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アスタキサンチンは肌にいい? 飲む試験のまとめと、結果が分かれる理由

結論は、アスタキサンチンを飲むと肌のうるおいや弾力が保たれたとする比較試験はあるものの、まとめた解析の結果は分かれており、しわへの効果ははっきりしていない、というものです。サケやエビの赤い色のもとになる成分で、試験の多くは日本の少人数の試験で、原料メーカーの資金で行われています。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.11.05更新 2026.11.05
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 9本の比較試験をまとめた2021年の解析では、肌の水分量と弾力に偽薬との差があり、しわの深さには差がなかったと報告されている
  • 2022年と2025年の、サプリ全体を比べた別のまとめでは、アスタキサンチンの肌への効果は「根拠が足りない」と判断された
  • 試験の多くは日本の健康な女性を対象にした少人数・短期間の試験で、原料メーカーの資金によるものが多い
  • 24週程度までの試験では重い副作用は報告されていない。日焼け止めの代わりになるかは調べられていない

アスタキサンチンを飲んだ人で、肌の水分量や弾力が保たれたとする比較試験はあります。ただ、試験をまとめた解析の結論は分かれており、しわが浅くなるかははっきりしていません。

アスタキサンチンは、サケやイクラ、エビ、カニの赤い色のもとになる色素で、カロテノイド(植物や藻がつくる黄色〜赤色の色素のなかま)の一つです。体の中で酸化を抑える働きが、動物や細胞の実験で調べられてきました。人の肌で何が確かめられているかを、比較試験とそのまとめから整理しました。

飲むと、肌のうるおいや弾力は変わる?

2021年に中国と英国の研究チームが、飲む形のアスタキサンチンを調べた9本の比較試験(くじ引きで組に分け、片方には見た目の同じ偽薬を飲んでもらって比べる方法)をまとめました。偽薬と比べて、肌の水分量と弾力には統計的にはっきりした差が出ていました。しわの深さには、はっきりした差は出ていませんでした。弾力の結果は試験ごとのばらつきが大きかったとされています。

日本の試験の例を見ると、65人の健康な女性に16週間、1日6mgか12mg、または偽薬を飲んでもらった試験があります。8月から12月の、紫外線と乾燥が続く時期に行われました。偽薬の組では、しわの指標と肌の水分量が16週で悪くなっていましたが、アスタキサンチンの組では大きな変化がありませんでした。この結果は組ごとに始めと終わりを比べたもので、組どうしを直接比べた結果ではない点に注意が必要です。資金は原料メーカーが出しています。

紫外線への強さは変わる?

日本人23人を対象にした10週間の試験では、1日4mgを飲んだ組で、肌が赤くなるのに必要な紫外線の量が偽薬の組より多くなっていたと報告されています。紫外線を当てた場所で、肌の水分が失われにくかったという結果もありました。ただし人数が少なく、研究者は資金を出した原料メーカーの社員です。日焼け止めの代わりになるかを調べた試験はありません。

サプリ全体と比べると、どの位置づけ?

肌のサプリを幅広く比べたまとめでは、アスタキサンチンの評価は控えめです。2022年に66本の比較試験をまとめた解析では、肌のうるおいについて、コラーゲンやセラミドなどは偽薬との差があったのに対し、アスタキサンチンは「はっきりした差はなく、勧める根拠は足りない」と判断されました。

2025年に、紫外線による肌の老化について40本の比較試験をまとめた解析でも、アスタキサンチンは「勧めるには根拠が足りない」とされています。同じ成分でも、どの試験を含めるか、何を測るかで結論が変わっていることが分かります。

試験の結果を読むときの注意点は?

2021年に11本の臨床研究を調べたレビューは、多くの試験で肌のきめや水分量が改善したとしつつ、試験の多くが少人数で、日本の健康な女性を対象にしたものだと指摘しました。企業の資金による試験が多く、その影響を分析で差し引くのは難しかったとも書いています。量は1日3〜6mgで試された例が多く、重い副作用は報告されていませんでした。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
肌の水分量(9本の比較試験のまとめ・2021年)根拠 有望偽薬より高い。差は中くらい
肌の弾力(同じまとめ)根拠 有望偽薬より高い。試験ごとのばらつきが大きい
しわの深さ(同じまとめ)根拠 有望偽薬とはっきりした差なし
肌のうるおい(66本の比較試験のまとめ・2022年)根拠 有望はっきりした差なし。根拠は足りない
紫外線による肌の老化(40本の比較試験のまとめ・2025年)根拠 有望勧めるには根拠が足りない
紫外線で肌が赤くなりにくいか(日本人23人の試験)根拠 有望赤くなるのに必要な紫外線の量が増えた
まだ分かっていないこと試験の多くは日本の健康な女性を対象にした数十人規模の試験で、期間は6〜16週ほどです。男性や60代以上、肌の悩みのある人で同じ結果になるかは分かっていません。原料メーカーの資金や社員による試験が多く、レビューの著者もその影響を差し引けなかったとしています。まとめた解析どうしで結論が分かれており、しわへの効果ははっきりしていません。16週の試験では、組どうしを直接比べた結果が抄録に示されていません。半年を超えて飲み続けたときの効果や安全性、日焼け止めの代わりになるかも調べられていません。

では、どう考えればよいか

アスタキサンチンは、肌のうるおいや弾力について有望な試験がある一方で、まとめた解析の結論がそろっていない成分です。紫外線による肌の老化に対しては、日焼け止めや帽子のように、効果が確かめられた方法を先に続けるのが基本です。サプリを試す場合も、肌の変化は数か月単位で見て、ほかの対策の代わりにはしないことをお勧めします。

今日からできること
  • 紫外線による肌の老化には、まず日焼け止めや帽子、日傘を続ける
  • サケやエビ、イクラなどを、ふだんの食事の魚料理の一つとして取り入れる
  • サプリを試す場合は、試験で使われた量(1日3〜6mg程度)を目安にし、数か月単位で肌の変化を見る
  • 持病のある方、薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、サプリを始める前に医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
9本の比較試験のまとめ(Nutrients 2021)飲む形の比較試験9本と、塗る・飲むと塗るの組み合わせのオープン試験2本を調べた系統的レビューとメタ解析。偽薬と比べて肌の水分量(標準化平均差0.53)と弾力(0.77、ばらつきI²=75%)が改善、しわの深さは有意差なし(-0.26)。著者は利益相反なしと開示。中南林業科技大学・英リーズ大学ほか
66本の比較試験のまとめ(Front Nutr 2022)健康な大人を対象に、肌のうるおいを調べたサプリの比較試験66本(2000〜2021年)。コラーゲン・セラミドで水分量の増加と水分の蒸発の減少、ヒアルロン酸・プロシアニジンで水分量の増加。アスタキサンチンは下位の解析で角層の水分量に有意な改善なし。24週以内の試験ではいずれも安全とされた。著者の1人は製薬会社の社員
40本の比較試験のまとめ(Front Med 2025)健康な大人を対象に、紫外線による肌の老化を調べたサプリの比較試験40本(2024年10月までの文献)。コラーゲン・フラバノール・ポリフェノールでは改善、ヒアルロン酸・リコピン・カロテノイドでは有意な改善なし。アスタキサンチンなどは勧めるには根拠不十分。著者は利益相反なしと開示
11本の臨床研究のレビュー(J Diet Suppl 2021)比較試験6本とオープン試験5本。多くの比較試験で肌のきめ・しわの見た目・水分量が改善したと報告。重い有害事象なし。多くが少人数で日本の健康な女性を対象とし、企業の資金による試験が多いと指摘。1日3〜6mgで試された
日本の女性65人・16週の試験(J Clin Biochem Nutr 2017)健康な女性65人に1日6mg・12mg・偽薬を16週。8〜12月に実施。偽薬の組でしわの指標と肌の水分量が悪化し、アスタキサンチンの組では有意な変化なし(組ごとの前後比較)。資金は原料メーカー
日本人23人・10週の試験(Nutrients 2018)健康な日本人23人に1日4mgか偽薬を10週。9週後、肌が赤くなるのに必要な紫外線の量(最小紅斑量)が偽薬より増え、紫外線を当てた場所の水分の低下が少なかった。研究者は資金を出した企業の社員
出典
  1. Zhou X, et al. Systematic Review and Meta-Analysis on the Effects of Astaxanthin on Human Skin Ageing. Nutrients. 2021. PMID 34578794
  2. Sun Q, et al. Effectiveness of Dietary Supplement for Skin Moisturizing in Healthy Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Front Nutr. 2022. PMID 35719159
  3. Yang Q, et al. Effectiveness of dietary supplements for skin photoaging in healthy adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Front Med (Lausanne). 2025. PMID 40761858
  4. Ng QX, et al. Effects of Astaxanthin Supplementation on Skin Health: A Systematic Review of Clinical Studies. J Diet Suppl. 2021. PMID 32202443
  5. Tominaga K, et al. Protective effects of astaxanthin on skin deterioration. J Clin Biochem Nutr. 2017. PMID 28751807
  6. Ito N, et al. The Protective Role of Astaxanthin for UV-Induced Skin Deterioration in Healthy People-A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial. Nutrients. 2018. PMID 29941810
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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