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レチノールの化粧品は、しわに意味がある? 比較試験とまとめで分かったこと

しわ対策の成分として名前をよく見るレチノール。化粧品として塗ったときに何が報告されているのかを、比較試験と研究のまとめから整理しました。前向きな結果と慎重な評価の両方があります。

根拠 有望4分で読めます公開 2026.10.20更新 2026.10.20
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 平均87歳の36人の試験では、0.4%のレチノールを24週間塗った腕で、細かいしわの点数が下がったと報告された
  • 2024年の系統的レビューは、レチノールを根拠の強さ「A」と評価したが、比較試験の数と長期のデータは足りないとしている
  • 何も入っていないクリームと比べた9本の試験のうち4本では差がなく、試験の設計に問題があるという指摘もある
  • 使い始めに皮がむける、ひりひりするといった訴えが出やすい

レチノールを顔や腕に塗る比較試験では、細かいしわが目立ちにくくなったという報告が複数あります。ただし試験は小規模で短いものが多く、何も入っていないクリームと比べて差が出なかった試験もあるため、根拠は「有望」の段階です。

レチノールとは、どんな成分?

レチノールはビタミンAの一つの形で、化粧品の成分として美容液やクリームに使われています。肌の中でほかの形に変わりながら働くと考えられており、しわやしみの研究で長く調べられてきました。

この記事で扱うのは、化粧品として肌に塗る使い方です。食べ物やサプリでビタミンAをとる話とは別のものとして読んでください。

比較試験では、どんな結果が出た?

よく引用されるのは、2007年に米国ミシガン大学で行われた試験です。高齢者施設で暮らす平均87歳の36人が参加しました。片方の腕に0.4%のレチノールのローション、反対の腕にレチノールを含まない同じローションを、研究スタッフが週3回まで、24週間塗りました。

24週後、細かいしわの点数(0〜9の尺度)は、レチノール側で平均1.64下がり、もう片方ではほとんど変わりませんでした。一部の参加者では皮膚を少し採って調べており、水分を抱える成分やコラーゲンのもとが増えていたと報告されています。ただし、この検査を受けたのは4〜6人です。

顔の試験もあります。2019年に米国で行われた44人の試験では、0.5%のレチノールのクリームと、植物由来の成分(バクチオール)のクリームを12週間使い比べました。どちらの組でも、しわの面積と色むらが減り、2つの組の差ははっきりしませんでした。ただ、この試験には何も入っていないクリームの組がなく、レチノールそのものの働きを確かめる設計ではありません。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
腕の細かいしわ(平均87歳・36人の比較試験、24週)根拠 有望レチノール側で点数が下がった
顔のしわの面積と色むら(44人の比較試験、12週)根拠 初期減ったが、何も入っていないクリームとの比較はない
しわなどの見た目(32研究のまとめ)根拠 確立根拠の強さ「A」。長期のデータは不足
細かいしわ・色むら(23試験の比較のまとめ)根拠 確立よい結果。企業の影響の可能性も指摘
何も入っていないクリームとの差(9試験のレビュー)根拠 有望4本は差なし。残る5本も設計に問題

研究のまとめは、どう評価している?

2024年の系統的レビューは、化粧品の成分でしわなどを調べた32の研究、合わせて1,236人を集めました。うち20本が比較試験です。レチノールとビタミンCは、勧める根拠の強さが最も高い「A」と評価されました。大きな副作用は少なかったとしています。一方で、比較試験の数が限られていることと、長い期間のデータが足りないことを、著者自身が限界に挙げています。

2025年には、肌に塗る成分の比較試験23本、3,905人を、まとめて比べる解析(ネットワーク・メタ解析)も発表されました。レチノールは細かいしわと色むらで、よい結果が出ていました。ただし、参加者の人種が偏っていることや、企業の影響が入っている可能性も限界として書かれています。

慎重な見方もある?

2021年に英国の皮膚科医が書いたレビューは、評価が厳しめです。レチノールを、何も入っていない同じクリームと比べた二重盲検の比較試験を9本集めたところ、4本では差が出ていませんでした。残る5本も、細かいしわが少しよくなる可能性を示すだけで、試験の設計に大きな問題があると指摘しています。

同じ試験を見ても、まとめ方や評価の基準によって結論の強さが変わります。現時点では「細かいしわが少し目立ちにくくなる可能性がある」が、言える範囲に近いと考えられます。深いしわやたるみについては、はっきりした結果は出ていません。

使い始めに気をつけることは?

2019年の顔の試験では、レチノールを使った人に、皮がむける、ひりひりするといった訴えが多く出ていました。レチノールの化粧品では、使い始めの赤みや乾燥がよく知られています。製品の使用上の注意を読み、少量から試すのが無難です。

まだ分かっていないこと多くの試験は数十人規模で、期間は12〜24週です。何年も使い続けたときの変化や安全性は分かっていません。何も入っていないクリームと比べて差が出なかった試験もあり、研究のまとめによって評価が分かれています。製品ごとに濃度やクリームの基剤が違うため、ある試験の結果がほかの製品に当てはまるとは限りません。2025年の解析は参加者の人種の偏りと企業の影響の可能性を限界に挙げており、著者の一部は化粧品関連企業の所属です。日本人の肌での試験は、今回集めた研究では確認できませんでした。

では、どう考えればよいか

レチノールの化粧品は、細かいしわについて比較試験で報告がある成分です。ただし変化は小さく、試験によって結果は分かれています。高い製品ほどよいというデータもありません。期待しすぎず、肌の様子を見ながら使うかどうかを決めるのが現実的です。

今日からできること
  • レチノールの化粧品は、細かいしわが少し目立ちにくくなる可能性がある、という程度に考える
  • はじめて使う製品は、少量を目立たない場所に塗って様子を見る
  • 赤みやひりひりが続くときは使うのをやめ、皮膚科医に相談する
  • 妊娠中・授乳中の方、肌の病気で通院中の方は、使う前に医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
自然な加齢の肌とレチノール(Arch Dermatol 2007)米国の高齢者施設の36人(平均87歳)。二重盲検、左右の腕で比較。0.4%レチノールのローションまたは基剤を週3回まで24週間。細かいしわの点数の変化は−1.64対−0.08(P<.001)。皮膚の一部を調べた小グループ(4〜6人)でグリコサミノグリカンとI型プロコラーゲンが増加。資金は抄録に記載なし
バクチオールとレチノールの比較(Br J Dermatol 2019)44人、二重盲検、12週間。0.5%バクチオールを1日2回、または0.5%レチノールを1日1回。どちらもしわの面積と色素沈着が減り、両群に有意差なし。レチノール群で皮むけ・ひりつきの訴えが多い。基剤だけの対照群なし
化粧品成分の系統的レビュー(Arch Dermatol Res 2024)32研究・1,236人(比較試験20、非盲検12)。レチノールとビタミンCを推奨度A、ほかの成分はC以下か判定不能。重い有害事象は少ない。比較試験の少なさと長期データの不足を限界に挙げる
塗る成分のネットワーク・メタ解析(Sci Rep 2025)比較試験23本・3,905人。レチノールは細かいしわと色素沈着で有意な改善。人種の多様性の不足、企業による偏りの可能性、評価方法のばらつきを限界に挙げる。著者は利益相反なしと申告。著者の一部は中国の化粧品関連企業の研究所に所属
市販のビタミンA化粧品のレビュー(J Clin Aesthet Dermatol 2021)基剤と比べた二重盲検の比較試験9本を検討。4本は有意差なし。残る5本は細かいしわの軽い改善の弱い根拠にとどまり、方法に大きな欠陥があると評価。著者1人、利益相反なし
出典
  1. Kafi R, et al. Improvement of naturally aged skin with vitamin A (retinol). Arch Dermatol. 2007. PMID 17515510
  2. Dhaliwal S, et al. Prospective, randomized, double-blind assessment of topical bakuchiol and retinol for facial photoageing. Br J Dermatol. 2019. PMID 29947134
  3. Lau M, et al. Cosmeceuticals for antiaging: a systematic review of safety and efficacy. Arch Dermatol Res. 2024. PMID 38758222
  4. Lin L, et al. Comparative efficacy of topical interventions for facial photoaging: a network meta-analysis. Sci Rep. 2025. PMID 40707570
  5. Spierings NMK. Evidence for the Efficacy of Over-the-counter Vitamin A Cosmetic Products in the Improvement of Facial Skin Aging: A Systematic Review. J Clin Aesthet Dermatol. 2021. PMID 34980969
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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