自宅のソファでくつろぐ40代の男性

トップ / サプリ・成分

サプリ・成分

アシュワガンダの効果は本当? 眠り・ストレスの比較試験と肝臓への影響

結論は、眠りやストレスの点数がよくなったという比較試験のまとめはあるものの、試験は小規模で結果のばらつきも大きく、確かな答えにはなっていないということです。一方で、飲んだあとに肝臓を傷めたという報告が世界で積み重なっており、肝臓の病気がある人では亡くなった例もあります。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.11.07更新 2026.11.07
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 5本の比較試験・400人のまとめでは、眠り全体の点数が偽薬よりよくなったと報告されている。差は小〜中くらい
  • 9本の比較試験・558人のまとめでは、ストレスの感じ方の点数と血液中のコルチゾールが偽薬より下がっていた
  • どのまとめも試験の数が少なく、期間は数週間〜数か月。長く飲んだときの安全性は分かっていない
  • 数週間飲んだあとに肝臓を傷めた例が報告されている。肝臓の病気がある人では、亡くなった例や肝移植に至った例もある

アシュワガンダの抽出物で、眠りやストレスの点数がよくなったという比較試験のまとめは、いくつか報告されています。ただし、もとになる試験は数本から20本ほどで人数も少なく、根拠はまだ固まっていません。

安全面では、飲んだあとに肝臓を傷めたという報告が続いています。試す前に、良い報告と気をつけたい報告の両方を知っておく必要があります。

アシュワガンダとは何?

アシュワガンダは、インドの伝統医学(アーユルヴェーダ)で使われてきた植物です。学名はウィザニア・ソムニフェラといい、サプリとしても広く売られています。人での研究の多くは、抽出物を数週間から数か月飲んでもらう比較試験(くじ引きで組に分け、片方には偽薬を飲んでもらって比べる方法)です。

眠りへの影響は、どこまで分かっている?

2021年に、マレーシアの大学の研究チームが、18歳以上を対象にした5本の比較試験・400人分をまとめました。眠り全体の点数は、偽薬の組よりよくなっていました。差の大きさは、統計の目安で小〜中くらいです。差は、不眠と診断された人、1日600mg以上を飲んだ組、8週間以上続けた組で大きく出ていました。朝起きたときのすっきり感もよくなっていましたが、生活の質の点数には差がありませんでした。

2024年には、パキスタンの研究チームが、不安や不眠のある人を対象にした5本の比較試験・254人をまとめています。寝つくまでの時間や眠っていた時間の合計、睡眠の質の点数は偽薬よりよくなっていました。夜中に目が覚めている時間には差がありませんでした。不安の点数も下がっていましたが、試験ごとの結果のばらつきが非常に大きかったと書かれています。

ストレスへの影響は?

2024年にインドの研究チームがまとめた9本の比較試験・558人では、ストレスの感じ方を測る点数が偽薬より下がっていました。ストレスで増えるとされるホルモンのコルチゾールも、血液中の値が下がっていました。2026年には、22本の比較試験をまとめた解析も出ています。ストレスや不安、気分の落ち込みの点数がよくなっていたほか、飲む量が多いほどストレスの点数の差が大きい傾向も報告されました。ただ、著者自身が、試験ごとの違いが大きく、質の高い試験で確かめる必要があると書いています。

肝臓を傷めたという報告は、どのくらいある?

2026年に米国の研究チームが、世界の症例報告を整理しました。13本の報告に、合わせて25人が載っていました。多くは数週間飲んだあとに、黄疸(皮膚や白目が黄色くなること)やかゆみが出ていました。ほとんどの人は飲むのをやめて回復しましたが、回復まで数週間から数か月かかっています。肝移植が必要になった人が1人、もともと肝硬変があり亡くなった人が3人いました。

インドの複数の病院からの報告(2023年)では、アシュワガンダだけを含む製品で肝臓を傷めた8人のうち5人に、もともと肝臓の病気がありました。そのうち3人は肝臓の働きが急に悪くなり、全員が亡くなっています。製品を調べたところ、混ぜ物や汚染は見つからなかったとされています。症例報告からは、どのくらいの割合で起きるかは分かりませんが、肝臓の病気がある人は避けるよう勧められています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
眠り全体の点数(5本の比較試験・400人のまとめ、2021年)根拠 有望偽薬よりよくなった。差は小〜中くらい
寝つくまでの時間・眠っていた時間(不安や不眠のある人、5本の比較試験・254人、2024年)根拠 有望偽薬よりよくなった。夜中に目が覚めている時間は差なし
ストレスの感じ方の点数・血液中のコルチゾール(9本の比較試験・558人、2024年)根拠 有望偽薬より下がった
ストレス・不安・気分の落ち込みの点数(22本の比較試験のまとめ、2026年)根拠 有望よくなったと報告。試験ごとの違いが大きい
生活の質の点数(2021年のまとめ)根拠 有望差なし
肝臓を傷めた例(症例報告13本・25人の整理、2026年)根拠 初期多くは数週間で発症し、やめて回復。肝臓の病気がある人で死亡例あり
まだ分かっていないことどのまとめも、もとになる試験の数が少なく、1本あたりの人数は平均すると50〜80人ほどです。2024年の不安と不眠のまとめでは、試験ごとの結果のばらつきを示す値(I²)が98%と非常に大きく、まとめた数字の確かさは高くありません。試験の期間は数週間から数か月で、長く飲み続けたときの安全性は分かっていません。使われた抽出物の種類や量も試験ごとに違い、どの量が適切かは決まっていません。2026年の22試験のまとめは、まとめた数字の大きさが通常よりかなり大きく、解釈には注意が必要です。個々の試験の資金の出どころは、まとめの抄録からは確認できませんでした。肝臓を傷める例は症例報告であり、どのくらいの割合で起きるのか、誰に起きやすいのかは分かっていません。

では、どうすればよいか

眠りやストレスへの働きは、小規模な試験で報告されている段階です。試すかどうかを考えるときは、まず睡眠の時間や寝る前の過ごし方など、生活の側から見直してみてください。飲む場合は、だるさや食欲の低下、皮膚や白目が黄色くなるといった変化が出たら、すぐにやめて医療機関を受診することが大切です。

今日からできること
  • 眠りやストレスが気になるときは、まず睡眠の時間や寝る前の過ごし方を見直す
  • 肝臓の病気がある人、肝臓の数値が高いと言われたことがある人は、飲む前に医師に相談する
  • 妊娠中・授乳中の人、持病で薬を飲んでいる人も、飲む前に医師か薬剤師に相談する
  • 飲んでいる間に、だるさや皮膚・白目の黄ばみ、強いかゆみが出たら、飲むのをやめて医療機関を受診する。受診の際は、飲んでいたサプリを伝える
  • 眠れない状態や気分の落ち込みが続くときは、サプリで様子を見ずに医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
眠りの比較試験5本のまとめ(PLoS One 2021)18歳以上を対象にアシュワガンダの抽出物と偽薬を比べた比較試験5本・400人。眠り全体に小さいが有意な効果(標準化平均差 -0.59、I²=62%)。不眠と診断された人、1日600mg以上、8週間以上の組で効果が大きい。起床時のすっきり感と不安の程度も改善、生活の質は差なし。重い副作用の報告はないが、長期の安全性のデータは限られる。マレーシア科学大学。著者は利益相反なしと開示
不安と不眠の比較試験5本のまとめ(Hum Psychopharmacol 2024)不安や不眠のある人を対象に偽薬と比べた比較試験5本・254人(2023年8月までの文献)。ハミルトン不安評価尺度が平均5.96点低下(I²=98%)。入眠までの時間・総睡眠時間・睡眠の質の点数(PSQI)・睡眠効率は改善、中途覚醒時間と床にいた時間は差なし。著者はより大きな試験が必要としている。パキスタンの大学
ストレスと不安の比較試験9本のまとめ(Explore 2024)2000年1月〜2022年1月の比較試験9本・558人。知覚ストレス尺度が平均4.72点、ハミルトン不安評価尺度が2.19点、血清コルチゾールが2.58低下(いずれも偽薬との差)。4本の試験で軽度〜中等度の有害事象を報告。長期の安全性は今後の情報が必要。インドの大学など
精神面の比較試験22本のまとめ(Complement Ther Med 2026)成人を対象にした比較試験22本。ストレス・抑うつ・不安の点数が有意に改善し、ストレスでは量との関連(直線・非直線とも)があった。著者はばらつきが大きく、質の高い試験で量と期間を確かめる必要があるとしている。標準化平均差が-5〜-7と通常より大きく、解釈には注意が要る。著者は利益相反なしと開示
肝障害の症例報告の整理(Cureus 2026)2025年12月までの査読つきの症例報告13本・25人。多くは数週間の服用後に発症し、胆汁うっ滞型または混合型が中心で、黄疸とかゆみが多い。大半は中止後、数週間〜数か月で回復。急性肝不全で肝移植1人、肝硬変のあった人で死亡3人。進んだ慢性肝疾患のある人は避けるべきとしている。著者は資金の提供なしと開示
インドの肝障害の症例集(Hepatol Commun 2023)2019年1月〜2022年12月に複数施設で確認したアシュワガンダによる肝障害23人のうち、単一成分の製品による8人を報告。男性が多く、胆汁うっ滞型の肝炎が最多。5人に慢性肝疾患があり、3人が急性の肝不全となり全員死亡。製品の化学分析では混入や汚染は見られなかった。著者は利益相反なしと開示
出典
  1. Cheah KL, et al. Effect of Ashwagandha (Withania somnifera) extract on sleep: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2021. PMID 34559859
  2. Fatima K, et al. Safety and efficacy of Withania somnifera for anxiety and insomnia: Systematic review and meta-analysis. Hum Psychopharmacol. 2024. PMID 39083548
  3. Arumugam V, et al. Effects of Ashwagandha (Withania Somnifera) on stress and anxiety: A systematic review and meta-analysis. Explore (NY). 2024. PMID 39348746
  4. Alsanie SA, et al. Effects of ashwagandha (Withania somnifera) on mental health in adults: A systematic review and dose-response meta-analysis of randomized controlled trials. Complement Ther Med. 2026. PMID 41644067
  5. McIntyre D, et al. Ashwagandha (Withania somnifera)-Associated Liver Injury: A Scoping Review of Clinical Characteristics and Safety Considerations. Cureus. 2026. PMID 42367407
  6. Philips CA, et al. Ashwagandha-induced liver injury-A case series from India and literature review. Hepatol Commun. 2023. PMID 37756041
無料動画セミナーのサムネイル
動画 約15分
特集・無料動画セミナー若返り研究の最前線にある「幹細胞」。いま、どこまで来ている?

15分の無料動画で、幹細胞の仕組みと最新の研究、受けられる場所や費用の考え方までお伝えします。

この記事は役に立ちましたか?

この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。

次に読む

ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

よく読まれている記事

  1. シューマッハ氏の近況報道と、幹細胞治療について分かっていること
  2. マレーシアで受ける幹細胞点滴のご案内
  3. 半月板の再生医療「セイビスカス注」承認、誰がいつ受けられる?
  4. Muse細胞はいまどうなっている?開発中止の背景と研究の現在地
  5. 自分の脂肪から採る幹細胞、利点と限界は?自家と他家の比べ方
健康長寿のニュースを、メールで

世界の研究と話題から、編集部が選んだ記事をお届けします。