木のテーブルで握力を鍛える器具を握る50代の男性の手元

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短く息を上げるHIITは、中高年にも向く? 比較試験で分かったこと

強めの運動と休みを交互に繰り返すHIIT(高強度インターバルトレーニング)は、短い時間で体力をつける方法として知られています。中高年や70代を対象にした比較試験から、どこまで分かっているかを整理しました。

根拠 確立5分で読めます公開 2026.10.29更新 2026.10.29
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 運動の習慣がない人がHIITをすると、持久力の指標が上がり、腹囲が平均3.56cm小さくなったと、58の比較試験のまとめで報告されている
  • 一定の強さで続けるふつうの有酸素運動と比べると、持久力の上乗せは小さく、腹囲や血圧には差がなかった
  • 70代の1,567人を5年間追った試験では、HIITの組で亡くなる割合が低い傾向が見られたが、はっきりした差にはならなかった

HIITで持久力が上がることは、多くの比較試験のまとめで確かめられており、60歳以上を対象にした試験でも同じ傾向が報告されています。ただし、一定の強さで続けるふつうの有酸素運動と比べた上乗せは小さく、長生きにつながるかはまだ分かっていません。

HIITとは、どんな運動?

HIITは、息が上がるほどの強い運動を短く行い、間に休みや軽い運動をはさんで、それを何回か繰り返す方法です。自転車やウォーキング、水中での運動など、さまざまな形で試されています。運動の時間が短くて済むため、時間がないことを理由に運動から遠ざかっている人に向く方法として研究されてきました。

効果を見るときによく使われるのが最大酸素摂取量です。体が1分間に取り込める酸素の最大の量のことで、持久力の目安になります。

運動しない場合と比べて、何が変わる?

2026年に、コクラン(医療の研究を中立の立場でまとめる国際組織)が、運動の習慣がない18〜64歳の健康な人を対象にした58の比較試験、2,075人分をまとめました。運動をしない組と比べると、HIITの組では最大酸素摂取量が体重1kgあたり毎分約6mL上がり、腹囲は平均3.56cm小さくなっていました。一方で、血圧や中性脂肪の変化ははっきりしませんでした。

2024年には、24の系統的レビューを束ねた解析も発表されています。もとになった研究は429本、参加者は1万2,967人です。健康な大人、体重の多い人、高齢者のどのグループでも、HIITで持久力が上がる結果がそろっていました。

ふつうの有酸素運動より、よい?

一定の強さで続ける運動と比べると、差は小さくなります。コクランのまとめでは、HIITのほうが最大酸素摂取量が毎分1.39mLほど多く上がりましたが、確かさは低いと評価されています。腹囲や血圧、中性脂肪には差が見られませんでした。

60歳以上を対象にした29の試験、1,227人をまとめた2024年の解析でも、多くの項目で二つの運動の結果は似ていました。体脂肪の量や腹囲がはっきり減ったのはHIITの組だけで、試験の質が高いものに絞ると、持久力の伸びもHIITで大きくなっていました。中高年の14の試験をまとめた2021年の解析も、持久力の伸びはHIITのほうがやや大きいと報告しています。

70代でも続けられる? 長生きにつながる?

ノルウェーでは、70〜77歳の1,567人を3つの組に分け、5年間追う比較試験が行われました。週2回、最高心拍数の約90%まで上げるHIITの組と、約70%で続ける運動の組、国の運動の目安に沿って過ごす組です。参加者の9割近くは、もともと健康だと答えていました。

5年間で亡くなる割合は、運動の2つの組を合わせても、目安に沿って過ごした組と変わりませんでした。HIITの組だけを見ると低い傾向がありましたが、偶然の範囲を超える差ではありませんでした。目安に沿って過ごす組の人が、自分から強めの運動を多く取り入れていたことも、差が出にくかった理由とされています。

同じ試験の追加の分析では、筋肉の量や握力、歩く速さから判定するサルコペニア(年齢とともに筋肉が減り、体の働きが落ちた状態)について調べています。5年後にこの状態に当てはまった人は、HIITの組で56%、目安に沿って過ごした組で63%でした。一定の強さで続ける組では、目安の組との差は見られませんでした。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
運動しない場合と比べて持久力が上がるか(58の比較試験のまとめ)根拠 確立最大酸素摂取量が体重1kgあたり毎分約6mL上昇
腹囲が減るか(同じまとめ)根拠 確立平均3.56cm減少
ふつうの有酸素運動より持久力が上がるか(同じまとめ・60歳以上の29試験)根拠 有望上乗せはわずか。確かさは低い
血圧・中性脂肪が下がるか(同じまとめ)根拠 有望はっきりした差なし
亡くなる割合が下がるか(70代1,567人・5年の比較試験)根拠 有望低い傾向はあるが、はっきりした差なし
サルコペニアになりにくいか(同じ試験の追加の分析)根拠 有望5年後の割合はHIIT 56%、目安の組63%
まだ分かっていないことHIITで寿命がのびるかは、まだ分かっていません。ノルウェーの試験では、亡くなった人の数が少なく、差ははっきりしませんでした。サルコペニアの結果は、最初から決めていた主な評価項目ではなく、追加の分析です。コクランのまとめでは、どの試験も人数が少なく、ふつうの有酸素運動との比較は確かさが低いと評価されています。副作用を記録した試験は見当たらず、きちんと調べていたかも分からないとされています。どの試験も指導者がついた環境で行われており、一人で行う場合の安全性は確かめられていません。持病のある人や、もともと運動していない70代以上の人にどこまで当てはまるかも分かっていません。

では、どうすればよいか

持久力をつける方法として、HIITは中高年でも選択肢の一つになると考えられています。ただし、ふつうの有酸素運動でも持久力は上がっており、どちらを選ぶかは続けやすさで決めてよい段階です。強い運動に慣れていない方は、軽い運動から少しずつ強さを上げていくと安心です。

今日からできること
  • ウォーキングや自転車の途中で、少し息が上がる速さの区間と、ゆっくりの区間を交互に入れてみる
  • 強さは少しずつ上げる。いきなり全力で行わない
  • ふつうの有酸素運動や筋トレと組み合わせ、続けやすい方法を選ぶ
  • 心臓や血圧の持病がある方、運動の習慣がない方、高齢の方は、強い運動を始める前に医師に相談する。胸の痛みや息苦しさ、めまいが出たらすぐに中止する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
58の比較試験のまとめ(Cochrane Database Syst Rev 2026)運動の習慣がない18〜64歳の健康な人を対象にした4週間以上の比較試験58本・2,075人。運動しない組と比べ、最大酸素摂取量が平均5.98mL/kg/分上昇(中程度の確かさ)、腹囲3.56cm減少(高い確かさ)。収縮期血圧・中性脂肪・腹囲と腰回りの比ははっきりした差なし。一定の強さの運動と比べると最大酸素摂取量は1.39mL/kg/分多く上昇(低い確かさ)、腹囲・血圧・中性脂肪は差なし。死亡と副作用を報告した試験はなし。資金は英国国立衛生研究所(NIHR)など。著者の1人は採用された3試験に関わっていたが、その試験の評価には加わっていない
24の系統的レビューを束ねた解析(Scand J Med Sci Sports 2024)2024年2月までの系統的レビュー24本、もとの研究429本・1万2,967人。運動しない組と比べても、一定の強さの運動と比べても、HIITで持久力が上がる結果が一貫していた。健康な大人・体重の多い人・高齢者・運動選手のいずれでも同様。限界: 多くのレビューの質は中程度から非常に低いと評価
60歳以上の29試験のまとめ(Arch Gerontol Geriatr 2024)60歳以上の試験29本・1,227人(平均65.4歳)。最大酸素摂取量・体脂肪率・血糖・血圧は、HIITと一定の強さの運動で同程度の変化。脂肪の量・腹囲の減少はHIITだけで有意。対照のある質の高い試験に限ると、最大酸素摂取量の伸びはHIITで大きい。著者は利益相反なしと開示
中高年の14試験のまとめ(J Sports Sci 2021)中高年を対象にした試験14本・429人。最大酸素摂取量の伸びは、インターバルの運動のほうが一定の強さの運動より平均1.10mL/kg/分大きい
ノルウェーのGeneration 100試験(BMJ 2020)70〜77歳の1,567人(平均72.8歳、女性790人)を、週2回のHIIT(最高心拍数の約90%)400人、一定の強さの運動(約70%)387人、国の運動の目安に沿う組780人に分けて5年間。全死亡は運動の2組合計と目安の組で差なし。目安の組の死亡4.7%に対し、HIITのハザード比0.63(95%信頼区間0.33〜1.20)、一定の強さの運動1.24(0.73〜2.10)。資金はノルウェー研究評議会など。著者は利益相反なしと開示
同じ試験のサルコペニアの分析(J Cachexia Sarcopenia Muscle 2026)副次的な評価項目。5年後にサルコペニアに当てはまった人は、目安の組63%、一定の強さの組67%、HIITの組56%。目安の組と比べたHIITのオッズ比は3年目0.51、5年目0.47。一定の強さの組では差なし。著者は利益相反なしと開示
出典
  1. Strauss JA, et al. High-intensity interval training for reducing cardiometabolic syndrome in healthy but sedentary populations. Cochrane Database Syst Rev. 2026. PMID 41810896
  2. Poon ET, et al. High-intensity interval training and cardiorespiratory fitness in adults: An umbrella review of systematic reviews and meta-analyses. Scand J Med Sci Sports. 2024. PMID 38760916
  3. Oliveira A, et al. Effects of high-intensity interval and continuous moderate aerobic training on fitness and health markers of older adults: A systematic review and meta-analysis. Arch Gerontol Geriatr. 2024. PMID 38718488
  4. Poon ET, et al. Interval training versus moderate-intensity continuous training for cardiorespiratory fitness improvements in middle-aged and older adults: a systematic review and meta-analysis. J Sports Sci. 2021. PMID 33825615
  5. Stensvold D, et al. Effect of exercise training for five years on all cause mortality in older adults-the Generation 100 study: randomised controlled trial. BMJ. 2020. PMID 33028588
  6. Stene GB, et al. Effects of 5 Years of Aerobic Exercise on Sarcopenia in Older Adults-Secondary Outcomes of the Generation 100 Study. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2026. PMID 41936539
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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