者では、ホワイトノイズを流した組でPSQIの点数がよくなっていました。ただし、参加者の4割ほどは集中治療室などに入院中の患者で、自宅で眠る人とは状況が大きく違います。著者も、試験の質とばらつきに課題があるとしています。

米国ペンシルベニア大学の研究チームは2026年、健康な大人25人(平均28歳)に7晩、実験室で眠ってもらいました。車や飛行機のような外の音を流すと、深い睡眠が減っていました。一方、ピンクノイズ(低い音が多めの、雨音に近い雑音)を一晩中流すと、夢を見ることの多いレム睡眠が減っていました。外の音にピンクノイズを重ねると、睡眠の組み立ては悪くなっていました。外の音の影響は耳栓でほぼ抑えられていましたが、いちばん大きい音では抑えきれていませんでした。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
本人が答える睡眠の質(眠りにくさのある大人・13の比較試験のまとめ)根拠 確立PSQIが平均約2.8点改善。確からしさは中程度
機器で測った寝つき・睡眠時間(同じまとめの3試験)根拠 有望はっきりした差なし
眠りに悩みのない大人(6つの比較試験のまとめ)根拠 有望はっきりした差なし。3週間以上では差あり(3試験)
高齢者(14の比較試験のまとめ)根拠 有望PSQIが平均約3.4点改善。方法はさまざま
ホワイトノイズ(12の比較試験のまとめ)根拠 有望大人・高齢者でPSQIが改善。入院中の患者が多い
ピンクノイズを一晩中流す(健康な大人25人の実験)根拠 初期レム睡眠が減少。外の音には耳栓のほうが有効
まだ分かっていないこと音楽で本人の感じる睡眠の質がよくなることは比較試験のまとめで報告されていますが、機器で測った睡眠では差がはっきりしません。音楽を聴くかどうかは参加者に分かってしまうため、すべての試験で思い込みの影響を除けていません。試験の期間は長くても3か月で、続けたときの変化は分かっていません。どんな曲・音量・長さがよいかもはっきりしていません。ホワイトノイズのまとめは入院中の患者が多く、自宅で眠る40〜70代にそのまま当てはまるかは分かりません。ピンクノイズの実験は若い健康な大人25人・7晩の結果で、長く使ったときの影響や、高齢者での影響は調べられていません。

では、どうすればよいか

眠りにくさがある方が、寝る前に落ち着いた音楽を聴くことは、比較試験で本人の感じる睡眠の質がよくなると報告されている方法です。ただ、雑音を一晩中流し続けることについては、まだ分かっていないことが多く残っています。外の音が気になる場合は、耳栓を試す方法もあります。

今日からできること
  • 寝る前に、ゆったりした音楽を25〜60分ほど聴いてみる。毎日続けた試験が多い
  • 音量は小さめにし、タイマーで止まるようにしておく。一晩中流し続けることの影響はまだ分かっていない
  • 外の音で目が覚める場合は、耳栓を試してみる
  • 眠れない日が何週間も続く、日中の眠気が強い、いびきや呼吸の止まりを指摘された、という方は医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
眠りにくさのある大人の13試験のまとめ(Cochrane 2022)眠りにくさを訴える成人の比較試験13本・1,007人。録音された音楽を毎日25〜60分、3日〜3か月。PSQIの平均差−2.79(10試験・708人、確からしさ中程度)。寝つき・睡眠時間・睡眠効率は本人の回答で改善の可能性(3試験・197人、確からしさ低)。機器で測った指標(3試験・136人)は改善しない可能性。不眠の重さは差がはっきりせず(2試験・63人)。有害事象の報告なし。全試験で参加者の盲検化ができず偏りのおそれが高い。資金は国の研究機関4本・大学3本・民間財団1本・記載なし5本。著者2人は含まれる試験の1本の著者で、その試験の評価には加わっていない
眠りに悩みのない大人のまとめ(Behav Sleep Med 2022)睡眠障害のない成人を対象にした22の論文・1,514人。6試験・424人のメタ解析でPSQIの平均差−0.80(95%信頼区間−2.15〜0.54)で、はっきりした差なし(確からしさ低)。3週間以上の介入では−2.09(3試験)。寝つき・睡眠効率も差なし(確からしさ非常に低)。マレーシア・モナシュ大学など
高齢者の14試験のまとめ(Front Psychiatry 2026)高齢者を対象にした比較試験14本・1,730人(中国語と英語の論文)。PSQIの平均差−3.37。4〜8週間・1回30〜45分・週7回の試験で改善が大きい傾向。著者は利益相反なしと開示。中国・武漢音楽学院など
ホワイトノイズの12試験のまとめ(Sleep Med 2025)比較試験12本・1,301人(乳幼児356人、18〜64歳648人、65歳以上297人。集中治療室などの重症患者544人)。PSQIの平均差は成人−3.70、高齢者−2.71。成人ではばらつきが大きい。著者は試験の質とばらつきを限界に挙げている。利益相反なしと開示
ピンクノイズと耳栓の実験(Sleep 2026)健康な成人25人(平均28.5歳、男性7人)、実験室で7晩、終夜の脳波などで測定。外の音(最大45〜65デシベル)で深い睡眠(N3)が減少、ピンクノイズ(40または50デシベル)でレム睡眠が減少。外の音にピンクノイズを重ねると睡眠の構造は悪化。耳栓は外の音の影響をほぼ抑えたが、65デシベルでは抑えきれなかった。翌朝の認知・心血管・聴力の検査は変わらず、本人の睡眠の評価は外の音とピンクノイズで悪化。米国ペンシルベニア大学。試験登録NCT05774977
出典
  1. Jespersen KV, et al. Listening to music for insomnia in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2022. PMID 36000763
  2. Tang YW, et al. Music-based Intervention for Improving Sleep Quality of Adults without Sleep Disorder: A Systematic Review and Meta-analysis. Behav Sleep Med. 2022. PMID 33896299
  3. He Y, et al. Effects of music-based interventions on sleep quality in older adults: a systematic review and meta-analysis. Front Psychiatry. 2026. PMID 41816526
  4. Ding Y, et al. Impact of white noise on sleep quality across age groups and in critically ill/non-critically ill patients: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Sleep Med. 2025. PMID 41151421
  5. Basner M, et al. Efficacy of pink noise and earplugs for mitigating the effects of intermittent environmental noise exposure on sleep. Sleep. 2026. PMID 41627391
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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