洗面所の鏡の前で髪に手を当てる50代の日本人男性

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ノコギリヤシのサプリで、薄毛は変わる? 比較試験とまとめで分かったこと

薄毛が気になる男性だけでなく、女性向けのサプリにも入っているノコギリヤシ。飲んで髪に差が出るのかを、偽の錠剤と比べた試験や、複数の試験をまとめた研究から整理しました。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.10.28更新 2026.10.28
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 60人の比較試験では、ノコギリヤシの抽出物を6か月飲んだ組で、偽の錠剤の組より毛の本数と密度が増えたと報告されている。ただし人数が少なく、製造元の抽出物を使った1本の試験
  • サプリの19試験をまとめた2026年の解析では、髪の密度で偽薬との差が確かめられた成分の中に、ノコギリヤシは入っていなかった
  • 男性100人の2年間の試験では、髪が増えた人の割合は、ノコギリヤシで38%、医師が出す飲み薬(フィナステリド)で68%だった
  • 重い副作用は報告されていないが、長く飲んだときの安全性を確かめたデータは少ない

ノコギリヤシを飲んだ人で、毛の本数や密度が増えたとする比較試験はあります。ただ、どれも人数が少なく、複数の試験をまとめた解析でははっきりした差が確かめられていないので、根拠はまだ限られた段階です。

ノコギリヤシは北米に生えるヤシの一種で、その実の抽出物がサプリに使われています。研究者は、薄毛に関わる男性ホルモンの働きを弱める可能性があると考えて調べてきました。

偽の錠剤と比べた試験では、何が分かった?

米国で2025〜2026年に報告された試験では、髪が薄くなったと感じている25〜65歳の男女60人を、くじ引きで2つの組に分けました。40人はノコギリヤシの抽出物を、20人は見た目が同じ偽の錠剤を、毎日6か月飲んでいます。どちらを飲んでいるかは、参加者にも調べる側にも分からないようにしていました。

6か月後、太く育った毛の本数は、ノコギリヤシの組で平均18.6本増え、偽の錠剤の組では10.1本減っていました。髪の密度も、ノコギリヤシの組で増えたと報告されています。治療が原因とみられる副作用は報告されていません。

一方で、この試験には注意点があります。使われたのは特定の製造元の抽出物で、市販のノコギリヤシのサプリすべてに当てはまるとは限りません。参加者の大半は欧米の白人で、日本人での結果は分かっていません。

複数の試験をまとめると、どうなる?

2026年に中国の研究チームが、髪のサプリを調べた比較試験19本、1,658人分をまとめました。対象は男性型の薄毛の人で、16種類のサプリが含まれています。髪の密度で偽薬との差が確かめられたのは、かぼちゃの種の油やりんごの抽出物などでした。ノコギリヤシは、医師が写真を見て判定する評価で点数が高い成分の一つに挙げられていましたが、密度で差が出た成分には入っていませんでした。

2020年の米国のまとめでは、ノコギリヤシを含むサプリや塗り薬の研究7本(比較試験5本を含む)を調べています。髪の状態がよくなったとする報告が多い一方で、多くは他の成分と組み合わせた製品でした。著者らは、ノコギリヤシそのものの働きを確かめる大きな試験が必要だとしています。

医師が出す薬と比べると?

イタリアで、軽度から中等度の薄毛の男性100人を2つの組に分けた試験があります。一方はノコギリヤシを1日320mg、もう一方は医師が出す薄毛の飲み薬(フィナステリド)を、24か月飲みました。写真で比べて髪が増えた人は、ノコギリヤシの組で38%、薬の組で68%でした。どちらを飲んでいるかを伏せない試験で、くじ引きで組を分けたかは抄録に書かれていません。

カナダの研究チームが男性の薄毛の治療をまとめた2026年の解析では、塗るノコギリヤシも差がみられた方法の一つでした。ただし最も差が大きかったのは、5%のミノキシジルの塗り薬でした。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
飲むノコギリヤシと偽の錠剤の比較(60人・6か月)根拠 有望毛の本数と密度が増えたと報告。製造元の抽出物を使った1本の試験
髪のサプリ19試験・1,658人のまとめ根拠 確立髪の密度で差が確かめられた成分にノコギリヤシは入らず。医師の写真判定では点数が高い
ノコギリヤシを含む製品の7研究のまとめ根拠 有望髪の状態がよくなったとする報告が多いが、多くは他の成分との組み合わせ
フィナステリドとの比較(男性100人・24か月)根拠 初期髪が増えた人は38%。薬の組は68%
塗るノコギリヤシ(男性の薄毛の治療のまとめ)根拠 確立差がみられた方法の一つ。最も差が大きいのは5%ミノキシジルの塗り薬
副作用根拠 有望重い副作用の報告はない。長く飲んだときのデータは少ない
まだ分かっていないこと偽の錠剤と比べたノコギリヤシ単独の試験は数が少なく、最も新しい試験も参加者は60人、期間は6か月でした。この試験は特定の製造元の抽出物を使っており、著者は利益相反なしとしていますが、資金の出どころの記載は確認できませんでした。複数の試験のまとめでは、含まれる試験の多くが小規模で、ノコギリヤシを他の成分と組み合わせた製品が中心です。日本人を対象にした質の高い試験は見当たりません。1年を超えて飲み続けたときの効果と安全性、女性の薄毛への効果、サプリをやめたあとに髪がどうなるかも分かっていません。

試してみるなら、何に気をつければよい?

ノコギリヤシのサプリは食品として売られているもので、薬として薄毛への効果が認められたものではありません。研究で使われた量は1日100〜320mgほどで、製品によって含まれる量や成分は大きく異なります。

薄毛には、男性型・女性型の薄毛のほか、甲状腺の病気や貧血、急な体重減少などが関わるものもあります。抜け毛が急に増えたときや、ほかの不調があるときは、サプリを選ぶ前に皮膚科で原因を確認することをおすすめします。

今日からできること
  • ノコギリヤシのサプリは、研究で差が確かめられた段階にはまだないと知ったうえで選ぶ
  • 試す場合は、含まれる量と、ほかに何が入っているかを表示で確かめる
  • 妊娠中・授乳中の方、持病がある方、薬を飲んでいる方は、飲む前に医師か薬剤師に相談する
  • 抜け毛が急に増えた、地肌が目立つようになったと感じたら、皮膚科で原因を確認する。薄毛の薬を使うかどうかは医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
ノコギリヤシの抽出物の比較試験(J Cosmet Dermatol 2025・2026)髪が薄くなったと自覚する25〜65歳の健康な男女60人(男女各30人)。実薬40人・偽薬20人、二重盲検、6か月。180日目に太い毛の本数の変化は実薬+18.6本、偽薬−10.1本、総密度は+25.1対−12.2。閉経後の女性でも本数と密度で偽薬との差。治療に関連する有害事象なし。製造元の抽出物を使用。著者は利益相反なしと開示。ClinicalTrials.gov NCT06920758
髪のサプリ19試験のネットワークメタ解析(Front Nutr 2026)男性型脱毛症の比較試験19本・1,658人、16種類のサプリ。髪の密度で偽薬と差があったのは、複数の植物成分を合わせたサプリ、りんごの抽出物、トコトリエノール、かぼちゃの種の油など。医師の盲検評価ではノコギリヤシの抽出物などが偽薬や従来の治療より高い点数。終毛と軟毛の比には差なし。全体に忍容性は良好。著者は利益相反なし。中国中医科学院など
ノコギリヤシの系統的レビュー(Skin Appendage Disord 2020)比較試験5本と前向きコホート研究2本。1日100〜320mgの飲むもの・塗るもの。髪の質の改善60%、総本数27%増、密度が増えた人83.3%、進行が止まった人52%などの報告。重い有害事象なし。質の高いデータは不足しており、ノコギリヤシ単独の大きな試験が必要。著者は利益相反なし
フィナステリドとの比較(Int J Immunopathol Pharmacol 2012)軽度〜中等度の男性型脱毛症の男性100人。ノコギリヤシ1日320mgとフィナステリド1日1mgを24か月。非盲検。写真の評価で髪が増えた人はノコギリヤシ38%、フィナステリド68%
処方を要しない製品のレビュー(Skin Appendage Disord 2025)評価者を盲検化した対照試験13本。プロシアニジン、セチリジン、カフェイン、米ぬか、かぼちゃの種の油、ローズマリーオイル、ノコギリヤシ、クレソン。髪の密度・太さの一部で改善、有害事象はわずか。より大きな質の高い試験と長期のデータが必要。著者は利益相反なしと開示
男性の薄毛の適応外治療のネットワークメタ解析(Medicina 2026)23研究(適応外15本、ミノキシジル塗り薬8本)。6か月の総密度の変化で、5%ミノキシジルの塗り薬が最も上位。塗るノコギリヤシなども差がみられた。著者は研究受託会社の所属
出典
  1. Ablon G. The Safety and Efficacy of a Novel Saw Palmetto (Serenoa repens) Extract for Promoting Hair Growth in Adults With Self-Perceived Thinning Hair: 180-Day Results. J Cosmet Dermatol. 2026. PMID 41652806
  2. Zhou L, et al. Effects of dietary supplements on androgenetic alopecia: a systematic review and network meta-analysis. Front Nutr. 2026. PMID 41561175
  3. Evron E, et al. Natural Hair Supplement: Friend or Foe? Saw Palmetto, a Systematic Review in Alopecia. Skin Appendage Disord. 2020. PMID 33313047
  4. Rossi A, et al. Comparitive effectiveness of finasteride vs Serenoa repens in male androgenetic alopecia: a two-year study. Int J Immunopathol Pharmacol. 2012. PMID 23298508
  5. Gupta AK, et al. Do Non-Prescription Products Help in Managing Androgenic Alopecia? Skin Appendage Disord. 2025. PMID 40475103
  6. Gupta AK, et al. Beyond Minoxidil: Off-Label Therapies for Male Androgenetic Alopecia-A Systematic Review with Network Meta-Analyses. Medicina (Kaunas). 2026. PMID 42512824
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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