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緑茶を飲む人は長生き? 日本の大規模追跡研究で分かること、分からないこと

「緑茶を飲む人は長生き」という話は、日本の大規模な追跡調査から生まれたものです。約31万人のデータで見えてきたことと、まだ言えないことを分けて整理しました。

根拠 初期5分で読めます公開 2026.10.17更新 2026.10.17
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • 日本の8つの追跡調査(約31万人)では、緑茶を1日5杯以上飲む人は、1杯未満の人より追跡中に亡くなる割合が男性で10%、女性で18%低かった
  • 差が大きかったのは心臓の病気と脳の血管の病気で、がんで亡くなる割合は調査によって結果が分かれている
  • 観察研究なので、緑茶が長生きの原因かどうかは分からない。4〜24週間の比較試験では、血圧やコレステロールの値にはっきりした差は出ていない

緑茶をよく飲む人ほど、その後に亡くなる割合がやや低いことが、日本の大規模な追跡調査で報告されています。ただし、緑茶が長生きの原因かどうかは分かっていません。短い期間の比較試験では、血圧やコレステロールの値に、はっきりした差は見られませんでした。

日本の調査では、どれくらいの差が見られた?

2019年に、国立がん研究センターなどの研究チームが、日本の8つの追跡調査をまとめた結果を発表しました。対象は約31万人で、平均17年あまり追跡し、その間に約5万3,000人が亡くなっています。

緑茶を1日1杯未満しか飲まない人に比べ、1日5杯以上飲む人は、追跡中に亡くなる割合が男性で10%、女性で18%低くなっていました。心臓の病気や、脳卒中などの脳の血管の病気で亡くなる割合では、差がより大きくなっていました。女性では、1日1〜4杯の人で、がんで亡くなる割合もやや低くなっていました。

宮城県の大崎地域で、40〜79歳の約4万人を最長11年追った研究もあります(2006年発表)。1日5杯以上飲む人は、1杯未満の人に比べ、亡くなる割合が男性で12%、女性で23%低くなっていました。一方、この研究では、がんで亡くなる割合に差は見られませんでした。

世界の研究をまとめると、どうなる?

2024年に、緑茶や紅茶を合わせた「お茶」について、38の追跡調査、約196万人のデータをまとめた解析が発表されました。最も多く飲む人は、最も少ない人に比べ、亡くなる割合が10%低くなっていました。

この解析で差が最も大きかったのは1日2杯ほどで、それ以上飲んでも差は広がりませんでした。日本の調査では5杯以上の人で差が最も大きかったので、量の目安は研究によって異なります。1杯の大きさも国や調査によって違うため、杯数をそのまま比べることはできません。

「緑茶を飲めば長生きする」と言える?

ここまでの研究は、どれも観察研究(ふだんの暮らしのまま飲む量を調べ、その後の健康と見比べる方法)です。分かるのは「よく飲む人は長生きの傾向がある」という関連までです。

緑茶をよく飲む人とそうでない人では、食事や暮らし方、体調がもともと違うかもしれません。研究では年齢やたばこ、飲酒などの影響を差し引いていますが、すべてを取り除くことはできません。また、どの調査も、飲む量は調査の始めに本人の回答で一度調べただけです。

体の中で何が変わるのかを確かめるには、比較試験(くじ引きで組を分け、片方だけに飲んでもらって比べる方法)が必要です。2020年に、14の比較試験、合わせて798人をまとめた解析が発表されました。緑茶または紅茶を4〜24週間飲んでも、血圧やコレステロール、中性脂肪の値に、はっきりした差は見られませんでした。ただし、どの試験も人数が少なく、差を見つけるには力が足りないと著者は書いています。

緑茶のエキスのサプリでも同じ?

飲む緑茶と、成分を濃縮したエキスのサプリは別のものと考えたほうがよさそうです。米国薬局方(USP)の専門家の会議が2020年にまとめた報告は、緑茶エキスのサプリと肝臓の障害との関係を取り上げています。報告された例では、緑茶に含まれるカテキンの一種(EGCG)を、1日140mgから約1,000mgとっていました。空腹時にまとめてとると体に吸収される量が増えること、起こりやすさには個人差が大きいことも書かれています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
1日5杯以上飲む人の、亡くなる割合(日本の8調査・約31万人)根拠 初期1杯未満の人より男性10%・女性18%低い
心臓の病気・脳の血管の病気で亡くなる割合(同じまとめ)根拠 初期男性18〜24%・女性22〜25%低い
がんで亡くなる割合(宮城県大崎地域・約4万人)根拠 初期差は見られなかった
お茶全体と亡くなる割合(38調査・約196万人のまとめ)根拠 初期10%低い。1日2杯ほどで差が最大
4〜24週間飲んだときの血圧・コレステロール(14の比較試験・798人のまとめ)根拠 有望はっきりした差なし(人数が少なく判断に限界)
まだ分かっていないこと緑茶を飲むことで寿命がのびるかどうかは、比較試験では確かめられていません。追跡調査では、飲む量を調査の始めに本人の回答で一度調べただけで、その後の変化や、茶葉の種類・濃さ・1杯の量は分かりません。がんで亡くなる割合は、女性で低いとする結果と、差がないとする結果があり、一致していません。比較試験は期間が最長24週間と短く、人数も少ないため、長く飲み続けたときに体の数値が変わるかどうかは分かっていません。また、緑茶エキスのサプリで肝臓の障害が起こる量や、起こりやすい人の特徴も十分には分かっていません。

では、どうすればよいか

ふだん緑茶を飲んでいる方が、その習慣を変える理由は、今のところ見当たりません。ただし、長生きのために量を増やしたり、エキスのサプリに置き換えたりすることを勧める根拠もありません。緑茶はあくまで食事の一部として、無理のない量を楽しむのがよさそうです。

今日からできること
  • 今緑茶を楽しんでいる方は、ふだんの量のままでかまわない
  • 飲まない方が、長生きのために無理に飲み始める必要はない
  • 緑茶にもカフェインが含まれるので、眠りが浅いと感じる方は夕方以降の量を控えてみる
  • 緑茶エキスのサプリは飲むお茶とは別のものと考え、肝臓の病気がある方や、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、使う前に医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
日本の8つの追跡調査のまとめ(Eur J Epidemiol 2019)31万3,381人、平均17.3年、死亡5万2,943人。1日1杯未満に比べ5杯以上で全死亡のハザード比 男性0.90・女性0.82。心臓病の死亡 男性0.82・女性0.75、脳血管の病気の死亡 男性0.76・女性0.78。女性では1〜2杯・3〜4杯でがんの死亡がやや低い(0.89・0.91)。飲む量は開始時の自己申告。国立がん研究センターなどの研究班
宮城県大崎地域の研究(JAMA 2006)脳卒中・心臓病・がんの既往のない40〜79歳の4万530人。全死亡は最長11年(死亡4,209人)、死因別は最長7年。5杯以上で全死亡のハザード比 男性0.88・女性0.77。心血管病の死亡との関連がより強く、なかでも脳卒中で最も強い。がんの死亡はどの量でも差なし。東北大学
38の追跡調査のまとめ(Epidemiol Health 2024)27論文・38データセット、195万6,549人。最も多く飲む人と少ない人の比較で全死亡0.90、心血管病の死亡0.86、がんの死亡0.90(統計的に有意でない)。全死亡は1日2杯で差が最大(0.91)、それ以上で追加の低下なし。緑茶と紅茶を含む。著者は利益相反なしと開示
14の比較試験のまとめ(J Nutr 2020)緑茶・紅茶・対照に割り付けた798人、期間4〜24週(平均7.4週)。健康な人でも、肥満・血糖値が高め・コレステロールが高めの人でも、血圧・コレステロール・中性脂肪に有意な差なし。根拠の確かさは低〜中程度で、人数不足が限界。研究計画を事前登録(PROSPERO CRD42020134513)
緑茶エキスと肝臓の障害の総説(Toxicol Rep 2020)米国薬局方(USP)の専門家パネルによる系統的な総説。報告例ではEGCGを1日140mg〜約1,000mg摂取。空腹時のまとめ飲みで吸収量が増え、起こりやすさに大きな個人差。USPは製品の表示に「空腹時に飲まない」「肝臓に問題がある人は使わない」などの注意を求めている。著者の一部はUSPの職員
出典
  1. Abe SK, et al. Green tea consumption and mortality in Japanese men and women: a pooled analysis of eight population-based cohort studies in Japan. Eur J Epidemiol. 2019. PMID 31392470
  2. Kuriyama S, et al. Green tea consumption and mortality due to cardiovascular disease, cancer, and all causes in Japan: the Ohsaki study. JAMA. 2006. PMID 16968850
  3. Kim Y, Je Y. Tea consumption and risk of all-cause, cardiovascular disease, and cancer mortality: a meta-analysis of thirty-eight prospective cohort data sets. Epidemiol Health. 2024. PMID 38938012
  4. Igho-Osagie E, et al. Short-Term Tea Consumption Is Not Associated with a Reduction in Blood Lipids or Pressure: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. J Nutr. 2020. PMID 33188386
  5. Oketch-Rabah HA, et al. United States Pharmacopeia (USP) comprehensive review of the hepatotoxicity of green tea extracts. Toxicol Rep. 2020. PMID 32140423
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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