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安静時の脈拍は1分に何回がいい? 心拍数と健康の研究で分かったこと

健診や血圧計、スマートウォッチで目にする心拍数。落ち着いているときの心拍数が高い人ほど、亡くなる割合が高いという報告があります。何回くらいがふつうか、数字が高めのときに何が分かっているかを、人の研究から整理しました。

根拠 初期5分で読めます公開 2026.10.21更新 2026.10.21
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 安静時心拍数の正常の範囲は1分間に60〜100回とされてきたが、50〜90回とする提案もある
  • 約125万人の追跡研究のまとめでは、10回多いごとに追跡中に亡くなる割合が9%高かった
  • 日本の8,363人の24年の追跡では、全体でははっきりした関係が見られず、結果は分かれている
  • 持久力の運動やヨガで安静時心拍数は下がると、比較研究のまとめで報告されている

安静時の心拍数(脈拍)が高い人ほど、その後の追跡で亡くなる割合が高いことが、世界の追跡研究のまとめで報告されています。ただし、どれも観察研究で、心拍数を下げれば長生きできると確かめたものではなく、日本人の研究では結果が分かれています。

安静時の心拍数は、何回くらいがふつう?

安静時心拍数は、座ったり横になったりして落ち着いているときの、1分間の心臓の拍動の数です。手首などで数える脈拍とほぼ同じ数になります。

一般に、1分間に60〜100回が正常の範囲とされてきました。ただ、この数字は話し合いで決められたもので、きちんと調べて決めたものではないと指摘されています。米国の医師が健康な500人を調べた報告では、50〜90回を正常の範囲とするほうが実態に合うと提案されました。

ふだんの暮らしの中で測った数字も報告されています。米国で約6万7,000人がスマートフォンのカメラで測った約314万回の記録では、平均は1分間に79.1回でした。年齢が上がるほど心拍数は低めで、45〜60歳では95%の人が100回以下、60歳を超える人では95回以下でした。女性であること、体重が多いこと、持病の数が多いことは、心拍数が高めになることと関係していました。

心拍数が高い人は、寿命が短い?

2016年に、46の追跡研究、約125万人をまとめた解析が発表されました。安静時心拍数が1分間に10回多いごとに、追跡中に亡くなる割合は9%高くなっていました。最も低い組と比べると、60〜80回の人では12%、80回を超える人では45%高いという結果です。血圧などの心臓や血管の病気の危険因子を差し引いても、結果はほぼ変わりませんでした。ただし、研究ごとのばらつきが大きく、結果の出た研究ほど発表されやすい偏りも見つかっています。

2025年には、台湾の約64万人とノルウェーの約5万6,000人を、およそ25年追った研究が報告されました。心拍数が1分間に80〜99回で血圧はふつうの人は、心拍数が60〜69回で高血圧の人よりも、亡くなる割合が高くなっていました。推定された寿命の短さは、前者で約10年、後者で約5.5年でした。高血圧との関係は40歳未満でははっきりしませんでしたが、心拍数との関係はどの年代でも見られました。

日本人の研究では、どうだった?

日本の一般の住民8,363人を24年追った研究(NIPPON DATA80)では、結果が異なりました。全体では、安静時心拍数と、心臓や血管の病気で亡くなる割合のあいだに、はっきりした関係は見られませんでした。

血液中のアルブミン(栄養状態の目安になるたんぱく質)で分けると、違いが出ています。アルブミンが低めの人では、心拍数が最も高い組で亡くなる割合が27%高くなっていました。一方、アルブミンが高めの人では、逆に低い結果でした。心拍数の意味は、体の状態によって変わる可能性があると研究チームは考えています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
安静時心拍数が高い人は、追跡中に亡くなる割合が高いか(46研究のまとめ)根拠 初期10回多いごとに9%高い。研究ごとのばらつきが大きい
心拍数が高めの人と高血圧の人の比較(台湾・ノルウェーの約69万人)根拠 初期80〜99回で血圧がふつうの人のほうが、亡くなる割合が高かった
日本人で同じ関係が見られるか(NIPPON DATA80)根拠 初期全体でははっきりせず、アルブミンの値で結果が逆になった
運動で安静時心拍数が下がるか(191研究のまとめ)根拠 有望どの運動でも下がる方向。持久力の運動とヨガではっきり
腕時計型の機器で心拍数を正確に測れるか(24の系統的レビューのまとめ)根拠 確立平均の誤差は±3%ほど。機器による差がある

運動で心拍数は下がる?

2018年に、健康な人を対象にした191の比較研究をまとめた解析が出ています。持久力の運動、筋トレ、ヨガ、太極拳など、調べられたどの運動でも、安静時心拍数は下がる方向でした。男女どちらでもはっきり下がったのは、持久力の運動とヨガでした。もともと心拍数が高い人ほど下がり幅が大きく、年齢が高い人ほど下がり幅は小さい傾向がありました。

ただし、運動で心拍数が下がったことが長生きにつながるかは、比較試験では確かめられていません。

スマートウォッチの心拍数は、どこまで正確?

2024年に、腕時計型などの機器の正確さを調べた24の系統的レビューをまとめた報告が出ました。心拍数の誤差は平均で±3%ほどでした。歩数や睡眠時間に比べると、心拍数は比較的よく測れている結果です。ただし、機器によって差があり、正確さを確かめた研究がある機器はまだ一部です。

まだ分かっていないこと心拍数と寿命の関係は、どれも観察研究によるものです。心拍数が高いことが原因なのか、体力の低さや見つかっていない病気の表れなのかは区別できません。46研究のまとめでは研究ごとのばらつきが大きく、結果の出た研究ほど発表されやすい偏りも見つかっています。日本人の研究では全体の関係がはっきりせず、海外の結果がそのまま当てはまるかは分かりません。運動で心拍数が下がることはまとめで報告されていますが、下がったことで長生きにつながるかを確かめた比較試験はありません。何回なら理想と言える目標の数字も、決まっていません。腕時計型の機器は、正確さを確かめた研究がある機器がまだ一部です。

数字をどう受け止めればよいか

安静時心拍数は、血圧と同じように自分で測れる数字です。1回の数字よりも、同じ条件で測ったときの、ふだんの値と変化を見ることが役に立ちます。いつもより高い状態が続く、脈が飛ぶ、動悸や息切れ、めまいがあるといったときは、医師に相談しましょう。

今日からできること
  • 朝など同じ時間帯に、座って落ち着いた状態で心拍数を測り、ふだんの値を記録しておく
  • 健診や血圧計で出る心拍数も、血圧と一緒に見ておく
  • ウォーキングなどの持久力の運動やヨガを、体調に合わせて続ける
  • いつもより高い状態が続く、脈が飛ぶ、動悸・息切れ・めまいがあるときは医師に相談する
  • 持病がある人や飲んでいる薬がある人は、運動の始め方や心拍数の目安を医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
正常な心拍数の範囲の再検討(South Med J 1996)60〜100回という従来の範囲は合意で決められ、正式に検証されていないと指摘。健康な500人を調べ、フラミンガム研究などの正常値とも合うとして、50〜90回を提案
日常で測った心拍数の分布(NPJ Digit Med 2019)米国のHealth eHeart研究。6万6,788人・314万4,332回のスマートフォンのカメラでの測定。平均79.1回(標準偏差14.5)。95パーセンタイルは18〜45歳で110以下、45〜60歳で100以下、60歳超で95以下。心電図との一致度0.90(50人)。著者の1人はアプリ企業の社員。企業からの資金提供はなし
安静時心拍数と死亡のまとめ(CMAJ 2016)前向きコホート46研究、124万6,203人・死亡7万8,349人。10回増えるごとの全死亡の相対リスク1.09、心血管死亡1.08。最も低い群と比べ、60〜80回で1.12、80回超で1.45。異質性と出版バイアスが大きい
台湾MJコホートとノルウェーHUNT研究(Prog Cardiovasc Dis 2025)69万2,217人(台湾63万6,064人、ノルウェー5万6,153人)、約25年追跡。心拍数80〜99回で血圧正常の人は、高血圧で心拍数60〜69回の人より全死亡が高い。推定された平均余命の短縮は10.29年と5.53年。高血圧のリスクは40歳未満で有意でなく、心拍数はどの年代でも有意。利益相反なし。資金は抄録に記載なし
NIPPON DATA80(J Epidemiol 2023)日本の一般住民で心血管病の既往のない8,363人、24.0年追跡。全体では心拍数と心血管死亡に有意な関連なし。アルブミン低値群で最も高い四分位のハザード比1.27、高値群で0.61(交互作用p<0.001)。利益相反なし
運動と安静時心拍数のまとめ(J Clin Med 2018)健康な人の対照つき介入研究191本・215サンプル(持久力121、筋トレ43、ヨガ21など)。すべての運動で低下の方向。男女とも有意だったのは持久力の運動とヨガ。介入前の心拍数が高いほど低下が大きく、年齢が高いほど小さい。利益相反なし
ウェアラブル機器の正確さのまとめ(Sports Med 2024)系統的レビュー24本、検証研究249本・43万465人のアンブレラ・レビュー。心拍数の平均のずれは±3%。市販機器のうち何らかの項目で検証されたのは約11%。資金: アイルランド科学財団。利益相反なし
出典
  1. Spodick DH. Normal sinus heart rate: appropriate rate thresholds for sinus tachycardia and bradycardia. South Med J. 1996. PMID 8685750
  2. Avram R, et al. Real-world heart rate norms in the Health eHeart study. NPJ Digit Med. 2019. PMID 31304404
  3. Zhang D, et al. Resting heart rate and all-cause and cardiovascular mortality in the general population: a meta-analysis. CMAJ. 2016. PMID 26598376
  4. Wen CP, et al. Resting heart rate - The forgotten risk factor? Comparison of resting heart rate and hypertension as predictors of all-cause mortality in 692,217 adults in Asia and Europe. Prog Cardiovasc Dis. 2025. PMID 39894380
  5. Liu Y, et al. Impact of Resting Heart Rate on Cardiovascular Mortality According to Serum Albumin Levels in a 24-year Follow-up Study on a General Japanese Population: NIPPON DATA80. J Epidemiol. 2023. PMID 34511560
  6. Reimers AK, et al. Effects of Exercise on the Resting Heart Rate: A Systematic Review and Meta-Analysis of Interventional Studies. J Clin Med. 2018. PMID 30513777
  7. Doherty C, et al. Keeping Pace with Wearables: A Living Umbrella Review of Systematic Reviews Evaluating the Accuracy of Consumer Wearable Technologies in Health Measurement. Sports Med. 2024. PMID 39080098
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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