朝の光の中、川沿いの道を歩く50代の女性

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朝の光を浴びると、夜よく眠れる? 日の光と眠りの研究で分かったこと

朝日を浴びるとよく眠れる、とよく言われます。ふだんの暮らしで光と眠りを記録した研究と、明るい照明を使った比較試験から、どこまで分かっているかを整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.31更新 2026.10.31
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 米国の103人の記録では、朝に日光を浴びた日は、その夜の睡眠の質がよいと答えていた。浴びた時間の長さとの関係ははっきりしない
  • 英国の59人の記録では、寝る前に浴びる光が多い人ほど、寝つくまでの時間が長い傾向があった
  • 60歳以上の比較試験では、朝の明るい光で眠りの途切れが減り、夜の明るい光では寝つきが遅くなっていた
  • 眠りにくさのある人の比較試験のまとめでは、明るい光で夜中に目覚めている時間が短くなっていたが、研究チームは初期の結果としている

朝や日中に明るい光を浴び、夜は明かりを落とすと、眠りによい可能性があると報告されています。ただし、ふだんの朝日で健康な人の眠りがどこまで変わるかを比較試験で確かめた研究は、まだ多くありません。

光と眠りには、どんな関係がある?

人の体には、約1日の周期で眠気や体温を切り替える体内時計があります。目に入る光は、この時計の時刻合わせに使われています。目の奥には、ものを見るのとは別に、明るさを感じて体内時計に伝える細胞があることも分かっています。

2022年には、各国の光と睡眠の研究者18人が、健康な大人のための室内の明かりについて推奨をまとめました。日中、夕方から寝る前、寝ている間に分けて、浴びる光の目安を示したものです。専門家の合意にもとづく推奨で、比較試験の結果ではありません。

ふだんの暮らしで、光の浴び方と眠りは関係する?

英国では、59人の大人が手首に光を測る機器を着けて、7日間を過ごす研究が行われました。多くの人は、日中に浴びる光が推奨より少なく、寝る前や寝ている間の光が推奨より多くなっていました。

寝る前の光が多い人ほど、寝つくまでの時間が長い傾向がありました。目覚める前後に明るい光を浴びていると、朝の寝ぼけた感じが少なかったと報告されています。寝る時刻が早い人は、昼は明るく夜は暗いという差がはっきりしていました。

米国では、103人の大人が最長70日間、日光を浴びた時間帯と前の晩の眠りを毎日記録しました。朝に日光を浴びた日は、浴びなかった日より、その夜の睡眠の質がよいと答えていました。一方、浴びた時間の長さは、睡眠の質とおおむね関係がありませんでした。

どちらも観察研究(ふだんの暮らしをそのまま記録して比べる方法)です。外に出る日は体を動かしているなど、光以外の違いが結果に入っている可能性があります。

明るい照明を使った試験では、どうだった?

年をとると、光を感じる力が弱まり、眠りと目覚めのリズムも乱れやすくなるとされています。そこで、自宅で暮らす60歳以上の健康な人に、照明の色の違う2種類の明かりを、朝と夜に2時間ずつ3週間浴びてもらう試験が行われました。同じ人が両方の明かりを順番に使う比較試験で、期間は合わせて11週間です。

朝に青みの強い白い光を長く浴びるほど、1日の活動のリズムが安定し、夜中の眠りの途切れが少なくなっていました。明るい光を浴びる時間が長い人ほど、日中によく体を動かし、寝る時刻も早まる傾向がありました。反対に、夜に明るい光を浴びると、寝つくまでの時間が長くなり、寝床にいる時間のうち実際に眠っている割合は下がりました。

眠りにくさに悩む人では、どうだった?

眠りにくさを訴える人に、専用の照明で明るい光を浴びてもらう研究もまとめられています。2023年のまとめは、22の研究・685人分を調べました。夜中に目が覚めている時間は、手首の機器で測ると約11分、本人の記録では約36分短くなっていました。一方、寝つくまでの時間や睡眠時間には、はっきりした差が出ていません。朝の光では寝る時刻と起きる時刻が早まり、夜の光では遅くなる傾向も見られました。

2024年には、10の比較試験をまとめた解析も出ています。睡眠の質の点数がよくなり、睡眠時間は約17分長く、夜中に目覚めている時間は約13分短くなっていました。研究チームは、まだ初期の結果で、より大きな試験で確かめる必要があると書いています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
朝に日光を浴びた日は、その夜の睡眠の質がよいか(米国103人の日記)根拠 初期よい傾向。浴びた時間の長さとは関係がはっきりしない
寝る前の光が多いと、寝つくまでの時間が長いか(英国59人の記録)根拠 初期長い傾向
朝の明るい光で、夜中の眠りの途切れが減るか(60歳以上の比較試験)根拠 有望途切れが減り、活動のリズムが安定
夜の明るい光で、寝つきが遅れるか(同じ試験)根拠 有望寝つきが遅れ、眠っている割合が下がった
眠りにくさのある人で、夜中に目覚めている時間(22研究のまとめ)根拠 有望約11〜36分短い。寝つき・睡眠時間は差なし
眠りにくさのある人で、睡眠の質と睡眠時間(10の比較試験のまとめ)根拠 有望質の点数が改善し、睡眠時間は約17分長い
まだ分かっていないこと健康な人が毎朝の日光で眠りがよくなるかを、くじ引きで組を分けて確かめた大きな試験はまだありません。日常の光と眠りの研究は観察研究で、参加者はそれぞれ59人と103人と少なく、日光を浴びたかどうかは本人の記録によるものです。照明を使った試験は、専用の明るい照明を毎日決まった時間浴びる方法で、ふだんの朝日とは条件が違います。眠りにくさのある人のまとめでは、研究ごとに光の強さや時間がまちまちで、結果のばらつきや、よい結果の研究ほど発表されやすい偏りも指摘されています。どのくらいの明るさを何分浴びればよいかも、はっきりしていません。また、60歳以上の試験の研究者の1人は照明の会社の科学顧問で、英国の記録研究の研究者2人は照明の会社から研究費を受けています。日本人を対象にした結果かどうかも確かめられていません。

では、どうすればよいか

朝に外の光を浴び、夜は明かりを控えめにすることは、費用もかからず、ここで紹介した研究の結果とも矛盾しません。特に、夜の明るい光が寝つきを遅らせることは、記録の研究と比較試験の両方で報告されています。眠りにくさが長く続くときは、自己判断で済ませず、医師に相談してください。

今日からできること
  • 朝起きたらカーテンを開け、できれば外に出て日の光を浴びる
  • 日中も、散歩や買い物などで外に出る時間をつくる
  • 寝る前の1〜2時間は、部屋の明かりを落として過ごす。寝室はできるだけ暗くする
  • 太陽を直接見ない。目の病気がある方は、光を浴びる照明を使う前に医師に相談する
  • 眠りにくさが続く、日中の眠気が強いときは、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
室内の明かりの推奨(PLoS Biol 2022)健康な大人を対象に、日中・夕方から寝る前・睡眠中の室内の光の目安を示した推奨。国際的な規格で定めた、体内時計への光の働きを表す量で示している。光と睡眠の研究者18人の専門家の合意にもとづく。著者の一部は照明・医療機器・製薬の企業から研究費や顧問料を受けていると開示
英国の大人の光と眠りの記録(Proc Natl Acad Sci U S A 2023)交代勤務や時差のない英国の大人59人(便宜的に集めた参加者)。手首の光の記録機器と携帯電話で7日間、光・寝る時刻・眠気を記録。日中の光は推奨より少なく、寝る前と睡眠中は多い傾向。数時間前までの光が多いほど眠気が少ない。起床前後の明るい光で朝の眠気(睡眠慣性)が少ない。寝る前の光が多いと入眠までの時間が長い。研究者2人が照明の会社から研究費、1人が電機の会社から講演料
米国の大人の日光と眠りの日記(J Health Psychol 2025)大人103人、最長70日間。毎日、日光を浴びた時間帯と長さ、次の夜の睡眠の質(簡易版のピッツバーグ睡眠質問票)を本人が記録。朝の日光は、日光なしに比べて次の夜の睡眠の質がよいことと関連。浴びた時間の長さはおおむね関連なし。著者は利益相反なしと開示
60歳以上の自宅での照明の試験(Geroscience 2025)自宅で暮らす60歳以上の健康な人。色温度4000Kの白い光と17000Kの青みの強い白い光を比べる、11週間の無作為化クロスオーバー試験(各3週間、朝2時間・夜2時間を自分で浴びる)。朝の青みの強い光を長く浴びるほど、活動リズムの安定性が上がり、睡眠の断片化が減少。2500ルクス以上の時間が長いと日中の活動量が増え、就寝時刻が早まった。夜の光では入眠までの時間が延び、睡眠効率が低下。研究者の1人が照明の会社の科学顧問。資金提供者は研究の設計と解析に関与していないと記載
不眠の光療法のまとめ(J Sleep Res 2023)22研究・685人、うち5研究が質の高い研究。13研究でメタ解析。中途覚醒の時間がアクチグラフで標準化平均差−0.61(約11.2分短縮)、睡眠日誌で−1.09(約36.4分短縮)。入眠までの時間、総睡眠時間、睡眠効率は差なし。朝の光で睡眠と覚醒のリズムが前進し、夕方の光で後退。研究ごとのばらつきと出版バイアスにより解釈に限界
不眠の光療法の比較試験のまとめ(Sleep Breath 2024)2024年8月までの比較試験10本。ピッツバーグ睡眠質問票が−2.89点、不眠重症度質問票が−2.16点、アクチグラフで総睡眠時間が16.78分増加、中途覚醒の時間が12.91分減少。著者は初期の結果で、大規模な試験での確認が必要と結論。事前登録あり(PROSPERO)。著者は利益相反なしと開示
出典
  1. Brown TM, et al. Recommendations for daytime, evening, and nighttime indoor light exposure to best support physiology, sleep, and wakefulness in healthy adults. PLoS Biol. 2022. PMID 35298459
  2. Didikoglu A, et al. Associations between light exposure and sleep timing and sleepiness while awake in a sample of UK adults in everyday life. Proc Natl Acad Sci U S A. 2023. PMID 37812713
  3. Anderson AR, et al. Does sunlight exposure predict next-night sleep? A daily diary study among U.S. adults. J Health Psychol. 2025. PMID 39077837
  4. Barroggi Constantino D, et al. The bright and dark side of blue-enriched light on sleep and activity in older adults. Geroscience. 2025. PMID 39821044
  5. Chambe J, et al. Light therapy in insomnia disorder: A systematic review and meta-analysis. J Sleep Res. 2023. PMID 37002704
  6. Wang Y, et al. The effect of light therapy on insomnia: A systematic review and meta-analysis. Sleep Breath. 2024. PMID 39733392
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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