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口テープで寝ると、いびきや眠りは変わる? マウステープの研究のまとめ

結論は、口テープで眠りがよくなると言えるだけの根拠は、まだありません。いびきや軽い睡眠時無呼吸のある人を対象にした小さな研究で数値の改善が報告されている一方、鼻が詰まっている人には危険があると指摘されています。2024〜2026年の研究のまとめをもとに、分かっていることを整理しました。

根拠 初期5分で読めます公開 2026.11.06更新 2026.11.06
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 口テープの研究を集めた2025年のまとめでは、10の研究・合わせて213人分しかなく、多くは比べる組のない小さな研究だった
  • 口で呼吸する軽い睡眠時無呼吸の20人では、1週間テープを貼って寝ると、呼吸が止まったり浅くなったりする回数が約半分になり、いびきも減ったと報告されている
  • 健康な人が口テープで眠りの質を高められるかを確かめた比較試験は見当たらない
  • 鼻が詰まっている人が口をふさぐと危険があると、研究のまとめで指摘されている
  • SNSの口テープの投稿は9割以上が勧める内容で、半数以上は企業の投稿だった

寝るときに口にテープを貼る「口テープ(マウステープ)」で眠りがよくなると言えるだけの根拠は、まだありません。いびきや軽い睡眠時無呼吸のある人で数値が改善したという報告はありますが、どれも小さな研究で、鼻が詰まっている人には危険があると指摘されています。

口テープは、何のために貼る?

口テープは、寝ている間に口が開かないように唇をテープでとめ、鼻で呼吸するようにする方法です。SNSでは、眠りが深くなる、口の乾きが減る、いびきが減るといった声が広がっています。

口で呼吸すると、のどの奥の空気の通り道が狭くなりやすいと考えられています。いびきや睡眠時無呼吸(寝ている間に呼吸が止まったり浅くなったりをくり返す状態)が起きやすくなる可能性があり、口を閉じれば和らぐのではないか、というのが口テープの考え方です。

研究のまとめでは、どんな結果だった?

2025年に、カナダの研究チームが口テープの研究を集めた系統的レビュー(決まった手順で研究を集めて整理する方法)を発表しました。条件に合ったのは10の研究で、参加者は合わせて213人でした。

このうち2つの研究では、呼吸が止まったり浅くなったりする回数や血液中の酸素の下がり方が改善していました。一方、ほかの研究では口テープを使っても差がなく、鼻が詰まっている場合には窒息のおそれもあると論じられていました。研究チームは、よく考えずにこの流行に従うと、深刻な害が起きる可能性があると結論しています。

米国の研究チームによる2025年のまとめでも、条件に合ったのは9つの研究だけでした。睡眠時無呼吸の数値がよくなった研究が2つ、いびきのある人でほかの方法と組み合わせていびきが減った研究が1つあった一方、ぜんそくの人では効果が見られませんでした。研究の方法がばらばらで、口テープの利点について意見はまとまっていないとしています。

いびきや無呼吸のある人では、どうだった?

台湾で行われた研究では、口で呼吸する軽い睡眠時無呼吸の20人が、1週間、肌にやさしいテープを口に貼って寝ました。貼る前と比べると、1時間あたりの呼吸が止まったり浅くなったりする回数は8.3回から4.7回に、いびきの回数の中央値は1時間あたり303.8回から121.1回に減っていました。

ただし、比べる組のない研究で、テープを貼れる人だけが参加しています。2026年に発表された別のまとめでも、口テープについて分析に使える研究は2つしかなく、数字を合わせた解析はできませんでした。同じまとめでは、鼻が詰まると呼吸が止まったり浅くなったりする回数が1時間あたり約14回増えると報告されており、鼻で呼吸できることの大切さは示されています。

タイでは、睡眠時無呼吸の治療でCPAP(鼻につけたマスクから空気を送る装置)を使う62人が、口テープありとなしを30日ずつ試す比較試験がありました。テープを使った期間は装置を使う時間が1日あたり約52分長く、日中の眠気や口の乾きも軽くなっていました。これは医師の治療を受けている人の結果で、テープだけで無呼吸がよくなるという意味ではありません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
口テープの研究全体(10研究・213人のまとめ)根拠 初期2研究で改善、ほかは差なし。鼻づまりでは危険の指摘
口で呼吸する軽い睡眠時無呼吸の人(20人・1週間、比べる組なし)根拠 初期呼吸が止まる・浅くなる回数が約半分に。いびきも減少
CPAPを使う睡眠時無呼吸の人(62人の比較試験)根拠 有望装置を使う時間が1日約52分のびた
健康な人の眠りの質根拠 話題確かめた比較試験は見当たらない
鼻が詰まったときの影響(研究のまとめ)根拠 初期呼吸が止まる・浅くなる回数が1時間あたり約14回増える

SNSの情報は、どこまで当てになる?

2026年にイタリアなどの研究チームが、Instagramで口テープのタグがついた390本の動画を調べました。94.4%は口テープを勧める内容で、投稿の55.4%は企業によるものでした。医療の専門家の投稿は11.6%にとどまり、勧める投稿は批判的な投稿より多く共有されていました。

SNSでよく見かけることと、研究で確かめられていることは別です。健康な人が口テープで眠りの質を高められるかを、比較試験で確かめた研究は見当たりません。

まだ分かっていないこと口テープの研究は、ほとんどが数十人規模で、比べる組のない前後比較です。健康な人が口テープで眠りの深さや日中の調子を変えられるかを、比較試験で確かめた研究は見当たりません。多くの研究は鼻づまりのある人を最初から除いており、鼻炎や花粉症の人に当てはまるかは分かっていません。使われたテープの種類や貼り方も研究ごとに違い、長く続けたときの影響や肌への影響もほとんど調べられていません。CPAPの比較試験は治療中の人が対象で、テープを貼っていることを参加者に隠せないため、結果に偏りが入る余地があります。

では、どうすればよいか

大きないびきや、寝ている間に息が止まっていると家族に言われる場合は、テープで様子を見るより、まず医師に相談することが勧められます。睡眠時無呼吸は、検査で確かめられる状態です。口テープを試すなら、鼻で楽に息ができることを確かめたうえで、すぐにはがせる貼り方にしてください。

今日からできること
  • 大きないびきや、寝ている間に息が止まっていると言われたら、口テープの前に医師に相談する
  • 口テープを試すなら、鼻で楽に呼吸できるかを先に確かめる。鼻が詰まっている日や、かぜ・花粉症で鼻の通りが悪い時期は使わない
  • 唇の全面をふさがず、すぐにはがせる貼り方にし、肌に合わないときはやめる
  • CPAPなどの治療を受けている人は、口テープを使う前に主治医に相談する
  • 子どもには使わない
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
口テープの系統的レビュー(PLoS One 2025)1999〜2024年2月の文献を検索し、10研究・213人を採用。2研究で無呼吸低呼吸指数(AHI)や酸素の低下が有意に改善。ほかの研究は差なしで、鼻閉がある場合の窒息などの危険も論じられていた。多くの研究は鼻閉のある人を除外。カナダ。著者は利益相反なしと開示。CC-BYの論文
口テープとSNSのスコーピング・レビュー(Am J Otolaryngol 2025)177研究から9研究を採用。睡眠時無呼吸の指標の改善が2研究(テープ単独1、下あごを前に出す装置との併用1)、無呼吸のない人で他の方法との併用でいびきが改善1、ぜんそくでは効果なし1。TikTokの動画50本では「眠りがよくなる」「口の健康」の主張が多かった。米国
軽い睡眠時無呼吸で口呼吸の20人(Healthcare 2022)台湾。テープに耐えられた20人で、自宅での睡眠検査を貼る前と1週間後に実施。AHI中央値8.3→4.7回/時(p=0.0002)、いびき指数303.8→121.1回/時、酸素飽和度低下指数8.7→5.8、最低酸素飽和度82.5→87%。13人(65%)でいびきが半分以下に。比べる組なし。著者は利益相反なしと開示
鼻閉と口テープのメタ解析(OTO Open 2026)2024年10月に5つのデータベースを検索。鼻閉でAHIが13.78回/時、酸素飽和度低下指数が7.45回/時増加。口テープは2研究のみで記述的に検討し、軽い睡眠時無呼吸でAHIの低下を報告。ばらつきが大きい。サウジアラビア。利益相反なし
CPAPと口テープの無作為化クロスオーバー試験(J Clin Sleep Med 2025)タイ。口呼吸のある睡眠時無呼吸の62人(平均57.7歳、AHI平均45.8)。テープあり・なしを各30日、間に1週間の休止。使用時間が1日あたり51.8分増加(95%信頼区間33.1〜70.4)、日中の眠気・いびき・口やのどの乾き・夜中の目覚めが改善。有害事象の報告あり。著者は利益相反なしと開示
Instagramの口テープ投稿の調査(Dent J 2026)2025年4月に#mouthtapeの動画530本を取得し、390本を分析。94.4%が口テープを支持。投稿者は企業55.4%、医療の専門家11.6%。支持する投稿の共有数は平均923、批判的な投稿は193(p=0.015)。イタリアなど。利益相反なし
出典
  1. Rhee J, et al. Breaking social media fads and uncovering the safety and efficacy of mouth taping in patients with mouth breathing, sleep disordered breathing, or obstructive sleep apnea: A systematic review. PLoS One. 2025. PMID 40397877
  2. Fangmeyer SK, et al. Nocturnal mouth-taping and social media: A scoping review of the evidence. Am J Otolaryngol. 2025. PMID 39662104
  3. Lee YC, et al. The Impact of Mouth-Taping in Mouth-Breathers with Mild Obstructive Sleep Apnea: A Preliminary Study. Healthcare (Basel). 2022. PMID 36141367
  4. Alshehri NA, et al. Impact of Nasal Obstruction and Mouth Taping on Sleep Apnea Indicators: Systematic Review and Meta-Analysis. OTO Open. 2026. PMID 42662994
  5. Meksukree A, et al. The role of mouth tape for CPAP use in patients with mouth breathing and OSA. J Clin Sleep Med. 2025. PMID 40963295
  6. Bizzoca ME, et al. The Spread of Non-Evidence-Based Health Claims on Social Media: The Case of #Mouthtape on Instagram, a Cross-Sectional Study. Dent J (Basel). 2026. PMID 42505726
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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