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ルテインのサプリは目にいい? 比較試験のまとめで分かったこと

ルテインは、目の奥の網膜に集まる黄色い色素です。サプリで飲むと網膜の色素が増えることは、比較試験のまとめで繰り返し報告されています。ただし、見え方や目の疲れまで変わるかは、まだはっきりしていません。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.29更新 2026.10.29
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 目の健康な大人の46の研究のまとめでは、1日5mg以上のルテインなどで、網膜の色素の濃さが増したと報告されている
  • 1日5mg未満や、食事を変える研究では、はっきりした差は出ていない
  • 見え方の検査の一部で差が出た試験はあるが、まとめた研究の質は低いと著者自身が書いている
  • 画面を長く見る人の6か月の試験では、涙の検査などに差が出た一方、目の疲れの自己評価は変わらなかった

ルテインのサプリを飲むと、網膜にある色素の濃さが増すことは、比較試験のまとめで報告されています。一方で、見え方や目の疲れが変わるかについては、試験によって結果が分かれており、確かなことはまだ言えない段階です。

ルテインとは、どんな成分?

ルテインとゼアキサンチンは、緑の濃い野菜などに含まれる黄色い色素です。人の体では、網膜の中心にある黄斑(物を見るときに最もよく使う部分)に集まっています。

この色素の量は黄斑色素密度という数値で測ります。網膜を光の刺激から守る働きがあると考えられていますが、これは仕組みとしての仮説です。サプリで数値が上がれば目の働きもよくなるのか、という点が研究の焦点になっています。

サプリを飲むと、網膜の色素は増える?

2021年に、米国の研究チームが、目の健康な大人を対象にした46の研究をまとめました。合わせて3,189人、平均年齢は43歳です。

ルテインなどを1日5mg以上20mg未満とった研究では、色素の濃さが平均0.04増えていました。1日20mg以上では0.11増えています。期間は3〜12か月です。一方、1日5mg未満の研究では、はっきりした差は出ませんでした。こちらは食事を変える研究が中心です。

量が多いほど色素は増える傾向がありました。ただし研究チームは、どの程度の量と期間で見え方に意味のある変化が出るかは、今後の研究が必要だとしています。

見え方や目の疲れは変わる?

2024年には、シンガポール国立大学のチームが、目に関わる成分のサプリの比較試験をまとめました。60本の論文を調べ、38本を合わせて分析しています。

どの成分の組み合わせでも、色素の濃さと、ぼんやりした模様を見分ける力が上がっていました。ルテインとゼアキサンチンの組み合わせでは、まぶしい光を見たあとに見え方が戻るまでの時間が短くなっていました。視力に差が出たのは、ほかの成分や脂肪酸と組み合わせた場合だけです。研究チームは、根拠の質が低く、結果に偏りがある可能性もあるため、慎重に受け取る必要があると書いています。

画面を長く見る人を対象にした試験もあります。2025年に報告されたオーストラリアの試験では、1日6時間以上画面を使う18〜65歳の70人が参加しました。ルテイン10mgとゼアキサンチン2mg、または偽の錠剤を6か月飲んでいます。

サプリの組では、涙の量や涙の膜の安定性の検査、まぶしい光からの回復の時間に、偽の錠剤の組より大きな変化がありました。一方、目の疲れや見えにくさを本人に聞いた質問票では、差が出ていません。

日本でも、画面を使う仕事をする健康な人の試験が行われています。ルテインなどを8週間飲んだ組では、画面作業のあとの目と手の動きの連動の検査で差が出ました。ただし、動く物を目で追う検査では、はっきりした差はありませんでした。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
網膜の色素の濃さは増えるか(目の健康な大人、46研究のまとめ)根拠 確立1日5mg以上で増加。量が多いほど増える傾向
1日5mg未満・食事を変える方法(同じまとめ)根拠 有望はっきりした差なし
見え方の検査(38の比較試験の分析)根拠 有望一部の検査で差。根拠の質は低い
画面を長く見る人の涙の検査・まぶしさからの回復(70人・6か月の比較試験)根拠 有望サプリの組で大きな変化
目の疲れ・見えにくさの自己評価(同じ試験)根拠 有望差なし
注意力・記憶(比較試験のまとめ)根拠 有望有意な差なし

物忘れへの影響は?

ルテインは脳にも含まれているため、記憶との関係も調べられています。2021年のまとめでは、偽の錠剤と比べた試験を合わせても、注意力や記憶の成績に有意な差はありませんでした。

物忘れの自覚がある40〜75歳の90人の試験では、6か月で見て覚える力のテストの一部に差が出ました。ただし、ほかのテストや本人の自己評価では差がありませんでした。

安全性は?

画面を使う人の6か月の試験では、重い副作用の報告はなく、肝臓や腎臓の血液検査の値にも大きな変化はなかったと報告されています。ただし、数十人規模で半年程度の試験です。

なお、加齢黄斑変性などの目の病気と診断された方のサプリは、ここで紹介した研究とは別の話です。病気の人を対象にした研究のまとめもありますが、使うかどうかは眼科医と相談して決める必要があります。

まだ分かっていないこと網膜の色素が増えることが、将来の見え方や目の健康にどの程度つながるかは分かっていません。見え方の検査で差が出た試験はありますが、まとめた研究チームは根拠の質が低いと評価しています。目の疲れを本人に聞いた質問票では、差が出ていない試験があります。個々の試験は数十人から100人程度と小さく、期間も2か月から半年程度です。画面を使う人の試験は、サプリ会社から資金を受ける研究受託会社が実施しており、日本の試験は資金を出した製薬会社の社員が著者に含まれています。何mgをどのくらいの期間飲めば十分かも、はっきりしていません。
今日からできること
  • ほうれん草などの緑の濃い野菜を、ふだんの食事に取り入れる
  • サプリを考えるときは、網膜の色素が増えることは報告されているが、目の疲れが軽くなるかははっきりしないことを知っておく
  • 画面を長く見るときは、ときどき目を休め、遠くを見る時間をつくる
  • 見え方の変化やゆがみに気づいたら、サプリで様子を見ずに眼科を受診する。目の病気で治療中の方、妊娠中・授乳中の方は、サプリを使う前に医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
ルテイン・ゼアキサンチンと黄斑色素のまとめ(Adv Nutr 2021)目の健康な成人を対象にした46研究、3,189人(平均43歳・男性42%)。1日5mg未満(主に食事の研究、3〜6か月)で黄斑色素密度の変化0.02(有意差なし)、5mg以上20mg未満で0.04、20mg以上(3〜12か月)で0.11の増加。最小の有効量と期間は今後の課題。著者の1人の所属に民間の調査会社あり
抗酸化成分のサプリと黄斑色素・見え方のネットワークメタ解析(Adv Nutr 2024)系統的レビュー60論文、うち38本を分析。8つの成分の組み合わせと偽薬を比較。すべての組み合わせで黄斑色素密度と低い空間周波数のコントラスト感度が上昇。視力に差が出たのは抗酸化成分の混合物+ルテイン+脂肪酸のみ。ルテイン+ゼアキサンチンでまぶしさからの回復時間が短縮。根拠の質は低い(非直接性・出版の偏り)。PROSPERO登録あり
画面を長く見る人の比較試験(Front Nutr 2025)1日6時間以上画面を使う18〜65歳の70人。ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mg、または偽薬を6か月。シルマー試験(涙の量)、まぶしさからの回復時間、涙の膜が壊れるまでの時間で偽薬より大きな改善。目の疲れなどの自己評価とコントラスト感度は差なし。重い有害事象なし、肝臓・腎臓の血液検査に大きな変化なし。著者は栄養補助食品の企業から研究資金を受ける研究受託会社の代表と社員
画面作業をする健康な人の日本の比較試験(Nutrients 2023)アスタキサンチン6mg+ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mg、または偽薬を8週間。画面作業のあとの目と手の協調運動が8週で改善。滑らかに目で追う動きは明らかな差なし。黄斑色素密度は上昇。人数は抄録に記載なし。資金を出した製薬会社の社員4人が著者
ルテインと認知機能の比較試験のまとめ(Molecules 2021)成人を対象にした偽薬との比較試験のメタ解析。複雑な注意(標準化平均差0.02)、実行機能(0.13)、記憶(0.03)のいずれも有意差なし。著者は利益相反なしと開示
物忘れの自覚がある人の比較試験(Front Nutr 2022)40〜75歳の90人。ルテイン10mg+ゼアキサンチン2mg、または偽薬を6か月。視覚的なエピソード記憶と視覚的な学習で偽薬より大きな改善。ほかの認知テスト・質問票・気分・身体機能は差なし。重い有害事象の報告なし。著者は栄養補助食品の企業から研究資金を受ける研究受託会社の代表と社員
加齢黄斑変性の人の抗酸化サプリのまとめ(Cochrane 2023)加齢黄斑変性と診断された人を対象にした26試験。ルテイン(ゼアキサンチンの有無を問わない)と対照の比較では、後期への進行の危険は同程度かわずかに低い(相対危険0.94、低い確実性)。目の病気の人の研究で、この記事の対象とは異なる
出典
  1. Wilson LM, et al. The Effect of Lutein/Zeaxanthin Intake on Human Macular Pigment Optical Density: A Systematic Review and Meta-Analysis. Adv Nutr. 2021. PMID 34157098
  2. Hu W, et al. Effect of Antioxidant Supplementation on Macular Pigment Optical Density and Visual Functions: A Systematic Review and Network Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Adv Nutr. 2024. PMID 38582248
  3. Lopresti AL, Smith SJ. The effects of lutein/zeaxanthin on eye health, eye strain, sleep quality, and attention in high electronic screen users: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. Front Nutr. 2025. PMID 39963662
  4. Yoshida K, et al. Effects of Astaxanthin, Lutein, and Zeaxanthin on Eye-Hand Coordination and Smooth-Pursuit Eye Movement after Visual Display Terminal Operation in Healthy Subjects: A Randomized, Double-Blind Placebo-Controlled Intergroup Trial. Nutrients. 2023. PMID 36986186
  5. Li J, Abdel-Aal EM. Dietary Lutein and Cognitive Function in Adults: A Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Molecules. 2021. PMID 34641336
  6. Lopresti AL, et al. The Effects of Lutein and Zeaxanthin Supplementation on Cognitive Function in Adults With Self-Reported Mild Cognitive Complaints: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study. Front Nutr. 2022. PMID 35252311
  7. Evans JR, Lawrenson JG. Antioxidant vitamin and mineral supplements for slowing the progression of age-related macular degeneration. Cochrane Database Syst Rev. 2023. PMID 37702300
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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