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夜に運動すると眠れなくなる? 寝る前の運動と眠りの研究で分かったこと

仕事のあとにしか運動の時間がとれない人は少なくありません。夜の運動は眠りを妨げるのか、何時間前に終えればよいのかを、実験のまとめと大規模な記録の研究から整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.25更新 2026.10.25
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 夜に1回運動した翌晩の眠りを調べた23の研究のまとめでは、全体として眠りが妨げられたという結果は出ていない
  • 寝る1時間前より遅くまで続く激しい運動では、寝つきや眠る時間が悪くなる可能性が指摘されている
  • 約1万5,000人の記録の研究では、寝る4時間以上前に終えた運動は、強さにかかわらず眠りとの関連が見られなかった
  • 朝と夜の運動を比べた比較試験のまとめでは、多くの指標で朝のほうがはっきりよいという結果は出ていない

健康な大人を対象にした実験をまとめた研究では、夜の運動で眠りが妨げられるという結果は、全体としては出ていません。ただし、寝る1時間前より遅くまで続く激しい運動では、寝つきや眠る時間が損なわれる可能性があると報告されています。

多くは20〜40代の健康な人が、1回だけ運動した翌晩を調べた実験です。40〜70代の人が毎晩続けたときにどうなるかは、まだよく分かっていません。

夜に運動すると、眠りは浅くなる?

2019年にスイスの研究チームが、夜に1回運動した場合と、運動しなかった場合を比べた23の研究をまとめました。運動した夜は、深い眠り(徐波睡眠)の割合が1.3ポイント増え、最も浅い眠りの割合は0.9ポイント減っていました。研究チームは、夜の運動が眠りを妨げるという考えは支持されず、むしろ逆の結果だったとしています。

一方で、寝る前の1時間以内に終わる激しい運動では、寝つくまでの時間や眠る時間の合計、睡眠効率(布団にいる時間のうち眠っていた割合)が悪くなる可能性も指摘しています。

息が上がるような激しい運動でも同じ?

2021年のカナダのまとめは、激しい運動に絞って調べています。対象は、ふだんよく眠れている18〜50歳の人で、15の実験・計194人です。寝る0.5〜4時間前に終わる激しい運動のあと、夢を見ることが多いレム睡眠の割合が2.34ポイント減っていました。そのほかの眠りの指標には、はっきりした差は出ていません。

夜の激しい運動を定期的に続けた実験でも、眠りが乱れたという結果は出ていませんでした。著者は、寝る2〜4時間前に終える激しい運動は、若い人や中年の人の眠りを妨げないと結論づけています。

寝る何時間前までに終えればよい?

2025年には、オーストラリアの研究チームが、腕に着ける機器で眠りと運動を記録した1万4,689人のデータを分析しました。ふだんから運動している人たちで、1年間・約408万夜分の記録です。

運動を終えた時刻が寝る時刻に近く、運動の負荷が大きいほど、寝つく時刻が遅くなり、眠る時間は短くなっていました。夜中の心拍数も高めでした。一方、寝る4時間以上前に終えた運動では、負荷の大小にかかわらず、眠りとの関連は見られませんでした。

ただし、これは暮らしの記録を見比べた観察研究です。夜遅くに運動する日は、仕事が忙しいなど、ほかの事情が重なっていた可能性もあります。

朝の運動と夜の運動、眠りに違いはある?

2026年のフランスなどのまとめでは、朝と夜の運動を比べた25の研究を集め、比較試験16本の結果を合わせて解析しました。多くの眠りの指標で、朝のほうがはっきりよいという結果は出ていません。

夜の運動では、寝ついたあとに目が覚めている時間がやや長くなる傾向が見られました。その差は、運動の強さが高いほど目立っていました。研究チームは、続けやすい時間帯を選ぶことを優先してよいとしつつ、夜の強めの運動は眠りの途切れにつながる可能性があるとしています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
夜に1回運動すると、翌晩の眠りは悪くなるか(23研究のまとめ)根拠 確立全体では悪くならない。深い眠りがやや増加
寝る0.5〜4時間前の激しい運動(15実験のまとめ)根拠 確立レム睡眠がやや減少。ほかの指標は差なし
寝る1時間前以内に終わる激しい運動(23研究のまとめ)根拠 初期寝つき・眠る時間が悪くなる可能性
運動を終える時刻と眠り(1万4,689人の記録)根拠 初期寝る直前・高負荷ほど寝つきが遅く短い。4時間以上前なら関連なし
朝と夜の運動の比較(比較試験16本のまとめ)根拠 有望多くの指標で差なし。夜は夜中に目が覚める時間がやや長い傾向
運動を続けると眠りの質が変わるか(中高年・28試験のまとめ)根拠 確立有酸素運動とヨガで質問票の点数が改善
まだ分かっていないこと夜の運動を調べた実験の多くは、ふだんよく眠れている20〜40代の健康な人が、1回だけ運動したあとの一晩を見たものです。激しい運動のまとめでは15の実験で計194人と、1つの実験の人数は少数です。60代以上の人や、もともと眠りに悩みがある人で同じ結果になるかは分かっていません。約1万5,000人の記録の研究は観察研究で、運動の時刻が眠りに影響したのか、ほかの事情が関係したのかを区別できません。参加者はふだんから運動している機器の利用者で、著者2人は機器の会社から給与を受けていると開示されています。朝と夜を比べた2026年のまとめでは、小規模な研究ほど大きな差が出やすい偏りの可能性が指摘されています。中高年の28試験のまとめは、運動の時間帯を分けて調べたものではありません。

運動を続けると、眠りの質は変わる?

中高年を対象にした28の比較試験・3,460人をまとめた2024年の解析では、ウォーキングなどの有酸素運動、筋トレ、ヨガのいずれも比べられています。眠りの質を尋ねる質問票の合計点では、有酸素運動の順位が最も高く、眠る時間や睡眠効率ではヨガの順位が高くなっていました。

時間帯よりも、運動を続けること自体が眠りとの関係で大きいと考えられます。夜しか時間がとれない人は、強さと終える時刻を調整するのがひとつの方法です。

今日からできること
  • 夜しか時間がとれないときは、運動を控えるより、続けることを優先する
  • 息が上がるような強めの運動は、できれば寝る2〜4時間前までに終える
  • 寝る直前の時間帯は、散歩やストレッチなど軽めの運動にとどめる
  • 運動した日に寝つきが悪いと感じたら、終える時刻や強さを変えて様子を見る
  • 心臓や血圧の持病がある人は、運動の強さを医師に相談する。眠れない状態が続くときも医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
夜の運動と眠りのまとめ(Sports Med 2019)健康な大人が夜に1回運動した場合と運動しなかった場合を比べた23研究。運動でレム睡眠までの時間が7.7分延び、徐波睡眠が1.3ポイント増、段階1睡眠が0.9ポイント減。寝る時の体温が高いほど、また普段の活動量に比べて運動の負荷が大きいほど、睡眠効率が低く中途覚醒が長い関連があったが、1研究を除くと消えた。寝る1時間前以内に終わる激しい運動では寝つき・総睡眠時間・睡眠効率が損なわれる可能性。スイス連邦工科大学チューリッヒ校
夜の激しい運動のまとめ(Sleep Med Rev 2021)18〜50歳のよく眠れている人。1回の激しい運動を調べた15研究・194人をメタ解析。寝る0.5〜4時間前に終わる運動でレム睡眠が2.34ポイント減。ほかの指標に有意差なし。定期的に続けた場合も睡眠は乱れず。著者は利益相反なしと開示。PROSPERO登録 CRD42020218299
運動の時刻と眠りの記録の研究(Nat Commun 2025)腕に着ける機器を1年間使った、ふだん運動している1万4,689人・408万4,354夜。運動の時刻が遅く負荷が大きいほど、入眠が遅く、睡眠が短く、睡眠の質が低く、夜間の安静時心拍数が高く、心拍変動が低い関連。寝る4時間以上前に終えた運動は関連なし。著者2人は機器の会社から給与を受けていると開示(研究の設計・解析には関与していないと記載)。モナシュ大学
朝と夜の運動の比較のまとめ(Sleep Med Rev 2026)25研究(観察5・非無作為2・比較試験18)、うち比較試験16本をメタ解析。多くの睡眠指標で朝の明確な優位はなし。夜の運動で中途覚醒が多い(標準化平均差−0.51)。小規模研究の効果の偏りの可能性あり。運動強度が高いほど時刻による差が目立った。著者は関連する利益相反なしと開示
中高年の運動の種類と眠りの質のまとめ(J Clin Sleep Med 2024)中高年を対象にした比較試験28本・3,460人のネットワークメタ解析。有酸素運動・筋トレ・組み合わせ・ヨガを比較。ピッツバーグ睡眠質問票の合計点・寝つき・睡眠薬の使用では有酸素運動、睡眠効率・睡眠時間・日中の不調ではヨガの順位が最も高い。資金: 中国の国家重点研究開発計画。利益相反なし
出典
  1. Stutz J, et al. Effects of Evening Exercise on Sleep in Healthy Participants: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2019. PMID 30374942
  2. Frimpong E, et al. The effects of evening high-intensity exercise on sleep in healthy adults: A systematic review and meta-analysis. Sleep Med Rev. 2021. PMID 34416428
  3. Leota J, et al. Dose-response relationship between evening exercise and sleep. Nat Commun. 2025. PMID 40234380
  4. Souabni M, et al. Effects of morning versus evening exercise on sleep: a systematic review of comparative studies with a meta-analysis of randomized controlled trials. Sleep Med Rev. 2026. PMID 42632303
  5. Gao X, et al. Effects of different types of exercise on sleep quality based on Pittsburgh Sleep Quality Index in middle-aged and older adults: a network meta-analysis. J Clin Sleep Med. 2024. PMID 38450497
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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