明るい運動施設で軽いダンベルを持って体を動かす60代の男性

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ヨガの効果は本当? 中高年のバランス・筋力・柔軟性を比較試験のまとめで確かめる

結論は、ヨガで中高年のバランスや脚の筋力、柔軟性がよくなったと比較試験のまとめで報告されている一方、一つひとつの試験は小さく、ほかの運動より優れているとまでは言えないということです。転ぶ回数や骨密度への影響は、はっきりしていません。60歳以上を中心に、変わったことと変わらなかったこと、気をつけたい姿勢を整理しました。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.11.08更新 2026.11.08
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 60歳以上の15の比較試験のまとめで、ヨガをした組はバランス・柔軟性・筋力の検査の成績がよくなったと報告されている
  • 65歳以上の33の比較試験のまとめでは、歩く速さと脚の筋力・持久力の改善は「中程度の確かさ」。ただし、ほかの運動と比べた利点は示されていない
  • 2026年のまとめでは、発表されにくい研究を補正すると、動きの中のバランスの改善ははっきりしなくなった
  • 転ぶ回数や骨密度が変わるかは、まだ分かっていない
  • まとめた比較試験では、ヨガの体の不調はふだんの運動と同じ程度。逆立ちや強い呼吸法での不調が症例として報告されている

ヨガを続けた60歳以上の人では、バランスや脚の筋力、柔軟性の検査の成績がよくなったことが、比較試験のまとめで報告されています。ただし、試験の多くは小規模で、ウォーキングや筋トレのようなほかの運動より優れているかは分かっていません。

ヨガで、中高年の体は何が変わる?

2023年に、60歳以上を対象にした15の比較試験(くじ引きで組を分けて比べる試験)をまとめた解析が発表されました。香港の研究チームによるものです。

ヨガをした組は、何もしない組などと比べて、バランスの検査の成績がよくなっていました。体の柔らかさと筋力、気分の落ち込みの程度でも、よい方向の差が報告されています。一方、歩き方やストレスへの影響は、研究が少なく結論が出ていません。研究チームは、試験ごとの結果のばらつきが比較的大きいことも書いています。

ほかの運動と比べると、どうだった?

同じ2023年には、米国の研究チームが、65歳以上を対象にした33の比較試験、2,384人分をまとめました。虚弱(年齢とともに体力が落ち、介護が必要になりやすい状態)の目安になる、歩く速さや筋力を調べたものです。

健康教室や何もしない組と比べると、ヨガで歩く速さと、脚の筋力・持久力がよくなる根拠は「中程度の確かさ」とされました。バランスと体の動きの総合的な検査は「低い確かさ」、握力は「とても低い確かさ」です。

一方、ほかの運動をした組と比べた場合は、ヨガのほうがよいとは言えない、とまとめています。使われたヨガは、椅子に座って行う方法やゆっくりした流派が中心でした。

新しいまとめでは、結果は変わった?

2026年に発表されたまとめは、21の研究、1,471人分を集めています。最初の解析では、動きの中のバランス、脚の筋力、暮らしの質がよくなっていました。じっと立つときのバランスには、はっきりした差がありませんでした。

ただ、よい結果の出た研究ほど発表されやすいという偏りを統計で補正すると、動きの中のバランスの差ははっきりしなくなりました。脚の筋力の差も小さくなり、ぎりぎりの水準になっています。暮らしの質の改善は、補正のあとも変わりませんでした。週に何回、1回何分がよいかを決めるだけの根拠は得られていません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
バランスの検査(60歳以上・15の比較試験のまとめ)根拠 有望よくなった。試験ごとのばらつきが比較的大きい
柔軟性・筋力(同じまとめ)根拠 有望よくなった
歩く速さ・脚の筋力と持久力(65歳以上・33の比較試験のまとめ)根拠 有望健康教室などと比べて改善。中程度の確かさ。ほかの運動より優れるとは言えない
動きの中のバランス・脚の筋力(21研究のまとめ、2026年)根拠 初期最初は改善。発表の偏りを補正すると、バランスは差がはっきりせず、筋力はぎりぎり
転ぶ回数・転ぶことへの不安(健康な人・18の比較試験のまとめ)根拠 初期試験によって結果が分かれる
骨密度(同じまとめ・2試験)根拠 初期はっきりした差なし
体の不調(94の比較試験のまとめ)根拠 有望ふだんどおりの生活やほかの運動と同じ程度

転びにくくなる? 骨は強くなる?

2025年には、健康な人を対象にした18の比較試験、1,408人分のまとめが出ました。ヨガでバランスがよくなったという結果が多く、根拠の確かさは「低い」とされています。太極拳と比べた試験では、同じ程度でした。

一方、実際に転ぶ回数や転ぶことへの不安への影響は、試験によって結果が分かれました。骨密度を調べた2つの試験をまとめた解析では、はっきりした差は出ていません。

ヨガで体を痛めることはある?

2015年に、体の不調を記録した94の比較試験、8,430人分をまとめた解析があります。ヨガの組で起きた不調の頻度は、ふだんどおりの生活やほかの運動の組と差がありませんでした。健康教室の組と比べると、軽い不調はヨガの組で多くなっていました。

2026年には、ヨガのあとに起きた不調の症例報告を集めたまとめも出ています。84件のうち4割は筋肉や関節、2割近くは目の不調でした。逆立ちのポーズと、強く息を吐く呼吸法が多く挙がっています。半数余りの人には、もともと持病などの弱い点がありました。

まだ分かっていないことまとめに含まれた試験の多くは人数が少なく、ヨガの流派や1回の時間、続けた期間がばらばらでした。2026年のまとめでは、よい結果の出た研究ほど発表されやすい偏りを補正すると、バランスや筋力の改善が小さくなり、試験の結果を少し割り引いて見る必要があります。ほかの運動と比べた試験では、ヨガのほうがよいとは示されていません。転ぶ回数や骨密度、要介護になる割合のような、暮らしに直結する結果への影響は分かっていません。体の状態を測る人が、参加者がどちらの組かを知っていた試験もあり、結果に偏りが入る余地があります。参加者の多くは海外の人で、日本人に当てはまるかも確かめられていません。なお、2023年の米国のまとめは専用の資金なしで行われ、ほかの3本のまとめの著者は利益相反なしと開示しています。

では、どう取り入れればよいか

ヨガがほかの運動より優れているという根拠はありませんが、体を動かす方法の一つとして、バランスや脚の筋力によい変化が報告されています。無理のない姿勢から始め、ウォーキングや筋トレと組み合わせるのも一つの方法です。

今日からできること
  • 始めるなら、椅子を使うヨガや、ゆっくりした初心者向けのクラスから選ぶ
  • 逆立ちのポーズや、強く息を吐く呼吸法は、慣れるまで避ける
  • 痛みが出るところまで体を曲げたり伸ばしたりしない
  • 目の病気(緑内障など)や高血圧、首・腰・膝に持病のある人は、始める前に医師に相談し、教える人にも伝える
  • ヨガだけにこだわらず、ウォーキングや筋トレと組み合わせて体を動かす
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
地域で暮らす高齢者へのヨガのまとめ(Int J Older People Nurs 2023)60歳以上を対象にした15の比較試験。感度分析のあとで、バランスの標準化平均差0.81、柔軟性0.38、筋力0.49、抑うつ症状0.50。歩き方とストレスは結論が出ず。試験ごとのばらつきが比較的大きい。資金・利益相反は抄録に記載なし
ヨガと高齢者の虚弱のまとめ(Ann Intern Med 2023)65歳以上を対象にした33の比較試験・2,384人。地域で暮らす人、施設の入居者、持病のある人を含む。健康教育や何もしない組と比べて、歩く速さと下肢の筋力・持久力は中程度の確かさで改善、バランスと総合的な身体機能は低い確かさ、握力はとても低い確かさ。ほかの運動と比べた利点は示されず。虚弱の正式な定義を使った試験はなし。資金: なし
ヨガと下肢筋力・バランス・生活の質のまとめ(Exp Gerontol 2026)高齢者の21研究・1,471人(2025年末までの文献)。補正前は動的バランス・下肢筋力・生活の質が改善、静的バランスは差なし。trim-and-fill で補正すると動的バランスは有意差なし、下肢筋力はぎりぎりの水準、生活の質は変わらず。最適な頻度・期間は決められず。著者は利益相反なしと開示
ヨガとバランス・転倒・骨代謝のまとめ(Osteoporos Int 2025)健康な人を対象にした18の比較試験・1,408人。期間は6週〜14か月。何もしない組と比べた4試験の解析で静的バランスが改善(確かさは低い)。太極拳とは同等。転倒と転倒への不安は結果が分かれた。骨密度は2試験の解析で有意差なし。著者は利益相反なしと開示
ヨガの安全性のまとめ(Am J Epidemiol 2015)体の不調を報告した94の比較試験・8,430人。ふだんどおりの生活・ほかの運動と比べて、介入に関連する不調、軽い不調、重い不調、不調による中止に差なし。健康教育などと比べると、軽い不調がヨガの組で多かった(オッズ比7.30)
ヨガのあとの不調の症例報告のまとめ(J Integr Med 2026)70の報告・84件。筋骨格系40%、目19%、心臓・呼吸器14%、神経12%など。逆立ちのポーズ15件、強い呼吸法8件。54%にもともと弱い点があった。完全に回復40%、一部回復27%。症例報告のため頻度は分からない。著者は利益相反なしと開示
出典
  1. Ko KY, et al. Effects of yoga on physical and psychological health among community-dwelling older adults: A systematic review and meta-analysis. Int J Older People Nurs. 2023. PMID 37577926
  2. Loewenthal J, et al. Effect of Yoga on Frailty in Older Adults: A Systematic Review. Ann Intern Med. 2023. PMID 36913687
  3. Guo P, et al. Effects of yoga on lower-extremity muscle strength, balance, and quality of life across diverse older adult populations: A systematic review and Meta-analysis. Exp Gerontol. 2026. PMID 42700826
  4. Bajaj P, et al. Effect of yoga on balance, falls, and bone metabolism: a systematic review of randomized controlled trials in healthy individuals. Osteoporos Int. 2025. PMID 39607489
  5. Cramer H, et al. The Safety of Yoga: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Am J Epidemiol. 2015. PMID 26116216
  6. Sharma S, et al. Yoga and its risks: A systematic review of adverse events reported in case reports and case series. J Integr Med. 2026. PMID 42471295
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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