朝の公園の緑の中で腕を伸ばす60代の女性(イメージ)

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ガーデニングや家庭菜園は認知症予防になる? 庭仕事の追跡研究と比較試験のまとめ

結論は、庭仕事を続ける高齢者は認知症になる割合が低いと報告されていますが、庭仕事が認知症を防ぐかはまだ確かめられていません。中国と日本の追跡研究と、園芸の比較試験のまとめを分けて、分かっていることを整理しました。

根拠 初期5分で読めます公開 2026.11.07更新 2026.11.07
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 中国の8,676人の追跡研究では、ほぼ毎日庭仕事をする人は、認知症になる危険が28%低かった
  • 日本の約5万人の追跡研究では、園芸を趣味にする女性で、認知症の危険が15%低かった
  • 園芸の比較試験のまとめでは、自己効力感や持久力に変化が見られたが、確からしさは非常に低い
  • 庭仕事で記憶などの認知機能がよくなることを示した比較試験は、まだない

ガーデニングや家庭菜園を続けている高齢の人は、その後に認知症になる割合が低いことが、中国と日本の追跡研究で報告されています。ただし、庭仕事そのものが認知症を防ぐかを確かめた比較試験はまだなく、根拠は観察研究の段階です。

庭仕事をする人は、認知症になりにくい?

2024年に、中国の全国調査(CLHLS)を使った研究が発表されました。対象は8,676人で、年齢の中央値は86歳です。約4年(中央値4.31年)追跡し、その間に633人が認知症と判定されました。

庭仕事をしない人と比べて、定期的に、またはほぼ毎日庭仕事をする人は、ほかの条件をそろえたうえで、認知症になる危険が28%低いという結果でした。85歳以上の人や女性、都市部に住む人でも、同じ傾向が見られたと報告されています。

日本の高齢者では、どうだった?

日本老年学的評価研究(JAGES)では、介護を受けていない65歳以上の4万9,705人を、2010年から2016年まで追跡しました。その間に、4,758人(9.6%)が認知症と判定されています。

趣味の種類ごとに調べると、女性では園芸をしている人の認知症の危険が15%低くなっていました。男性では、園芸ははっきりした関連が出た趣味に入っていません。男女とも、グラウンドゴルフや旅行のほか、趣味の数が多い人ほど危険が低い傾向でした。研究では、年齢や持病、人付き合いなど22の条件をそろえて比べています。

ただ、こうした観察研究では、もともと体や頭が元気な人ほど庭仕事を続けられる、という逆の向きの関係を取りきれません。庭仕事が原因と言えるかは、比較試験(くじ引きで組を分けて比べる試験)で確かめる必要があります。

比較試験では、何が分かっている?

園芸を取り入れた活動の比較試験は、これまで主に気分や体の働きを見てきました。2024年に、認知症のない60歳以上を対象にした研究のまとめが出ています。11か国の27研究、1,629人分で、うち11本が比較試験です。

園芸の活動に参加した人では、自分でできるという感覚(自己効力感)や自尊心が少し上がり、持久力にもよい変化が報告されました。一方で、研究の質が低いものが多く、確からしさは「非常に低い」と評価されています。記憶などの認知機能は、主な結果として挙がっていません。

シンガポールで59人の高齢者を2つの組に分けた試験では、園芸の組で血液中の炎症の目印(IL-6)が下がり、人とのつながりの感覚が高まったと報告されました。この試験は認知機能も測っていますが、認知機能がよくなったという報告はありません。

2025年には、持病のある成人を対象にした23研究、4,535人分のまとめも出ました。心の健康にはやや改善の方向が見られたものの、統計的には差がないとも読める幅でした。体の健康や全体の健康への効果は小さいとされています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
庭仕事をする高齢者は、認知症になりにくいか(中国の8,676人の追跡研究)根拠 初期ほぼ毎日する人で危険が28%低い
園芸を趣味にする人は、認知症になりにくいか(日本の4万9,705人の追跡研究)根拠 初期女性で15%低い。男性でははっきりしない
園芸の活動で、自己効力感・持久力は変わるか(認知症のない60歳以上、27研究のまとめ)根拠 有望少しよくなる可能性。確からしさは非常に低い
園芸の活動で、記憶などの認知機能はよくなるか(59人の比較試験)根拠 有望改善の報告なし。炎症の目印と人とのつながりに変化
持病のある人の心の健康(23研究のまとめ)根拠 有望改善の方向だが、差がないとも読める幅
1回の庭仕事で、神経の成長に関わる物質は増えるか(41人、比べる組なし)根拠 初期前後で増えた

脳の中で、何が起きている可能性がある?

韓国の研究では、平均76.6歳の41人が、畑を耕す、植える、水をやるといった庭仕事を20分間行いました。その前後で血液を調べると、脳の神経の成長に関わる物質(BDNF など)が増えていました。

ただし、比べる組のない1回だけの測定で、認知機能そのものの変化は調べていません。体を動かす、外の光を浴びる、人と話す、手順を考えるといった、庭仕事に含まれるどの要素が関わるのかも分かっていません。

まだ分かっていないこと認知症との関連は、すべて観察研究の結果です。元気な人ほど庭仕事を続けられるという逆の向きの関係や、収入・人付き合いなどの違いを、完全には取り除けません。日本の研究では、園芸との関連は女性だけに見られました。比較試験は人数が少なく、期間も数か月のものが中心で、参加者に園芸をしているかを隠せないため、結果に偏りが入る余地があります。どのくらいの頻度や時間で、どんな作業をすればよいかも分かっていません。中国の追跡研究とシンガポール・韓国の研究は、抄録に研究資金の記載がありません。

では、どうすればよいか

庭仕事で認知症を防げると言えるだけの根拠は、まだありません。それでも、体を動かすことや人と関わることは、認知機能を保つうえで大切だと考えられています。楽しめるなら、ベランダの鉢植えや地域の菜園から始めるのは、暮らしに取り入れやすい方法の一つです。夏の暑さや腰への負担には気をつけて、無理のない範囲で続けてください。

今日からできること
  • ベランダの鉢植えやプランターの野菜など、手入れが続けられる大きさから始める
  • 地域の市民農園や園芸の集まりを調べ、人と一緒に作業する機会をつくる
  • 夏は朝夕の涼しい時間に作業し、帽子と水分を用意する
  • 腰やひざに痛みがある人、持病のある人は、作業の量について医師に相談する
  • 物忘れが気になるときは、自己判断せず医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
中国高齢者の庭仕事と認知症の追跡研究(Public Health 2024)中国健康長寿縦断調査(CLHLS)の8,676人、年齢中央値86歳。追跡中央値4.31年で633人が認知症。庭仕事をしない人に比べ、定期的・ほぼ毎日の人のハザード比0.72(95%信頼区間0.57〜0.93)。年齢との相加的な交互作用あり。感度分析でも同様。資金は抄録に記載なし
JAGES の趣味の種類・数と認知症(日本公衆衛生雑誌 2020)介護を受けていない65歳以上の4万9,705人を2010〜2016年に追跡。4,758人(9.6%)が認知症(厚生労働省の認知症高齢者の日常生活自立度で判定)。22の変数で調整。女性の園芸でハザード比0.85。男女ともグラウンドゴルフ・旅行で低く、趣味の数が多いほど低い傾向(男性0.84、女性0.78)
認知症のない高齢者への園芸療法のまとめ(J Am Med Dir Assoc 2024)60歳以上、11か国の27研究(比較試験11・準実験16)、1,629人。自己効力感 g=0.52、自尊心 g=0.52、持久力 g=0.84、敏捷性 g=0.45。GRADEで確からしさは非常に低い。著者は利益相反なしと開示
シンガポールの園芸療法の比較試験(Int J Environ Res Public Health 2018)高齢者59人を園芸(29人)と待機(30人)に割り付け。最初の3か月は毎週、その後3か月は毎月。園芸の組で血漿IL-6が低下(p=0.02)、人とのつながりの感覚が改善(p=0.01)。認知機能も測定したが、改善の報告なし。利益相反なし
持病のある成人への園芸活動のまとめ(BMC Public Health 2025)23研究(比較試験13・準実験10)、4,535人、平均54.4歳、63%が女性。心の健康 SMD −0.31(95%信頼区間 −0.97〜0.34)、体の健康 −0.25(−0.62〜0.11)、全体の健康 −0.08(−0.20〜0.05)。PROSPERO登録あり。利益相反なし
韓国の庭仕事と神経成長因子(Int J Environ Res Public Health 2019)平均76.6歳の41人が20分間の低〜中強度の庭仕事。前後の採血でBDNFとPDGFが有意に増加。比べる組なし。利益相反なし
出典
  1. Wang J, et al. Association between garden work and risk of incident dementia in an older population in China: a national cohort study. Public Health. 2024. PMID 38749151
  2. Ling L, et al. Types and number of hobbies and incidence of dementia among older adults: A six-year longitudinal study from the Japan Gerontological Evaluation Study (JAGES). Nihon Koshu Eisei Zasshi. 2020. PMID 33361687
  3. Giang TA, et al. Effectiveness of Horticultural Therapy in Older Adults without Dementia: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Am Med Dir Assoc. 2024. PMID 39393785
  4. Ng KST, et al. Effects of Horticultural Therapy on Asian Older Adults: A Randomized Controlled Trial. Int J Environ Res Public Health. 2018. PMID 30096932
  5. Wang F, et al. Effect of gardening activities on domains of health: a systematic review and meta-analysis. BMC Public Health. 2025. PMID 40121431
  6. Park SA, et al. Benefits of Gardening Activities for Cognitive Function According to Measurement of Brain Nerve Growth Factor Levels. Int J Environ Res Public Health. 2019. PMID 30832372
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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