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光を当てる育毛の機器で、髪は増える? 偽の機器と比べた試験で分かったこと

赤い光を頭皮に当てる、くし型やヘルメット型の家庭用の機器があります。薄毛の人を対象に、光の出ない偽の機器と比べた試験と、そのまとめの解析で分かっていることを整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.23更新 2026.10.23
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 光の出ない偽の機器と比べた試験で、本物の機器の組のほうが髪の密度が増えたという報告が複数ある
  • 38研究・3,098人分をまとめた2025年の解析でも、偽の機器より密度が増えていた。ただし研究ごとのばらつきが大きい
  • 160人の2025年の試験では、主な評価で機器ごとの差は確かめられず、まとめて比べたときだけ差が出た
  • 副作用は頭皮のかゆみなど軽いものが中心だが、数年単位で使ったときのデータはない

赤い光を頭皮に当てる家庭用の機器で、髪の密度が増えたという比較試験は複数あり、まとめの解析でも偽の機器より増えたと報告されています。ただし、試験ごとの結果のばらつきが大きく、人数の少ない試験や機器の会社が関わる試験が多いため、根拠は「有望」の段階です。

光を当てる育毛の機器とは、どんなもの?

研究では低出力レーザー・LED療法と呼ばれます。弱い赤い光を、頭皮に決まった時間当てる方法です。試験で使われた光の波長は、625〜660nm前後のものが多くみられます。家庭用には、くし型や、帽子・ヘルメット型の機器があります。

研究の対象の多くは、男性型・女性型の薄毛(男性ホルモンと遺伝が関わり、少しずつ髪が細く少なくなる状態)の人です。光が髪にどのように働くのかは、人の頭皮では詳しく分かっていません。

偽の機器と比べた試験では、どうだった?

韓国の2つの病院で行われた試験(2020年)では、薄毛の男女60人を、光が出るヘルメット型の機器と、光の出ない偽の機器に分けました。16週間後、本物の組では1cm²あたりの髪の本数が平均41.90本増え、偽の組では0.72本の増加でした。髪の太さも、本物の組で太くなっていました。副作用は報告されていません。

タイの大学病院の試験(2019年)は、男女20人ずつ、計40人で24週間比べたものです。本物の組で、髪の密度と太さが偽の組より大きく増えていました。一時的な抜け毛や頭皮のかゆみが報告されています。研究チーム自身が、人数が少ないこと、長い追跡がないこと、偽の機器が適切でなかったことを限界に挙げています。機器は、この大学が開発したものでした。

一方で、はっきりしない結果の試験もあります。2025年に報告された米国の試験では、160人を赤や青の光が出るLEDの帽子3種類と偽の帽子に分け、毎日10分使ってもらいました。16週間後の主な評価では、3種類のどれも、単独では偽の帽子との差が統計的に確かめられませんでした。3種類をまとめて比べると、1cm²あたり28.5本多かったと報告されています。ただし、途中で91人が解析から外れており、著者には機器の会社の人が含まれています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
ヘルメット型の機器と偽の機器(韓国・60人・16週間)根拠 有望本物の組で1cm²あたり41.90本増。偽の組は0.72本
ヘルメット型の機器と偽の機器(タイ・40人・24週間)根拠 有望密度と太さが本物の組で増えた。人数が少ない
LEDの帽子3種類と偽の帽子(米国など・160人・16週間)根拠 有望単独では差を確認できず。まとめると28.5本多い
家庭用機器の二重盲検試験のまとめ(7試験)根拠 確立偽の機器より密度が増えた。男女とも
光を当てる療法の研究のまとめ(38研究・3,098人)根拠 確立偽の機器より密度が増えた。ばらつきが大きい
円形脱毛症など、ほかの脱毛(同じまとめ)根拠 初期研究が少なく、まとめて計算できなかった

試験をまとめた解析では、どう評価されている?

2025年に、米国マイアミ大学の研究チームが38の研究、3,098人分をまとめました。9割以上が男性型・女性型の薄毛の人です。光を当てた組では、偽の組より髪の密度が増えており、20週を超えて使った場合も同じ傾向でした。研究チームは、薄毛の人にとって有望な方法だとしています。

ただし、研究ごとの結果のばらつきを示す値は8割を超えており、どのくらい増えるかは研究によってかなり違います。円形脱毛症など、ほかの種類の脱毛は研究が少なく、まとめて計算することができませんでした。

2021年には、米国の食品医薬品局(FDA)が販売を認めた家庭用の機器に限って、二重盲検(使う人も評価する人も、本物か偽物かを知らない方法)の比較試験7本をまとめた解析も出ています。男女どちらでも、くし型でもヘルメット型でも、偽の機器より髪の密度が増えていました。研究チームは、長い期間の追跡や、機器どうしの比較が必要だとしています。

安全性については、何が分かっている?

2025年には、皮膚科などの専門家21人が、研究を整理したうえで光を当てる療法の使い方について合意をまとめました。大人には安全に使える方法であり、赤い光は遺伝子を傷つけないとしています。男性型の薄毛にも選択肢の一つになるとされました。ただし、専門家の一部は機器の会社と関係があることを開示しています。

個々の試験で報告された副作用は、頭皮のかゆみや一時的な抜け毛などの軽いものでした。とはいえ、数か月の試験が中心で、何年も使い続けたときのことは分かっていません。

まだ分かっていないことまとめの解析では、研究ごとの結果のばらつきが大きく、どのくらい髪が増えるかを一つの数字で示すことはできません。試験の多くは数十人規模で、期間は4〜26週間です。使うのをやめたあとに髪がどうなるか、何年も使ったときの安全性は分かっていません。偽の機器が適切でなかったと研究チーム自身が書いている試験もあり、本物か偽物かが使う人に分かると、結果に偏りが入る余地があります。機器を開発した大学や、機器の会社の人が著者に含まれる試験もあります。光の強さや波長、使う時間は機器ごとに違い、どの条件がよいかも決まっていません。日本人だけを対象にした比較試験は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。

では、どう考えればよいか

光を当てる機器で髪の密度が増えたという報告は、偽の機器と比べた試験やそのまとめで重なっています。ただ、増え方は研究によって大きく異なり、どの機器でも同じ結果になるとは言えません。数か月使い続けることが前提の方法なので、費用と手間も考えて決めることが大切です。抜け毛が急に増えたときや、薄毛の原因がはっきりしないときは、機器を買う前に皮膚科で相談しましょう。

今日からできること
  • 抜け毛が急に増えた、まとまって抜けるときは、機器を買う前に皮膚科で相談する
  • 機器を考えるときは、試験と同じように数か月続けることが前提になる点を、費用と合わせて確かめる
  • 使い始める前と後で、同じ明るさと角度で頭皮の写真を撮っておき、変化を自分で確かめられるようにする
  • かゆみや赤みが出たときは使うのをやめ、続くときは皮膚科で相談する
  • 薄毛の治療を受けている場合は、自己判断で機器に置き換えず、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
光を当てる療法と脱毛のまとめ(Dermatol Surg 2025)38研究・3,098人(男性型・女性型の薄毛2,930人、瘢痕性脱毛49人、円形脱毛症50人、休止期脱毛17人、その他の脱毛32人)。男性型・女性型の薄毛で、偽の機器と比べた髪の密度の変化の標準化平均差は、20週未満で1.14、20週超で1.44。異質性(I²)は88%と81%。ほかの脱毛はメタ解析に必要な情報が不足。資金・利益相反は抄録に記載なし
FDAが販売を認めた家庭用機器の比較試験のまとめ(J Clin Aesthet Dermatol 2021)2020年1月までの文献。二重盲検の比較試験7本。偽の機器と比べた髪の密度の標準化平均差1.27。男女、くし型・ヘルメット型のいずれでも増加。著者は利益相反なしと開示
ヘルメット型の機器の試験(Medicine (Baltimore) 2020)韓国2施設、19〜65歳の男性型・女性型の薄毛60人。波長655nm。16週間で、本物の組は髪の密度が1cm²あたり41.90本増・太さ7.50μm増、偽の組は0.72本増・太さ15.03μm減(p<0.001)。有害事象なし。著者は利益相反なしと開示
ヘルメット型の機器の試験(Lasers Med Sci 2019)タイ、男性20人・女性20人。24週間、家庭で使用。完了36人。髪の密度と太さで本物の組が上回った(p=0.002、p=0.009)。一時的な抜け毛と頭皮のかゆみの報告あり。機器は研究者の所属機関が開発。著者は人数の少なさ、長期データの欠如、偽の機器の不適切さを限界として記載
赤・青の光のLED帽子の試験(Dermatol Surg 2025)18〜65歳の男性型・女性型の薄毛160人を、3種類の帽子または偽の帽子に割り付け、毎日10分・26週間。主要評価項目(16週の毛の本数の変化)は各組では有意差なし。3組をまとめると偽の帽子より1cm²あたり28.5本多い(p=0.033)。91人が実施計画どおりの解析から除外。著者に機器の会社の所属者を含む
光を当てる療法の使い方についての専門家の合意(J Am Acad Dermatol 2025)2022年6月までの系統的な文献検索をもとに、21人の専門家がデルファイ法で合意。大人に安全に使える方法で、赤い光は遺伝子を傷つけないとした。男性型の薄毛などで有効な選択肢とした。一部の専門家は機器の会社との関係を開示
出典
  1. Perez SM, et al. Low-Level Laser and LED Therapy in Alopecia: A Systematic Review and Meta-Analysis. Dermatol Surg. 2025. PMID 39404126
  2. Lueangarun S, et al. A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials of United States Food and Drug Administration-Approved, Home-use, Low-Level Light/Laser Therapy Devices for Pattern Hair Loss: Device Design and Technology. J Clin Aesthet Dermatol. 2021. PMID 34980962
  3. Yoon JS, et al. Low-level light therapy using a helmet-type device for the treatment of androgenetic alopecia: A 16-week, multicenter, randomized, double-blind, sham device-controlled trial. Medicine (Baltimore). 2020. PMID 32702878
  4. Suchonwanit P, et al. Low-level laser therapy for the treatment of androgenetic alopecia in Thai men and women: a 24-week, randomized, double-blind, sham device-controlled trial. Lasers Med Sci. 2019. PMID 30569416
  5. Thomas M, et al. Clinical Safety and Efficacy of Dual Wavelength Low-Level Light Therapy in Androgenetic Alopecia: A Double-Blind Randomized Controlled Study. Dermatol Surg. 2025. PMID 39679573
  6. Maghfour J, et al. Evidence-based consensus on the clinical application of photobiomodulation. J Am Acad Dermatol. 2025. PMID 40253006
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加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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