公園で朝の体操をする60〜70代の男女(イメージ)

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検査と数値

骨密度の検査は何歳から? 数値の読み方と、検診で骨折が減るかの研究

骨密度は、骨の強さを表す数字の一つです。数値が低いと何が起こりやすいのか、検査を受けると骨折は減るのかを、世界の追跡研究と比較試験、米国の指針から整理しました。

根拠 確立5分で読めます公開 2026.10.31更新 2026.10.31
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 骨密度が標準偏差1つ分低いと、65歳では太ももの付け根の骨折が約3倍になると、約3万9,000人の追跡研究のまとめで報告されている
  • 女性の骨密度は、最後の月経の1年前から2年後にかけて大きく減り、日本人と中国人の女性では減り方が速かった
  • 65歳以上の女性を中心にした3つの比較試験のまとめでは、検査を受けた組で太ももの付け根の骨折が17%少なかった
  • 米国の指針は65歳以上の女性と、骨折しやすい条件のある閉経後の女性に検査を勧めている。男性については判断できる根拠が足りないとしている
  • 日本では、市区町村が40〜70歳の5歳刻みの女性を対象に骨粗鬆症検診を行っている

骨密度が低いほど骨折が起こりやすく、65歳以上の女性では検査を受けることで太ももの付け根の骨折がやや減ったことが、比較試験のまとめで報告されています。米国の指針(2025年)はこの結果をもとに65歳以上の女性に検査を勧めていますが、男性や若い年代で検査に意味があるかは、まだ確かめられていません。

骨密度の数値は何を表している?

骨密度は、骨にカルシウムなどのミネラルがどれだけ詰まっているかを測った値です。結果は、若い成人の平均と比べてどれだけ低いかを表すTスコア(標準偏差という散らばりの単位で表した差)で示されることが多く、−2.5を下回ると骨粗鬆症の範囲とされます。

測り方にはいくつかあります。腰の骨や太ももの付け根を弱いX線で測る方法(DXA)が、研究や診断で基準として使われています。かかとに超音波を当てる方法は手軽ですが、厚生労働省の検討会では、診断には使わないとされていることから精度に疑問があるという意見が出ています。

数値が低いと、何が起こりやすい?

2005年に、日本の広島を含む12の研究集団、約3万9,000人の男女を最長16年追った研究のまとめが報告されました。太ももの付け根の骨密度が標準偏差1つ分低いと、65歳では、その部分の骨折が男性で2.94倍、女性で2.88倍になっていました。骨密度と骨折との関係は、男女でほぼ同じでした。

背骨や手首などを含む骨粗鬆症による骨折全体では、標準偏差1つ分で約1.4倍でした。かかとの超音波などで測った値は、DXAより骨折を見分ける力がやや劣っていました。

年齢とともに、どれくらい減る?

米国で日本人119人を含む女性862人を10年追った研究(SWAN)では、骨密度は最後の月経の1年前から減り始め、2年後まで最も速く減っていました。10年間で腰の骨は10.6%減り、そのうち7.38%はこの約3年間の減少でした。日本人と中国人の女性は、ほかの女性より減り方が速くなっていました。

日本の住民を調べたROAD研究では、2015〜2016年の調査で、70歳以上の女性の38.8%が腰の骨か太ももの付け根のどちらかで骨粗鬆症の範囲にありました。10年前の48.9%からは下がっています。男性で腰の骨が骨粗鬆症の範囲にある人は1.4%でした。

検査を受けると、骨折は減る?

米国予防医学専門委員会(USPSTF)の依頼による2025年のまとめは、欧州の女性4万2,009人が参加した3つの比較試験を分析しています。参加者の平均年齢は71〜76歳で、検査を受ける組と、ふだんどおりの診療を受ける組に分けました。検査の組では、太ももの付け根の骨折が17%、骨粗鬆症による主な骨折が6%少なくなっていました。検査を受けた1,000人あたりでは、骨折が5〜6件少ない計算です。

3つのうち英国の試験(SCOOP)では、70〜85歳の女性1万2,483人を5年間追いました。試験の主な問いだった骨粗鬆症による骨折全体では、はっきりした差は出ませんでした。一方、太ももの付け根の骨折は28%少なく、検査による不安や暮らしの質の悪化は見られませんでした。

この試験では、まず質問票で骨折の危険を見積もり、高い人だけ骨密度を測って、治療を勧めています。骨密度の測定だけで骨折が減るかを調べた試験はありません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
骨密度が低いと骨折が多いか(12の研究集団・約3万9,000人の追跡)根拠 初期標準偏差1つ分で、65歳の太ももの付け根の骨折が約3倍
閉経前後で骨密度はどれくらい減るか(女性862人・10年)根拠 初期最後の月経の前後3年で大きく減る。日本人は減り方が速い
検査を受けると骨折が減るか(3つの比較試験のまとめ・4万2,009人)根拠 確立太ももの付け根の骨折が17%少ない。1,000人あたり5〜6件
骨粗鬆症による骨折全体(英国の比較試験・1万2,483人)根拠 有望主な問いでは差なし。太ももの付け根の骨折は28%少ない
男性・65歳未満の女性で検査に意味があるか根拠 話題比較試験がなく、分かっていない
運動で骨密度は増えるか(閉経後の女性・53試験のまとめ)根拠 確立筋トレを中心に、わずかに増える

何歳から受ければよい?

米国の指針は、65歳以上の女性と、65歳未満でも骨折しやすい条件のある閉経後の女性に、検査を勧めています。男性については、利益と不利益を比べられるだけの根拠がないとしています。

日本では、健康増進法にもとづく骨粗鬆症検診として、市区町村が40・45・50・55・60・65・70歳の女性に、問診と骨量の測定を行っています。閉経前後に骨密度が大きく減ることを考えると、閉経の前後に一度測っておくと、その後の変化を比べやすくなります。

骨のための運動については、閉経後の女性の53の比較試験をまとめた解析があります。筋トレ、またはジャンプなどの衝撃を加える運動との組み合わせで、腰の骨と太ももの付け根の骨密度がわずかに増えたと報告されています。

まだ分かっていないこと検査で骨折が減ったという比較試験は、欧州の平均70歳代の女性だけが対象で、男性や50〜60代の女性、日本人で同じ結果になるかは分かりません。どの試験も質問票による見積もりと骨密度の測定、その後の治療を組み合わせた方法で、骨密度を測るだけの効果は調べられていません。英国の試験は、主な問いである骨折全体では差が出ませんでした。骨密度と骨折の関係を示した研究は観察研究で、2007年に訂正が出ています。閉経前後の変化を調べた研究の日本人は119人と少数です。運動の解析は骨密度の変化を見たもので、骨折が減るかまでは分かっていません。

結果を受け取ったら、どうすればよいか

骨密度の結果は、年齢や体格、骨折したことがあるかどうかと合わせて見ることが大切です。骨粗鬆症の範囲と言われた方や、精密検査を勧められた方は、医師に相談してください。

今日からできること
  • 40〜70歳の女性は、住んでいる市区町村の骨粗鬆症検診の対象年齢と受け方を確認する
  • 結果を受け取ったら、Tスコアの値と、どの部位をどの方法で測ったかを控えておく
  • 閉経が近い方や閉経後の方は、前回の結果と比べて変化を見る
  • 骨粗鬆症の範囲と言われた方、精密検査を勧められた方、軽い転倒で骨折したことがある方は、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
骨密度と骨折の追跡研究のまとめ(J Bone Miner Res 2005)日本の広島を含む12の研究集団、男性9,891人・女性2万9,082人を最長16.3年追跡。DXAで測った太ももの付け根の骨密度が標準偏差1つ分低いと、65歳で大腿骨近位部骨折が男性2.94倍・女性2.88倍。骨粗鬆症による骨折全体では男性1.41倍・女性1.38倍。超音波などの末梢の測定はDXAより予測力がやや低い。2007年に訂正あり
SWAN(J Bone Miner Res 2012)米国の閉経前〜閉経移行期の女性862人(日本人119人・中国人117人を含む)。骨密度は最後の月経の1年前から減り始め、2年後から減り方が緩やかに。10年間の腰椎の減少10.6%(うち閉経前後の約3年で7.38%)、大腿骨頸部9.1%(同5.8%)。BMIが高いと減り方が遅く、日本人・中国人では速い
ROAD研究(J Bone Miner Metab 2022)日本の住民を対象にDXAで測定。2005〜2007年1,690人(平均65.2歳)と2015〜2016年1,906人(平均65.0歳)を比較。腰椎の骨粗鬆症の割合は13.6%から9.7%(女性19.2%から13.9%、男性3.4%から1.4%)。70歳以上の女性で腰椎か大腿骨頸部が骨粗鬆症の範囲にある割合は48.9%から38.8%
USPSTFのためのまとめ(JAMA 2025)検査の比較試験3本(ROSE・SCOOP・SOS、欧州の女性4万2,009人、平均・中央値71〜76歳)。大腿骨近位部骨折の相対リスク0.83、骨粗鬆症による主な骨折0.94。検査1,000人あたり5〜6件の骨折減少。骨折を予測する質問票の判別能(AUC)はおおむね0.60〜0.80。骨密度の測定だけの検査、男性、若い女性の試験はなし。資金: 米国医療研究品質庁(AHRQ)。利益相反なし
SCOOP(Lancet 2018)英国の70〜85歳の女性1万2,483人、5年間。質問票(FRAX)で危険を見積もり、高い人に骨密度測定と治療の推奨(14%に推奨)。主要評価項目(骨粗鬆症による骨折全体)はハザード比0.94で有意差なし。大腿骨近位部骨折は0.72。死亡・不安・生活の質に差なし。資金: Arthritis Research UK、英国医学研究会議
USPSTFの推奨(JAMA 2025)65歳以上の女性への検査を推奨(B)。65歳未満の閉経後の女性で骨折の危険が高い人にも推奨(B)。男性は根拠が不十分で判断できない(I)
運動の強さと骨密度のまとめ(Bone 2021)健康な閉経後の女性の比較試験53本(63の運動)。腰椎の骨密度の差は高強度0.031g/cm²、中強度0.012、低強度0.010。大腿骨頸部は低・中強度で0.011。筋トレ(衝撃を加える運動との組み合わせを含む)が最も有効とみられる。骨折への効果は今回の結果からは言えない
厚生労働省の検討会資料(2025)健康増進法にもとづく骨粗鬆症検診は、40・45・50・55・60・65・70歳の女性を対象に、問診と骨量測定を行う。検討会では、超音波による測定は診断には用いないとされ精度に疑問があるとの意見も出ている
出典
  1. US Preventive Services Task Force; Nicholson WK, et al. Screening for Osteoporosis to Prevent Fractures: US Preventive Services Task Force Recommendation Statement. JAMA. 2025. PMID 39808425
  2. Kahwati LC, et al. Screening for Osteoporosis to Prevent Fractures: A Systematic Evidence Review for the US Preventive Services Task Force. JAMA. 2025. PMID 39808441
  3. Shepstone L, et al. Screening in the community to reduce fractures in older women (SCOOP): a randomised controlled trial. Lancet. 2018. PMID 29254858
  4. Johnell O, et al. Predictive value of BMD for hip and other fractures. J Bone Miner Res. 2005. PMID 15940371
  5. Greendale GA, et al. Bone mineral density loss in relation to the final menstrual period in a multiethnic cohort: results from the Study of Women's Health Across the Nation (SWAN). J Bone Miner Res. 2012. PMID 21976317
  6. Yoshimura N, et al. Trends in osteoporosis prevalence over a 10-year period in Japan: the ROAD study 2005-2015. J Bone Miner Metab. 2022. PMID 36038673
  7. Kistler-Fischbacher M, et al. The effect of exercise intensity on bone in postmenopausal women (part 2): A meta-analysis. Bone. 2021. PMID 33357834
  8. 厚生労働省. 第9回 労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会 資料3「骨粗鬆症検査について」. 2025. リンク
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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