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人と話す機会が多いと、認知症になりにくい? 会話と人付き合いの研究で分かったこと

人と会う回数や毎日の会話の量は、年齢を重ねてからの記憶や考える力と関係があると報告されています。世界の研究のまとめ、日本の約3万5,000人の追跡研究、会話を増やす比較試験を分けて、分かっていることを整理しました。

根拠 初期5分で読めます公開 2026.10.23更新 2026.10.23
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 社会参加や人と会う回数が多い人ほど、認知症になる割合が低いという関連が、追跡研究のまとめで報告されている
  • 孤独を感じる人は、認知症になる危険が約1.3倍だった(約60万人のデータのまとめ)
  • 日本の約3万5,000人の研究では、会話が月1回未満の人で、認知症になる割合が約2倍だった
  • 会話を増やす比較試験は186人と小さく、認知症を防げるかはまだ分かっていない

人との付き合いが多い人や、毎日会話がある人ほど、認知症になる割合が低いことが、世界と日本の追跡研究で報告されています。ただし、これは観察研究で分かった関連で、人付き合いを増やせば防げるかを確かめた比較試験は、まだ小さなものしかありません。

人付き合いと認知症には、どんな関係がある?

2023年に、中年以降の人を長く追った32の研究(40本の論文)をまとめた解析が発表されました。地域の活動や集まりへの参加が多い人は、少ない人より認知症になる割合が約19%低くなっていました。人と会ったり連絡を取ったりする回数が多い人でも、約14%低い結果でした。

一方で、困ったときに頼れる人がいるかという社会的な支えや、親しい人との接触については、はっきりした差は出ていません。研究によって結果のばらつきが大きく、研究チームも結論は暫定的なものだと書いています。

孤独を感じることも、関係がある?

周りに人がいるかどうかとは別に、本人が感じる孤独感も調べられています。2024年に、21の集団、合わせて約60万人のデータをまとめた解析が発表されました。孤独感がある人は、認知症になる危険が約1.3倍でした。

この関連は、うつ症状や人付き合いの少なさなどの影響を差し引いても残っていました。ただし、孤独感の測り方は研究ごとに違い、結果のばらつきも大きいと報告されています。

日本人では、どんな結果が出ている?

国立がん研究センターなどによる多目的コホート研究(JPHC)では、50〜79歳の約3万5,000人に、ふだんの会話の頻度を尋ねました。その後、介護保険の認定の記録をもとに、認知症になったかを約10年間追っています。

「ほぼ毎日会話がある」人と比べると、「毎日多くの人と話す」人は、認知症になる割合が20%低くなっていました。反対に、会話が週1〜4回の人は18%高く、月1回未満の人では約2倍でした。

一人暮らしの男性では、会話の頻度にかかわらず割合が高い傾向がありました。一人暮らしの女性では、高くなっていません。会話が少ないことが原因なのか、認知機能の衰えが始まって会話が減ったのかは、この研究では区別できません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
地域の活動や集まりへの参加が多い人は、認知症になりにくいか(32研究のまとめ)根拠 初期約19%低い。研究ごとのばらつきが大きい
人と会う・連絡を取る回数が多い人は(同じまとめ)根拠 初期約14%低い
頼れる人がいる・親しい人との接触(同じまとめ)根拠 初期はっきりした差なし
孤独感がある人は、認知症になりやすいか(約60万人のまとめ)根拠 初期約1.3倍
日本人の会話の頻度と認知症(約3万5,000人の追跡)根拠 初期月1回未満で約2倍、毎日多くの人と話す人で20%低い
ビデオ通話の会話で、認知機能のテストの点数は変わるか(186人の比較試験)根拠 有望6か月で1.75点高い。小規模
孤独を減らす取り組みで、認知機能は変わるか(9研究のまとめ)根拠 初期改善の報告はあるが、偏りの大きい研究が多い
グループの支援やネットの講習で、孤独感は減るか(60研究のまとめ)根拠 有望小さく減る(確実性は中等度)

会話を増やす試験では、何が分かった?

原因と言えるかを確かめるには、比較試験(くじ引きで組を分けて比べる試験)が必要です。米国では、人との交流が少ない75歳以上の186人を対象に、比較試験(I-CONECT)が行われました。片方の組は、訓練を受けた話し相手とビデオ通話で会話をしました。最初の6か月は週4回、続く6か月は週2回です。どちらの組も、週1回10分の電話連絡を受けています。

6か月後、会話の組は、全般的な認知機能のテストの点数が、もう片方の組より1.75点高くなっていました。気分の面の改善は、両方の組で見られています。参加者は少なく、新型コロナの流行で試験の進め方を途中で変えています。

孤独や孤立を減らす取り組みと認知機能の研究を集めた2024年のまとめでは、9つの研究、1,025人分が対象になりました。6つの研究で認知機能の改善が報告されましたが、比較試験の多くは偏りの危険が大きいと評価されています。

孤独感は、取り組みで減らせる?

地域で暮らす高齢者の孤独感を減らす取り組みについては、60の研究をまとめた2024年の解析があります。グループで行う支援や、インターネットの使い方を学ぶ講習で、孤独感が小さく減ったと報告されています。根拠の確実性は中等度とされました。グループで行う運動では、ごくわずかな減少にとどまる可能性があります。

ただし、この解析で調べたのは孤独感で、認知機能や認知症になる割合は調べていません。

まだ分かっていないこと認知症との関連を示した研究の大半は観察研究で、人付き合いが少ないことが原因なのか、認知機能の衰えが始まって人付き合いが減ったのかを区別できません。研究のまとめでは、研究ごとの結果のばらつきが大きいと報告されています。日本の研究は会話の頻度を一度だけ本人に尋ねたもので、認知症は介護保険の認定で数えているため、軽い段階の人は数に入っていない可能性があります。会話を増やす比較試験は186人と小さく、期間は1年で、新型コロナの流行で途中から進め方を変えています。調べたのは認知機能のテストの点数で、認知症になる人が減るかは分かっていません。孤独感を減らす取り組みのまとめは、認知機能を調べていません。研究資金の出どころは、いずれの論文も抄録には書かれていません。

では、どうすればよいか

人付き合いを増やせば認知症を防げる、と言えるだけの根拠はまだありません。それでも、会話や人との交流が多い暮らしと認知症の少なさとの関連は、日本を含む多くの研究で報告されています。家族や友人、近所の人と話す機会を、無理のない範囲で日々の暮らしの中に保っておくとよいでしょう。

今日からできること
  • 家族や友人と話す機会を、電話やビデオ通話も含めて週に何度か持つ
  • 地域の集まりや趣味の会、ボランティアなど、続けやすい参加の場を一つ持つ
  • 一人暮らしの親や家族とは、こまめに連絡を取る
  • 気分の落ち込みや強い孤独感が続くとき、物忘れが気になるときは、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
社会とのつながりと認知症のまとめ(J Am Geriatr Soc 2023)縦断コホート32研究・40論文。社会参加が多い(相対危険0.81)、社会的接触が多い(0.86)で認知症が少ない。社会的支え(0.92)・親しい人との接触(0.74)・社会的孤立(1.58)は有意差なし。孤独感は1.42。社会的ネットワークが大きい(0.75)は研究数が少なくメタ解析できず。異質性が大きく、推論は暫定的と著者が記載
孤独感と認知症のまとめ(Nat Ment Health 2024)21サンプル・60万8,561人。孤独感で全認知症のハザード比1.31、アルツハイマー病1.39(5サンプル)、血管性認知症1.74(3サンプル)、認知機能障害1.15(16サンプル・10万3,387人)。うつ症状・社会的孤立などを調整しても関連は残った。孤独感の測り方の違いなどで異質性が大きい。利益相反なし
JPHC研究・会話の頻度と認知症(Arch Gerontol Geriatr 2025)50〜79歳の3万5,488人。2000〜2003年に会話の頻度を質問し、2006〜2016年に介護保険の認定で追跡。認知症3,334人。「ほぼ毎日」と比べたハザード比は、毎日多くの人と0.80、毎日数人と0.88、週1〜4回1.18、月1〜3回1.17(有意差なし)、月1回未満2.06。一人暮らしの男性は会話が多くても1.71、少ないと2.60。一人暮らしの女性では高くならなかった。利益相反なし
I-CONECT(Gerontologist 2024)米国、社会的に孤立した75歳以上・認知機能が正常または軽度認知障害の186人。ビデオ通話の半構造化会話を6か月間週4回、その後6か月間週2回。両群とも週1回10分の電話。6か月後に主要評価項目(MoCA)が1.75点高い(p=.03)。正常な人で意味流暢性2.56点、軽度認知障害の人で12か月後の物語の即時再生2.19点高い(副次評価項目)。気分は両群で改善。新型コロナで計画を変更。利益相反なし。登録: NCT02871921
孤立・孤独への取り組みと認知機能のまとめ(Aging Ment Health 2024)9研究・1,025人。6研究で認知機能の改善(うち5つは情報機器を使う取り組み)。比較試験は1つを除き偏りの危険が大きい。叙述的なまとめ。登録: PROSPERO CRD42023460933
地域の高齢者の孤独感を減らす取り組みのまとめ(J Gen Intern Med 2024)60研究(比較試験36・観察研究24)。グループで行う支援で標準化平均差−0.27(比較試験11)、インターネットの講習で−0.22(比較試験5)、いずれも確実性は中等度。グループの運動はごくわずかな減少(確実性は低い)。ほかの取り組みは結論を出せなかった。利益相反なし
出典
  1. Wang S, et al. Association between social integration and risk of dementia: A systematic review and meta-analysis of longitudinal studies. J Am Geriatr Soc. 2023. PMID 36307921
  2. Luchetti M, et al. A Meta-analysis of Loneliness and Risk of Dementia using Longitudinal Data from >600,000 Individuals. Nat Ment Health. 2024. PMID 39802418
  3. Shimizu Y, et al. Frequency of daily conversation and risk of dementia: A population-based cohort study in Japan. Arch Gerontol Geriatr. 2025. PMID 40795651
  4. Dodge HH, et al. Internet-Based Conversational Engagement Randomized Controlled Clinical Trial (I-CONECT) Among Socially Isolated Adults 75+ Years Old With Normal Cognition or Mild Cognitive Impairment: Topline Results. Gerontologist. 2024. PMID 37935416
  5. Baptista C, et al. Evaluating the cognitive effects of interventions to reduce social isolation and loneliness in older adults: a systematic review. Aging Ment Health. 2024. PMID 39039765
  6. Shekelle PG, et al. Interventions to Reduce Loneliness in Community-Living Older Adults: a Systematic Review and Meta-analysis. J Gen Intern Med. 2024. PMID 38200279
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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