
髪は毎日洗うべき? シャンプーの回数と頭皮の研究で分かったこと
「毎日洗うと頭皮の油が取れすぎる」「洗うほど髪が抜ける」という話を耳にすることがあります。シャンプーの回数と頭皮・髪の状態を調べた2021〜2026年の研究をもとに、どこまで分かっているかを整理しました。
- アジアの人を対象にした研究では、週5〜6回洗う人で頭皮と髪の状態への満足度が最も高かった
- 同じ研究の、洗う回数を決めて比べた試験では、毎日洗う組が週1回の組より、調べたすべての項目でよい結果だった。洗いすぎによる害は見られなかった
- サウジアラビアの約4,800人の調査でも、洗う回数が多い人ほど頭皮と髪の状態がよいと回答していた
- 一方、1〜2日ごとに洗う女性では、頭皮から逃げる水分がやや多かったという小規模な研究もある
- どれも人数や設計に限りがあり、最もよい回数は人によって違う可能性がある
頭皮に病気のない人では、洗う回数が多いほど頭皮と髪の状態がよいという研究が、アジアや中東から報告されています。ただし、研究の多くは調査や小規模な試験の段階で、誰にとっても毎日がよいとまでは確かめられていません。
毎日洗うと、洗いすぎになる?
2021年に、アジアの人を対象にした2つの研究をまとめた論文が発表されました。対象は、頭皮に特別な病気のない人です。
1つ目は、ふだん洗っている回数ごとに、頭皮と髪の状態を測った調査です。機器で測った結果と本人の評価のどちらでも、週5〜6回洗う人の満足度が最も高くなっていました。2つ目は、洗う回数を決めて比べた試験です。毎日洗う組は、週1回の組より、調べたすべての項目でよい結果でした。毎日洗っても、髪に害は見られなかったと報告されています。
著者らは、洗いすぎへの心配は根拠がなかったと結論づけています。ただし、この研究はシャンプーをつくる企業が費用を全額出し、その社員が著者に含まれています。
ほかの国の研究でも、同じ傾向がある?
2026年には、サウジアラビアの4,796人に、ネットのアンケートで洗う回数と髪の悩みを尋ねた研究が発表されました。洗う回数が多い人ほど、頭皮と髪の状態がよいと答えていました。髪が長い人や巻き毛の人では、切れ毛や抜け毛が多い傾向も見られました。ある時点の回答を集めた調査なので、洗う回数が状態を変えたのか、状態のよい人がよく洗っているのかは区別できません。
モロッコで300人に髪の手入れの考え方を尋ねた2025年の調査では、よく洗うと髪に悪いという思い込みが広く見られました。SNSの情報が手入れの仕方に影響していたことも報告されています。特定の栄養素や製品に、大きすぎる期待を寄せる人も少なくありませんでした。著者らは、皮膚科医が根拠に基づいた情報を伝えていく必要があるとしています。
洗う回数が多いと、頭皮は乾く?
反対の方向の結果もあります。インドネシアの研究では、ヒジャブ(頭を覆う布)を着ける健康な女性60人を、1〜2日ごとに洗う組と、3〜5日ごとに洗う組に30人ずつ分けました。28日後、1〜2日ごとに洗う組では、経皮水分蒸散量(肌から逃げる水分の量。多いと肌のバリアの働きが弱まっている目安とされる)がやや多くなっていました。一方、頭皮のうるおいの量には、はっきりした差がありませんでした。
人数が少なく、頭を布で覆う生活という特別な条件での結果です。それでも、洗う回数が多いほど頭皮の状態がよいとは言い切れないことを示しています。
フケやかゆみが気になるときは?
2025年のカナダの総説(これまでの研究を整理した論文)は、フケと、頭皮が赤くなる脂漏性皮膚炎を取り上げています。どちらも、頭皮にすむマラセチアという真菌(カビの仲間)が関わると考えられています。フケは目に見える炎症のない軽い状態で、脂漏性皮膚炎は赤みや炎症を伴う、より重い状態とされています。
総説では、市販の洗浄剤から医療機関で使うものまで、さまざまな手当ての方法が整理されています。一方で、カナダには扱い方についての共通の指針がまだなく、さらに研究が必要だとも書かれています。フケが多いからといって、洗う回数を増やすだけで解決するとは限りません。
| 調べたこと | 根拠 | 結果 |
|---|---|---|
| ふだんの洗う回数と満足度(アジアの調査) | 根拠 初期 | 週5〜6回で満足度が最も高い |
| 毎日と週1回を比べた試験(アジア) | 根拠 初期 | 毎日の組が全項目でよい。害は見られず |
| 洗う回数と頭皮・髪の状態(サウジアラビア4,796人の調査) | 根拠 初期 | 多い人ほど状態がよいと回答 |
| 1〜2日ごとと3〜5日ごと(インドネシアの女性60人) | 根拠 初期 | 頻繁な組で肌から逃げる水分がやや多い。うるおいの量は差なし |
では、どうすればよいか
これまでの研究からは、毎日洗うことが頭皮や髪に悪いという根拠は見つかっていません。皮脂の多さや汗のかき方、髪の長さは人によって違うので、べたつきやかゆみ、乾きの具合を見ながら回数を決めるのが現実的です。
抜け毛が気になって洗う回数を減らしている方もいらっしゃいますが、洗う回数と抜け毛の進み方の関係を確かめた研究は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。抜け毛が急に増えた場合は、洗い方とは別の原因が関わっている可能性もあるので、皮膚科の医師に相談するのが安心です。
- 毎日洗うことを、頭皮や髪に悪いと心配しすぎなくてよい
- べたつきやにおいが気になるなら回数を増やし、乾燥やつっぱりが気になるなら間隔をあけるなど、頭皮の様子を見て回数を決める
- 洗ったあとは、すすぎ残しがないように流す
- 赤み、強いかゆみ、大きなフケ、急に増えた抜け毛がある場合は、自己判断で洗い方を変え続けず、皮膚科の医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
| アジアの2つの研究(Skin Appendage Disord 2021) | 頭皮に特別な病気のないアジアの人が対象。ふだんの洗う回数ごとの調査と、回数を決めて洗う試験の2本。調査では週5〜6回で機器の測定と本人の評価がともに最もよい。試験では毎日洗う組が週1回の組より全項目でよい。毎日洗っても髪への客観的な害は見られなかった。参加人数は抄録に記載なし。シャンプーをつくる企業が費用を全額負担し、著者2人が同社の社員 |
|---|---|
| サウジアラビアの調査(Dermatol Res Pract 2026) | アラビア語のネットのアンケートによる横断研究。4,796人。洗う回数が多いほど、頭皮と髪の状態がよいと回答。長い髪・巻き毛では切れ毛と1日の抜け毛が多い傾向。著者は利益相反なしと開示 |
| インドネシアのヒジャブを着ける女性(Int J Trichology 2024) | 生殖年齢の健康な女性60人を、1〜2日ごとに洗う組と3〜5日ごとに洗う組に30人ずつ。28日後の頭皮の経皮水分蒸散量の中央値は20.87と17.67(g/m²/h、P<0.01)。頭皮の水分量は11.48と12.77(AU)で有意差なし。著者は利益相反なしと開示 |
| モロッコの意識調査(Int J Womens Dermatol 2025) | 300人に40項目の質問票。よく洗うと髪に悪いという思い込みや、特定の栄養素・製品への過大な期待が多く見られた。SNSが手入れの選び方に影響。本人の回答だけで臨床的な評価はなし。著者は利益相反なしと開示 |
| フケと脂漏性皮膚炎の総説(J Cutan Med Surg 2025) | カナダの視点から、フケと脂漏性皮膚炎の原因・頻度・治療を整理した総説。両者にマラセチアが関わるとする。フケは目に見える炎症のない軽い状態、脂漏性皮膚炎は赤みと炎症を伴う状態。著者に化粧品・シャンプーをつくる企業の社員が含まれ、その旨が開示されている |
- Punyani S, et al. The Impact of Shampoo Wash Frequency on Scalp and Hair Conditions. Skin Appendage Disord. 2021. PMID 34055906
- Rubaian NB, et al. The Relationship Between the Frequency of Hair Shampooing and the Condition of Hair and Scalp Among the Population of Saudi Arabia. Dermatol Res Pract. 2026. PMID 42199383
- Mughni FA, et al. Measurements of Scalp Transepidermal Water Loss and Hydration in Women Wearing Hijab Correlated with Hair Wash Frequency. Int J Trichology. 2024. PMID 40309367
- Belcadi J, et al. Preconceived ideas in hair care. Int J Womens Dermatol. 2025. PMID 40401243
- Gupta AK, et al. Understanding the Scalp: Dandruff and Seborrheic Dermatitis. J Cutan Med Surg. 2025. PMID 41133934

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この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。










