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オメガ3のサプリは意味がある? 大規模試験と食事の魚との違い

魚の油に多いオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)。サプリで毎日とると心臓や血管の病気が減るのかを、大規模な試験と研究のまとめから整理しました。食事で魚を食べることとの違いも見ていきます。

根拠 確立4分で読めます公開 2026.10.17更新 2026.10.17
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 病気のない人がオメガ3のサプリを飲んだ大規模な試験では、心臓や血管の病気の発症に、はっきりした差は出ていない
  • 86の試験をまとめた解析でも、死亡や心臓・血管の病気への差はほとんどない。中性脂肪は約15%下がる
  • 量が多いほど、心房細動という不整脈が増えるという報告がある
  • 魚をよく食べる人ほど心臓・血管の病気で亡くなる割合が低いという関連は、観察研究によるもので、サプリにそのまま当てはめられない

病気のない人がオメガ3のサプリを飲む大規模な試験では、心臓や血管の病気の発症に、はっきりした差は出ていません。一方で、量が多いほど心房細動という不整脈が増えるという報告もあり、魚を食べることとサプリを飲むことは分けて考えたほうがよさそうです。

オメガ3とは、どんな成分?

オメガ3脂肪酸は、油に含まれる脂肪酸の一種です。青魚に多いEPAとDHA、植物の油に多いALA(アルファリノレン酸)があります。魚の油のサプリに入っているのは、主にEPAとDHAです。

魚をよく食べる人には心臓や血管の病気が少ない、という観察研究がいくつもあります。そこで、サプリとして飲むと実際に病気が減るのかを、大きな比較試験で確かめることになりました。

大規模な試験では、何が分かった?

代表的なのが、米国のVITAL(バイタル)試験です。50歳以上の男性と55歳以上の女性25,871人を、オメガ3を1日1g飲む組と、見た目が同じ偽物を飲む組に分け、中央値で5.3年追いかけました。心筋梗塞・脳卒中・心臓や血管の病気による死亡を合わせた発症は、オメガ3の組が386人、偽物の組が419人で、統計的にはっきりした差はありませんでした。がんの発症にも差はなく、出血などの重い有害事象も増えていません。心筋梗塞だけを見ると少なかったものの、これは主な評価項目ではない参考の結果です。

2020年のコクラン・レビュー(医学研究のまとめで知られる国際的な団体による解析)は、1年以上続いた86の比較試験・162,796人を集めました。EPA・DHAを増やしても、全体の死亡や心臓・血管の病気には、ほとんど、あるいはまったく差がないという結果で、根拠の確かさは高いと判定されています。心筋梗塞などの冠動脈の病気はわずかに減る可能性がありますが、確かさは低く、1人の発症を防ぐのに167人が飲み続ける計算です。中性脂肪(血液中の脂肪の一種)は約15%下がり、量が多いほど下がっていました。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
心臓・血管の病気の発症(病気のない人)根拠 確立はっきりした差なし(86試験のまとめ・2万6千人の試験)
全体の死亡根拠 確立差はほとんどない(86試験のまとめ)
心筋梗塞などの冠動脈の病気根拠 有望わずかに減る可能性(根拠の確かさは低い)
中性脂肪根拠 確立約15%下がった(86試験のまとめ)
心房細動(不整脈の一種)根拠 確立増えた。量が多いほど増える(7試験のまとめ)
魚を食べること根拠 初期多く食べる人ほど心臓・血管の病気で亡くなる割合が低い(観察研究のまとめ)

飲むときに気をつけることはある?

2021年の解析は、心臓や血管の病気を調べた大規模な試験7本・81,210人(平均65歳)をまとめ、心房細動の発症を比べました。心房細動は、心臓のリズムが乱れる不整脈の一種です。オメガ3を飲んだ組では心房細動が25%多く、1日1gを超える試験では49%、1g以下の試験でも12%多くなっていました。1日の量が1g増えるごとに、11%ずつ多くなる計算です。

英国の40〜69歳、約41万6,000人を中央値11.9年追った観察研究でも、心臓や血管の病気のない人では、魚の油のサプリを習慣的に飲む人のほうが、心房細動になる割合が13%高くなっていました。ただし観察研究なので、サプリそのものが原因かどうかは分かりません。

魚を食べるのとは、何が違う?

魚を食べることを調べた比較試験は、ほとんどありません。コクラン・レビューも、魚を食べることの効果を示す根拠は少ないとしています。手がかりになるのは観察研究で、14の追跡調査・約91万人をまとめた解析では、魚を1日20g多く食べるごとに、心臓や血管の病気で亡くなる割合が4%低いという関連が見られました。この関連がはっきりしていたのは、アジアの調査でした。

魚には、オメガ3のほかにもさまざまな栄養が含まれます。魚をよく食べる人は、ほかの食生活も違っている可能性があります。魚を食べる人の結果を、そのままサプリに当てはめることはできません。

まだ分かっていないこと大規模な試験の多くは欧米で行われ、1日1g前後のサプリを使っています。もともと魚をよく食べる日本人が飲んだときに同じ結果になるかは、はっきりしていません。魚を食べることの利点は観察研究によるもので、魚そのものの働きなのか、魚を食べる人のほかの生活習慣によるものなのかは区別できていません。心房細動が増える仕組みも分かっていません。

では、どうすればよいか

病気のない人が心臓や血管の病気を防ぐ目的でオメガ3のサプリを足すことは、いまのところ大規模な試験では支持されていません。オメガ3をとりたいなら、まずは食事の魚から考えるのが現実的です。すでにサプリを飲んでいる方は、量を確かめておくとよいでしょう。

なお、医療機関で病気の治療に使われる高用量の製剤は、この記事では扱っていません。心臓の病気がある方、血が固まりにくくなる薬を飲んでいる方は、自己判断で始めたりやめたりせず、医師に相談してください。

オメガ3について今日からできること
  • オメガ3をとりたいなら、まず食事の魚から考える
  • 病気を防ぐ目的でサプリを足すことは、大規模な試験では支持されていないと知っておく
  • サプリを飲んでいる方は、1日に何gとっているかを確かめる
  • 心臓の病気がある方、血が固まりにくくなる薬を飲んでいる方、妊娠中・授乳中の方は、医師に相談を
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
VITAL試験(N Engl J Med 2019)米国の50歳以上の男性・55歳以上の女性25,871人。オメガ3を1日1g vs 偽薬、中央値5.3年。主な心血管イベント 386人 vs 419人(ハザード比0.92、95%信頼区間0.80〜1.06)、浸潤がん 820人 vs 797人で差なし。心筋梗塞はハザード比0.72(副次評価項目)。出血・重い有害事象の増加なし。資金は米国立衛生研究所ほか
コクラン・レビュー(Cochrane 2020)1年以上のランダム化比較試験86本・162,796人。EPA・DHAで全死亡の相対リスク0.97(確かさ高)、心血管イベント0.96(確かさ高)、脳卒中1.02。冠動脈疾患イベント0.91(確かさ低、167人に1人)。中性脂肪は量に応じて約15%低下。著者に利益相反なし
心房細動の解析(Circulation 2021)大規模試験7本・81,210人(平均65歳、追跡は平均4.9年)。心房細動のハザード比1.25。1日1g超で1.49、1g以下で1.12。1g増えるごとに1.11
英国の観察研究(BMJ Med 2024)UK Biobank の40〜69歳415,737人、中央値11.9年。心血管疾患のない人で、魚油サプリの習慣的な使用は心房細動へのハザード比1.13、脳卒中へ1.05。すでに病気のある人では逆向きの関連も見られた。資金はビル&メリンダ・ゲイツ財団
魚を食べることの解析(Public Health Nutr 2018)前向きコホート14本・911,348人。魚を1日20g多く食べるごとに心血管死亡の相対リスク0.96、全死亡0.98(境界的)。有意な関連はアジアの研究のみ。欧米の研究では1日約20gで最も低いU字型
出典
  1. Manson JE, et al. Marine n-3 Fatty Acids and Prevention of Cardiovascular Disease and Cancer. N Engl J Med. 2019. PMID 30415637
  2. Abdelhamid AS, et al. Omega-3 fatty acids for the primary and secondary prevention of cardiovascular disease. Cochrane Database Syst Rev. 2020. PMID 32114706
  3. Gencer B, et al. Effect of Long-Term Marine ω-3 Fatty Acids Supplementation on the Risk of Atrial Fibrillation in Randomized Controlled Trials of Cardiovascular Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis. Circulation. 2021. PMID 34612056
  4. Chen G, et al. Regular use of fish oil supplements and course of cardiovascular diseases: prospective cohort study. BMJ Med. 2024. PMID 38800667
  5. Jayedi A, et al. Fish consumption and risk of all-cause and cardiovascular mortality: a dose-response meta-analysis of prospective observational studies. Public Health Nutr. 2018. PMID 29317009
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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