麦わら帽子をかぶり、日差しの中で笑う年配の女性
写真はイメージです

トップ / 肌と美容

肌と美容

日焼け止めを毎日塗ると、肌の老化はゆっくりになる?

日焼け止めは、夏や海に行く日だけのものと思われがちです。毎日塗ると肌の老化に違いが出るのかを、オーストラリアで行われた比較試験を中心に整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.15更新 2026.10.15
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • オーストラリアの比較試験では、日焼け止めを毎日塗った人は、ときどき塗る人より肌の老化の進み方が24%少なかった
  • すでにあるシミやきめへの効果は、比べる組のない小さな研究しかない
  • 日焼け止めで期待できるのは主に紫外線による変化で、年齢によるたるみは別の話になる

日焼け止めを毎日塗ると、肌の老化の進み方がゆっくりになることが、オーストラリアの比較試験で報告されています。4年半続けた試験で、ときどき塗る人より、肌の変化が24%少なかったという結果です。

日光を浴び続けることで進む肌の変化は、光老化(紫外線による肌の老化のこと)と呼ばれます。シミやしわ、肌のきめの乱れとして表れます。

毎日塗る人と、ときどき塗る人で差はある?

この問いを確かめたのが、オーストラリア東部のナンボーという町の試験です。日差しがとても強い地域で、1992年から55歳未満の大人903人が参加しました。

参加者は、くじ引きで組に分けられました。毎日日焼け止めを塗る組と、これまで通り好きなときに塗る組です。使ったのは、紫外線のUVBとUVAの両方を防ぐ、SPF15以上の日焼け止めでした。

4年半後、どちらの組か知らない評価者が、肌の表面の細かいきめを調べました。毎日塗った組では、老化の進みがはっきりとは見られませんでした。好きなときに塗った組と比べると、老化の進み方は24%少なくなっていました。

同じ試験では、にんじんなどに含まれる色素(βカロテン)のサプリも調べています。こちらは、全体として差は出ませんでした。

この試験は、皮膚がんも調べています。毎日塗った組では、皮膚がんのうちある種類の数が少なくなっていました。別の種類には差がありませんでした。

すでにあるシミやしわにも意味がある?

米国では、32人が顔用の日焼け止め(SPF30)を1年間、毎日塗った研究があります。皮膚科医の評価では、12週目から肌のきめやシミの見え方がよくなっていました。1年後には、きめやシミなどの項目が40〜52%改善したと報告されています。

ただし、この研究には塗らない組がありません。季節の変化や、肌を気にかけるようになった影響と区別できないのです。著者の多くは、日焼け止めを販売する会社の研究所に所属しています。「すでにある変化が戻る」とまでは、まだ言えない段階です。

日焼け止めで防げないものは?

フランスで、30〜78歳の女性298人の顔を比べた研究があります。日光を好んで浴びてきた人と、避けてきた人を比べたものです。日光を浴びてきた人では、どの年代でもシミなどの色むらが多く見られました。

一方、たるみには両者で差がありませんでした。研究チームは、たるみは主に年齢とともに進むと見ています。しわやきめには、紫外線と年齢の両方が関わっていました。この研究は化粧品会社が行ったもので、ある時点だけを比べています。

日焼け止めで期待できるのは、主に紫外線による変化です。年齢による変化まで止めるものではありません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
毎日塗ると、肌の老化の進み方が遅くなるか(903人・4年半の比較試験)根拠 有望遅くなった。好きなときに塗る組より24%少ない
βカロテンのサプリ(同じ試験)根拠 有望全体では差なし
皮膚がんの数(同じ試験)根拠 有望ある種類は少なかった。別の種類は差なし
すでにあるシミ・きめ(32人・1年・比べる組なし)根拠 初期改善したと報告。会社の研究者による
日光を浴びる習慣と、色むら・たるみ(298人の比較)根拠 初期色むらは多い。たるみには差なし
まだ分かっていないこと毎日の日焼け止めで老化がゆっくりになったという試験は、日差しのとても強いオーストラリアで、1990年代に55歳未満の人を対象に行われたものです。日本の日差しや日本人の肌、55歳以上の人で同じ大きさの差が出るかは分かっていません。論文自身も、一部のデータが欠けていること、中くらいの差を見つける力が十分でなかったことを限界として挙げています。すでにあるシミやきめが改善したという研究は、32人で比べる組がなく、日焼け止めを販売する会社の研究者が行ったものです。

では、どうすればよいか

日焼け止めを選ぶときは、2つの表示を見ます。SPFは、主にUVB(肌を赤くする紫外線)を防ぐ力の目安です。PAは、主にUVA(肌の奥まで届く紫外線)を防ぐ力の目安です。試験で使われたのは両方を防ぐ種類だったので、両方の表示があるものを選ぶとよいでしょう。大切なのは、特別な日だけでなく、毎日の習慣にすることです。

今日からできること
  • 顔・首・手の甲など、服から出る場所に、朝の身支度のひとつとして塗る
  • SPFとPAの両方の表示があるものを選び、汗をかいたりふいたりしたら、製品の説明に沿って塗り直す
  • 帽子や日傘、日陰も組み合わせる
  • 赤みやかゆみが出たら使うのをやめ、皮膚科に相談する
  • 形や色が変わってきたほくろやシミがあれば、早めに皮膚科で診てもらう
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
毎日の日焼け止めと肌の老化(Ann Intern Med 2013)オーストラリア・ナンボーの比較試験。55歳未満の大人903人(無作為に選んだ住民1,621人のうち)を、日焼け止めの毎日使用/随意使用 × βカロテン30mg/偽薬の4組に分け、1992〜1996年に実施。肌表面の微細な形状の変化を、組を知らない評価者が判定。毎日使用の組は4.5年後に老化の進行が検出されず、随意使用の組より24%少ない(相対オッズ0.76、95%信頼区間0.59〜0.98)。βカロテンは全体で効果なし。限界: 欠測データあり、検出力は中程度。資金: オーストラリア国立保健医療研究評議会。登録 ACTRN12610000086066
同じ試験の皮膚がん(Lancet 1999)住民1,621人。頭・首・腕・手にSPF15以上の日焼け止めを毎日塗る組と、そうでない組を4.5年比較。有棘細胞がんの腫瘍の数は毎日塗る組で少ない(率比0.61、95%信頼区間0.46〜0.81)。基底細胞がんは差なし。日焼け止めの毎日使用による害は見られなかった
同じ試験のその後10年(J Clin Oncol 2011)試験終了から10年後までに、新たなメラノーマは毎日塗った組11件、随意使用の組22件(ハザード比0.50、95%信頼区間0.24〜1.02、P=0.051で統計的には境界)。浸潤性のメラノーマは3件対11件(ハザード比0.27)
1年間の顔用日焼け止め(Dermatol Surg 2016)32人がSPF30の顔用日焼け止めを52週間使用。皮膚科医の評価で12週目から全項目が改善し、52週で肌のきめ・透明感・色むらが40〜52%改善。比べる組なし。著者の多くは日焼け止めを販売する会社の研究所に所属
日光と顔の老化のサイン(Clin Cosmet Investig Dermatol 2013)30〜78歳の白人女性298人を、日光を好む157人と避ける141人に分け、22項目を写真の尺度で比較した一時点の研究。色むらは紫外線と強く関連、たるみは年齢と関連し両群で差なし、しわ・きめは両方が関与。化粧品会社の研究部門による
出典
  1. Hughes MC, et al. Sunscreen and prevention of skin aging: a randomized trial. Ann Intern Med. 2013. PMID 23732711
  2. Green A, et al. Daily sunscreen application and betacarotene supplementation in prevention of basal-cell and squamous-cell carcinomas of the skin: a randomised controlled trial. Lancet. 1999. PMID 10475183
  3. Green AC, et al. Reduced melanoma after regular sunscreen use: randomized trial follow-up. J Clin Oncol. 2011. PMID 21135266
  4. Randhawa M, et al. Daily Use of a Facial Broad Spectrum Sunscreen Over One-Year Significantly Improves Clinical Evaluation of Photoaging. Dermatol Surg. 2016. PMID 27749441
  5. Flament F, et al. Effect of the sun on visible clinical signs of aging in Caucasian skin. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2013. PMID 24101874
この記事は役に立ちましたか?

この記事は情報提供を目的としたもので、診断や治療の代わりになるものではありません。

次に読む

ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

幹細胞を知る「幹細胞」って何? 基本から3分で幹細胞とは →

よく読まれている記事

  1. シューマッハ氏の近況報道と、幹細胞治療について分かっていること
  2. マレーシアで受ける幹細胞点滴のご案内
  3. 半月板の再生医療「セイビスカス注」承認、誰がいつ受けられる?
  4. Muse細胞はいまどうなっている?開発中止の背景と研究の現在地
  5. 自分の脂肪から採る幹細胞、利点と限界は?自家と他家の比べ方
健康長寿のニュースを、メールで

世界の研究と話題から、編集部が選んだ記事をお届けします。