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ラベンダーの香りで、眠りはよくなる? 比較試験のまとめで分かったこと

寝る前にラベンダーなどの香りを使うと、本人が感じる眠りの質がよくなったと、比較試験のまとめで報告されています。ただし、試験は小さなものが多く、香りがあると参加者に分かってしまうため、思い込みの影響を除けていません。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.11.02更新 2026.11.02
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 大人を対象にした11の比較試験・628人のまとめで、ラベンダーの精油を使った組は、本人が答える睡眠の質がよくなっていた
  • 高齢者を対象にしたまとめでも、同じ方向の結果が報告されている。ただし試験ごとの結果のばらつきが大きい
  • 眠りの評価は多くが本人の回答で、機器で測った睡眠はほとんど調べられていない
  • においのない油と比べた小さな試験では、眠りの記録は両方の組で改善していた

寝る前にラベンダーなどの香りを使うと、本人が感じる睡眠の質がよくなったと、複数の比較試験のまとめで報告されています。ただし、試験は小さなものが多く、香りの有無は参加者に分かってしまうため、思い込みの影響を除けていない段階の結果です。

ここでいう比較試験は、参加者をくじ引きで組に分け、香りを使う組と使わない組を比べる方法です。

ラベンダーの香りで、眠りはよくなる?

2025年に発表された中国の研究チームのまとめでは、大人を対象にした11の比較試験、合わせて628人の結果を合わせています。ラベンダーの精油を使った組は、使わない組より睡眠の質の点数がよくなっていました。差の大きさを表す数値(標準化平均差)は−0.56で、中程度の差に当たります。

多くの試験は、睡眠の質をピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)で測っています。寝つきや睡眠時間、夜中に目が覚めるかどうかなどを本人が答え、点数が低いほど眠りの質がよいとされる質問票です。機器で眠りを測った試験は、ほとんど含まれていません。

著者は、含めた試験の数と質が限られているため、質の高い試験で確かめる必要があると書いています。

年をとってからでも、同じ結果になる?

高齢者に絞ったまとめも、2024年と2025年に発表されています。2024年のまとめでは、高齢者を対象にした比較試験を集めており、香りを使った組で睡眠の質がよくなっており、ラベンダーだけを使った試験で差が大きくなっていました。

2025年のイランの研究チームのまとめは、眠りに悩む60歳以上を対象にした10の試験を調べています。10本のうち9本で眠りの改善が報告され、使い方はすべて香りを吸い込む方法でした。一方で、試験ごとの結果のばらつきは大きく、長く使ったときの安全性も含めて、さらに研究が必要とされています。

2024年のまとめでは、香りを吸い込む方法より、オイルを使ったマッサージなど吸い込む以外の方法で差が大きくなっていました。マッサージそのものの影響と香りの影響は、この結果からは分けられません。

ラベンダー以外の香りはどう?

不眠に悩む人を対象にした14の比較試験・1,043人のまとめ(2024年)では、香りを使った組で眠りの点数がよくなっていました。香りの種類で分けると、ラベンダーよりバラやビターオレンジの花の香りで差が大きくなっていました。

同じまとめでは、イランで行われた試験ほど差が大きい傾向も見られました。14本のうち、偏りの心配が少ないと判定された試験は6本で、残りの8本には何らかの懸念がありました。

香りそのものの働きと言える?

ブラジルで行われた小さな試験は、この点を考えるうえで参考になります。不眠と診断された閉経後の女性35人を2組に分け、片方はラベンダーの精油、もう片方はにおいのないひまわり油を、29日間、寝る前に吸い込みました。両方の組に、眠りやすい生活習慣の指導も行っています。

その結果、睡眠日誌で記録した睡眠時間や、床にいる時間のうち眠っていた割合は、両方の組でよくなっていました。ラベンダーの組では、生活の質の総合点がよくなっていました。ほてりの回数や日中の眠気には、組のあいだで差がありませんでした。

香りを使う時間が、寝る前の決まった習慣として働いている可能性もあります。香りそのものの働きがどこまであるのかは、まだはっきりしていません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
本人が答える睡眠の質(大人・11の比較試験のまとめ)根拠 確立ラベンダーの組で改善(中程度の差)。試験の数と質は限られる
高齢者の睡眠の質(香りを使った比較試験のまとめ)根拠 確立改善。ラベンダーだけの試験、マッサージなどの方法で差が大きい
眠りに悩む60歳以上(10の試験のまとめ)根拠 確立10本中9本で改善。結果のばらつきが大きい
不眠に悩む人(14の比較試験・1,043人のまとめ)根拠 確立改善。バラやビターオレンジの花で差が大きい
においのない油と比べた試験(閉経後の女性35人・29日)根拠 有望眠りの記録は両方の組で改善。生活の質の総合点はラベンダーの組で改善
まだ分かっていないことまとめに含まれる試験の多くは数十人規模で、期間は数週間です。眠りの評価は、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)などの本人の回答が中心で、機器で測った寝つきや睡眠時間はほとんど調べられていません。香りの有無は参加者に分かってしまうため、思い込みの影響を除くことが難しく、においのない油と比べた試験では、眠りの記録が両方の組で改善していました。結果のばらつきが大きく、特定の国の試験や、入院中・持病のある人の試験が多く含まれるため、自宅で暮らす40〜70代にそのまま当てはまるかは分かりません。精油の濃さや量、使う時間もまちまちで、どの使い方がよいかは決まっていません。長く使ったときの安全性も十分に調べられていません。

では、どうすればよいか

香りを使うことで、本人が感じる眠りの質がよくなったという報告は続いています。費用が小さく、試しやすい方法でもあります。ただ、ほかの方法の代わりになるとは言えません。寝る時刻と起きる時刻をそろえる、寝る前の明るい光を控えるといった、眠りの基本と組み合わせることが大切です。

今日からできること
  • 試すなら、寝る前の決まった習慣のひとつとして取り入れ、寝る時刻と起きる時刻をそろえることを先に整える
  • 精油を飲まない。肌につける場合は薄めて使い、かゆみや赤みが出たら使うのをやめる
  • においで頭痛や気分の悪さが出る場合は使わない。同じ部屋で眠る家族の好みにも配慮する
  • 妊娠中・授乳中の方、ぜんそくなどの持病がある方は、使う前に医師に相談する
  • 眠れない状態が続く、日中の眠気が強いといった場合は、香りで様子を見ずに医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
大人の11の比較試験のまとめ(Holist Nurs Pract 2026)2014年1月〜2024年9月に発表された、大人を対象にしたラベンダー精油の比較試験11本・628人。睡眠の質の標準化平均差は−0.56(95%信頼区間−0.96〜−0.17)。著者は、含めた試験の数と質が限られ、質の高い試験での確認が必要としている。上海交通大学医学院附属瑞金医院の看護部
高齢者の香りの比較試験のまとめ(Medicine 2024)7つのデータベースから、高齢者を対象にした香りの比較試験を集めて解析。睡眠の質の標準化平均差は−1.02(95%信頼区間−1.38〜−0.66)。ラベンダーだけの試験で−1.39、吸い込む以外の方法で−1.73、4週間未満の試験で−1.16。不安・抑うつの点数も改善。著者は利益相反なしと開示
眠りに悩む60歳以上・10の試験のまとめ(Exp Gerontol 2025)眠りに悩む60歳を超える人を対象にしたラベンダーの臨床試験10本。9本で改善が報告され、すべて吸い込む方法。睡眠の質の標準化平均差は−1.20(95%信頼区間−1.73〜−0.68)、ばらつきの指標I²は87.5%。著者は予備的な結果とし、長く使ったときの効果と安全性の研究が必要としている。著者は利益相反なしと開示
不眠に悩む人の14の比較試験のまとめ(Sleep Breath 2024)2023年8月までに発表された比較試験14本・1,043人。標準化平均差は−1.63(95%信頼区間−2.20〜−1.04)。偏りの心配が少ない試験は6本、懸念ありが8本。イランの試験で差が大きく、バラとビターオレンジの花でラベンダーより差が大きい。研究計画は事前登録(PROSPERO)。著者は利益相反なしと開示
閉経後の女性35人の試験(Explore 2024)不眠と診断された閉経後の女性35人。ラベンダー精油とひまわり油(比較用)を29日間、寝る前に吸い込み、両方の組に睡眠習慣の指導と週1回の確認。睡眠日誌の睡眠時間と睡眠効率は全員で改善。生活の質の総合点はラベンダーの組で改善。ほてりと日中の眠気は差なし。より大きな試験の一部として行われた小規模な予備試験。資金の詳細は抄録に記載なし
出典
  1. Shen H, et al. The Sleep-Enhancing Effect of Lavender Essential Oil in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Holist Nurs Pract. 2026. PMID 40600743
  2. Xu K, et al. Effects of aromatherapy on sleep quality in older adults: A meta-analysis. Medicine (Baltimore). 2024. PMID 39654196
  3. Ostovar M, et al. A systematic review and meta-analysis of clinical trials on lavender for sleep disorders in older adults. Exp Gerontol. 2025. PMID 41057090
  4. Zhen H, et al. The effectiveness of aromatic extract on insomnia: a meta-analysis. Sleep Breath. 2024. PMID 39615005
  5. Lucena L, et al. Effect of a lavender essential oil and sleep hygiene protocol on insomnia in postmenopausal women: A pilot randomized clinical trial. Explore (NY). 2024. PMID 37495431
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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