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瞑想で眠りはよくなる? マインドフルネスの比較試験のまとめ

結論は、瞑想(マインドフルネス)で眠りの満足度が上がったという報告は複数ありますが、効果の大きさは研究によってばらつきがあります。眠りの質に悩む中高年を対象にした比較試験と、そのまとめから、分かっていることを整理しました。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.11.07更新 2026.11.07
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 眠りの質に悩む60代を中心とした米国の比較試験では、6週間のマインドフルネスで、睡眠の質の点数が睡眠衛生の講習より改善したと報告されている
  • 高齢者の11試験・1,052人のまとめでは、瞑想を取り入れた心身の運動で、眠りの質が改善したと報告されている
  • 慢性の不眠症の人では、マインドフルネスストレス低減法で眠りの質は改善しなかったとする20試験のまとめもある
  • 米国睡眠医学会の指針で不眠症に強く勧められているのは、不眠症の認知行動療法である

瞑想を習慣にした人で、眠りの満足度が上がったという比較試験の報告が複数あります。ただし、効果の大きさは対象や比べる相手によって異なり、慢性の不眠症の人ではっきりした改善が見られなかったまとめもあります。

ここでいう瞑想は、主にマインドフルネス(今の呼吸や体の感覚に注意を向け、浮かんだ考えを評価せずに受け流す練習)を指します。その代表的なプログラムが、8週間ほどで学ぶマインドフルネスストレス低減法(MBSR)です。

比較試験では、眠りは変わった?

2015年に米国で発表された比較試験があります。対象は、眠りの質に中等度の悩みがある平均66歳の49人です。くじ引きで2組に分け、片方はマインドフルネスの練習を、もう片方は睡眠衛生の講習(寝室の環境や生活習慣の整え方を学ぶもの)を、週1回2時間、6週間受けました。

眠りの質はピッツバーグ睡眠質問票(PSQI。点数が低いほど眠りの質がよい)で測りました。マインドフルネスの組は10.2点から7.4点に、講習の組は10.2点から9.1点に下がり、組の差は1.8点でした。不眠の症状や気分の落ち込み、疲れも、マインドフルネスの組で改善したと報告されています。一方、不安やストレスの点数には組の差がありませんでした。炎症に関わる体内の指標(NF-κB)は両方の組で下がり、組の差はありませんでした。結果は6週間の練習を終えた直後のもので、その後どれくらい続くかは調べられていません。

試験をまとめると、どうなる?

2025年には、眠りの質が低い高齢者を対象にした11の比較試験、1,052人のまとめが発表されました。マインドフルネスに加えて、太極拳やヨガ、気功のような瞑想の要素を含む運動も対象です。比べた組より、眠りの質は改善していました。ストレスの点数には、はっきりした差は見られませんでした。

認知機能に問題のない55歳以上を対象に、マインドフルネスを調べた7試験のまとめもあります。眠りの質を調べた試験は3本と少ないものの、比べた組より眠りの質が改善していました。記憶などの認知機能には、差が見られませんでした。

改善しなかったという研究もある?

2022年に韓国の研究チームが、眠りに悩む大人を対象にMBSRを調べた20の比較試験をまとめました。慢性の不眠症の人やがんの治療を経験した人に限ると、本人の回答でも機器の測定でも、眠りの質は改善していませんでした。順番待ちの組と比べたときは改善した可能性がありますが、試験ごとの結果のばらつきが大きいと報告されています。比べる相手が別のプログラムを受ける組の場合は、日中の気分の落ち込みや不安、疲れ、生活の質にも差は見られませんでした。

半数以上の試験は人数が少なく、参加者も評価する人も、どちらの組かを知っていたことによる偏りが入る余地がありました。研究チームは、より大きく、よく計画された試験が必要だとしています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
眠りの質に悩む高齢者の睡眠の質(米国の49人の比較試験)根拠 有望睡眠衛生の講習より改善(PSQIの差1.8点)
眠りの質が低い高齢者の睡眠の質(瞑想を含む心身の運動、11試験のまとめ)根拠 有望改善。試験の質の確認は必要
認知機能に問題のない55歳以上の睡眠の質(7試験のまとめ)根拠 有望改善。眠りを調べた試験は3本
慢性の不眠症の人の睡眠の質(MBSR、20試験のまとめ)根拠 有望改善は見られず
ストレスの点数(11試験のまとめ・米国の試験)根拠 有望はっきりした差なし
まだ分かっていないことまとめに含まれる試験の多くは数十人規模で、期間は6〜8週間ほどです。眠りの評価は、ピッツバーグ睡眠質問票のような本人の回答が中心で、機器で測った寝つきや睡眠時間を調べた研究は多くありません。2022年のまとめでは、慢性の不眠症の人で、機器の測定でも改善は見られませんでした。瞑想をしていることは参加者に分かるため、期待の影響を除くことが難しく、2022年のまとめでは偏りの恐れが指摘されています。2025年のまとめはマインドフルネスと太極拳・ヨガ・気功を合わせて解析しており、座って行う瞑想だけの効果は分かりません。効果がどれくらい続くのか、アプリや動画で一人で行う場合にも同じ結果になるのか、毎日何分行えばよいのかも決まっていません。日本人を対象にした大きな試験も見当たりません。

眠れない状態が続くときは、どうすればいい?

米国睡眠医学会の2021年の指針は、成人の慢性の不眠症に対して、不眠症の認知行動療法(寝床で過ごす時間や眠りについての考え方を見直す治療)を強く勧めています。リラクセーション法も条件つきで勧められていますが、睡眠衛生の指導だけで済ませることは勧めていません。瞑想は、眠りの悩みが軽い人が、寝る前の落ち着く習慣のひとつとして試す方法と考えるのがよさそうです。眠れない状態が続く場合や、日中の眠気が強い場合は、医師に相談してください。

今日からできること
  • まずは寝る時刻と起きる時刻をそろえ、寝室の明るさや温度を整える
  • 試すなら、寝る前に数分、楽な姿勢で呼吸に注意を向ける時間をつくり、数週間続けて眠りの変化を記録する
  • 眠れないまま寝床で長く過ごすより、いったん寝床を出て落ち着いてから戻る
  • 瞑想中に強い不安やつらい記憶がよみがえる場合は中断し、心の不調で治療中の方は主治医に相談する
  • 眠れない状態が続く、日中の眠気が強い、いびきや呼吸の止まりを指摘されたといった場合は、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
マインドフルネス瞑想と高齢者の睡眠の質(JAMA Intern Med 2015)米国、PSQIが5点を超える平均66.3歳の49人。マインドフルネスの練習(24人)または睡眠衛生の講習(25人)を週2時間・6週間。PSQIはマインドフルネスの組で10.2→7.4、講習の組で10.2→9.1、組の差1.8点(95%信頼区間0.6〜2.9)、効果量0.89。不眠の症状・抑うつ・疲労も改善。不安・ストレス・炎症の指標(NF-κB)は組の差なし。登録: NCT01534338。利益相反の申告なし
瞑想を含む心身の運動と高齢者の睡眠の質のまとめ(Behav Sleep Med 2025)2008〜2023年の比較試験11本・1,052人。マインドフルネス・太極拳・ヨガ・気功。睡眠の質の標準化平均差−0.66(95%信頼区間−0.89〜−0.43)。ストレスは有意差なし。登録: PROSPERO CRD42023445082
マインドフルネスと55歳以上の認知機能・睡眠の質のまとめ(Aging Ment Health 2024)認知機能に問題のない55歳以上を対象にした比較試験7本(介入276人・対照287人)。睡眠の質を調べた試験は3本。睡眠の質は対照より有意に改善。実行機能や記憶の検査では差なし
MBSRと眠りに悩む成人のまとめ(BMJ Open 2022)比較試験20本。慢性の不眠症とがんの経験者では、本人の回答・機器の測定とも睡眠の質の改善なし。順番待ちの組との比較では標準化平均差−0.32(95%信頼区間−0.56〜−0.08)、ばらつき大(I²=71%)。半数以上が小規模で、実施と評価の偏りの恐れあり。利益相反なし。登録: PROSPERO CRD42015027963
成人の慢性不眠症の行動・心理療法の指針(米国睡眠医学会、J Clin Sleep Med 2021)GRADEで評価。多要素の不眠症の認知行動療法を強く推奨。短期の多要素療法・刺激制御法・睡眠制限法・リラクセーション法は条件つきで推奨。睡眠衛生の指導のみの単独使用は勧めない(条件つき)
出典
  1. Black DS, et al. Mindfulness meditation and improvement in sleep quality and daytime impairment among older adults with sleep disturbances: a randomized clinical trial. JAMA Intern Med. 2015. PMID 25686304
  2. Li Y, et al. The Effect of Meditation-Based Mind-Body Interventions on Older Adults with Poor Sleep Quality: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Behav Sleep Med. 2025. PMID 40100065
  3. Lannon-Boran C, et al. The effect of mindfulness-based intervention on cognitively unimpaired older adults' cognitive function and sleep quality: a systematic review and meta-analysis. Aging Ment Health. 2024. PMID 37485984
  4. Kim SM, et al. Effects of mindfulness-based stress reduction on adults with sleep disturbance: an updated systematic review and meta-analysis. BMJ Open. 2022. PMID 36332952
  5. Edinger JD, et al. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. J Clin Sleep Med. 2021. PMID 33164742
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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