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寝る前のスマホは眠りを妨げる? 画面の光と使い方の研究

寝る前のスマホの光が眠りを妨げる、という話をよく聞きます。大人を対象にした研究を見ると、目立つのは光そのものより、画面を見ているうちに寝る時刻が遅くなることです。分かっていることと、まだ言えないことを整理しました。

根拠 初期4分で読めます公開 2026.10.18更新 2026.10.18
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 寝る前に毎日画面を見る大人は、見ない人より睡眠がやや短い傾向がある。米国の約12万人の調査では、仕事のある日で約7.6分だった
  • 専門家の合意声明は、子どもと10代では画面が眠りを損なうと結論づけた。大人については合意に至っていない
  • 画面を暖色にする機能やブルーライトを減らす眼鏡が眠りを変えるかは、比較試験でははっきりしていない
  • 研究の結果から考えると、まず見直したいのは寝る時刻と、布団の中で画面を見る時間

寝る前に毎日スマホなどの画面を見る大人は、見ない人より睡眠がやや短い傾向があります。ただし大人での差は1日数分ほどで、画面の光を弱める工夫が眠りを変えるかは、比較試験でははっきりしていません。

寝る前に画面を見る人は、どれくらい睡眠が短い?

寝る前に画面を見るのは、珍しい習慣ではありません。米国の成人1,508人の調査では、90%が週に何晩かは、寝る前1時間以内に電子機器を使っていました。

米国で2018年に、27〜85歳の約12万人に、寝る前の1時間の過ごし方と睡眠を尋ねた調査があります。年齢の中央値は56歳です。寝る前に毎日画面を見る人は41%、まったく見ない人は17%でした。

毎日見る人は、見ない人に比べ、仕事のある日の睡眠が約7.6分、休みの日は約5分短くなっていました。1週間に直すと約50分です。眠りの質が悪いと答えた人の割合は1.33倍でした。寝る時刻も、仕事のある日で9〜16分ほど遅くなっていました。夜型の人ほど、この差は大きくなっていました。

専門家はどう見ている?

米国の睡眠の専門団体は2024年に、16人の専門家による合意声明を出しました。2,209本の論文から絞り込み、画面と眠りの因果を調べた35本の実験・介入研究や、5本の系統的レビューを検討しています。

合意できたのは、子どもと10代では画面の使用が眠りを損なうこと、寝る前に見る内容も影響することでした。使い方を見直す工夫で悪い影響を和らげられる可能性がある、という点も合意されています。一方、大人については、画面が眠りを損なうという点で合意に至りませんでした。投票にかけた10の文のうち、合意できたのは5つです。

ブルーライトは、どこまで問題?

夜に浴びる人工の光は、目を覚ます方向に働き、メラトニン(夜に増えて眠りを促すホルモン)を抑え、体内時計をずらすことが、これまでの実験で示されています。画面の光、とくに青い光(ブルーライト)が眠りに関わるという話の出どころのひとつが、2015年に米国で発表された実験です。寝る前の数時間、光る画面で電子書籍を読んだ日は、紙の本を読んだ日に比べ、寝つくまでに時間がかかりました。メラトニンの分泌が減り、体内時計が遅れ、翌朝の目覚めもすっきりしませんでした。少人数を実験室の条件で調べた研究です。

では、ふだんの暮らしで光を減らすと眠りは変わるのでしょうか。米国で18〜24歳の167人をくじ引きで3組に分けた試験があります。寝る前の1時間に、画面を暖色にする夜間モードでスマホを使う組、夜間モードなしで使う組、スマホを使わない組です。7晩の睡眠を腕の睡眠計で測ったところ、3組に差はありませんでした。ふだん6.8時間以上眠れている人に絞った追加の解析では、スマホを使わない組の眠りが最もよかったと報告されています。

ブルーライトを減らす眼鏡については、2023年に17の比較試験をまとめた系統的レビュー(多くの研究を決まった手順で集めて整理したもの)が出ています。睡眠を調べた6試験では、3試験が改善、3試験が差なしと結果が割れました。研究チームは、眠りの質を変えるかは分からないと結論づけています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
寝る前に毎日画面を見る大人(米国・約12万人の調査)根拠 初期睡眠が仕事のある日で約7.6分短く、眠りの質が悪い人が1.33倍
子どもと10代の画面の使用(専門家の合意声明)根拠 有望眠りを損なうと合意。大人では合意に至らず
光る画面の電子書籍と紙の本(少人数の実験)根拠 初期寝つくまでが長く、メラトニンの分泌が減った
夜間モード(暖色)でのスマホ使用(18〜24歳167人の比較試験)根拠 有望夜間モードなし・スマホなしの組と睡眠に差なし
ブルーライトを減らす眼鏡(17試験のまとめ)根拠 初期睡眠への影響は分からない。6試験で結果が割れた

光のほかに、何が関わっている?

これらの研究からは、光の量に加えて、画面を見ている時間や内容が関わっている可能性がうかがえます。先ほどの約12万人の調査でも、画面を毎日見る人ほど寝る時刻が遅くなっていました。続きが気になる動画や、気持ちが高ぶるやり取りで、寝る時刻そのものが後ろにずれることが考えられます。ただし、大人でどの使い方が最も眠りに響くかは、まだ調べられていません。

まだ分かっていないこと大人を対象にした研究の多くは、ある時点で画面の使い方と睡眠を尋ねた調査です。画面のせいで睡眠が短くなったのか、眠れない人が画面を見ているのかは区別できません。睡眠の長さも本人の申告です。比較試験は若い人を対象にした短期間のものが中心で、40〜70代で同じ結果になるかは分かっていません。電子書籍の実験は少人数で、ふだんのスマホの明るさや使い方とは条件が違います。動画・SNS・読書など、どの使い方が大人の眠りに最も影響するかも、まだはっきりしていません。

では、どうすればよいか

研究の結果から考えると、まず見直したいのは寝る時刻と、布団の中で画面を見る時間です。画面を暖色にする機能や眼鏡は、使ってもかまいませんが、それだけで眠りが変わるかははっきりしていません。

今日からできること
  • 寝る時刻を決め、その30分〜1時間前には画面を置く時間をつくってみる
  • スマホは手の届かない場所で充電し、布団の中では見ないようにする
  • 画面を暖色にする機能や眼鏡は使ってもよいが、それだけで眠りが整うとは考えない
  • 寝つけない夜が続く、日中の強い眠気がある場合は、医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
専門家の合意声明(Sleep Health 2024)米国の睡眠の専門団体が16人の専門家パネルを組み、修正デルファイ法で合意を形成。2,209本から実験・介入研究35本と系統的レビュー5本を検討。10の文のうち5つで合意(子ども・10代で画面の使用と寝る前の内容が眠りを損なう、行動の工夫で悪影響を和らげられる可能性)。著者は利益相反なしと開示
米国の約12万人の調査(JAMA Netw Open 2025)米国の大規模追跡調査の参加者12万2,058人(女性80%、年齢の中央値56歳)の2018年の回答を断面で解析。寝る前1時間に毎日画面を見る人41.2%、見ない人17.4%。見ない人に比べ、睡眠は仕事のある日で7.64分・休みの日で5.04分短く、眠りの質が悪い人の割合は1.33倍。夜型で差が大きい。睡眠は自己申告。利益相反なし
電子書籍と紙の本の実験(PNAS 2015)寝る前の数時間に、光る画面の電子書籍と紙の本を読む条件を比べた実験室研究。背景として、米国の成人1,508人の90%が週に何晩かは寝る前1時間以内に電子機器を使っていたという調査を紹介。電子書籍の条件で、寝つくまでの時間が延び、夜の眠気とメラトニンの分泌が減り、体内時計が遅れ、翌朝の覚醒度が低下。著者の1人に、企業からの顧問料などの開示あり
夜間モードの比較試験(Sleep Health 2021)18〜24歳167人(女性71.3%)を3組に無作為に割り付け、7晩連続で腕の加速度計により測定。寝つき・睡眠時間・睡眠効率・中途覚醒に3組で差なし。事後の探索的解析で、平均6.8時間以上眠る人ではスマホなしの組が良好。利益相反なし
ブルーライトを減らす眼鏡のまとめ(Cochrane 2023)比較試験17本(1試験5〜156人、期間1日未満〜5週間)の系統的レビュー。睡眠の質は6試験148人で結果が割れ、確実性は非常に低い。目の疲れにも差がない可能性。すべての項目で偏りのリスクが低い試験はなし。眼鏡による頭痛・気分の落ち込みなどがまれに報告。著者の一部は対象試験の研究者
出典
  1. Hartstein LE, et al. The impact of screen use on sleep health across the lifespan: A National Sleep Foundation consensus statement. Sleep Health. 2024. PMID 38806392
  2. Zhong C, et al. Electronic Screen Use and Sleep Duration and Timing in Adults. JAMA Netw Open. 2025. PMID 40146105
  3. Chang AM, et al. Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proc Natl Acad Sci U S A. 2015. PMID 25535358
  4. Duraccio KM, et al. Does iPhone night shift mitigate negative effects of smartphone use on sleep outcomes in emerging adults? Sleep Health. 2021. PMID 33867308
  5. Singh S, et al. Blue-light filtering spectacle lenses for visual performance, sleep, and macular health in adults. Cochrane Database Syst Rev. 2023. PMID 37593770
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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