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速く歩くと何が変わる? 歩く速さとインターバル速歩の研究

歩数の話はよく聞きますが、歩く速さについてはあまり知られていません。速く歩く人の健康の傾向と、速歩きを取り入れた日本の比較試験で分かったことを整理しました。

根拠 有望5分で読めます公開 2026.10.17更新 2026.10.17
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • ふだん速く歩く人ほど、追跡中に亡くなる割合が低いという関連が、13の追跡調査(約53万人)のまとめで報告されている
  • 速歩きとゆっくり歩きを3分ずつくり返すインターバル速歩では、5か月で太ももの筋力が13〜17%、体力が8〜9%伸びたという日本の比較試験がある
  • 速く歩くことで寿命がのびるかどうかは、比較試験ではまだ確かめられていない

ふだん速く歩く人ほど、その後に亡くなる割合が低いことが、世界の多くの追跡調査で報告されています。速歩きとゆっくり歩きを交互にくり返す「インターバル速歩」では、太ももの筋力や体力が伸び、血圧が下がったという日本の比較試験があります。ただし、速く歩くことで寿命がのびるかどうかは、まだ確かめられていません。

速く歩く人は、長生きしている?

2024年に、13の追跡調査、約53万人のデータをまとめた解析が発表されました。歩く速さが最も速い組は、最も遅い組に比べ、追跡中に亡くなる割合が43%低くなっていました。歩く速さが秒速0.1m上がるごとに、亡くなる割合は6%ずつ低くなるという関係も示されています。

英国では、11の健康調査に参加した約5万人を調べた研究があります(2018年)。自分の歩く速さを「ふつう」と答えた人は、「ゆっくり」と答えた人に比べ、亡くなる割合が20%低くなっていました。「速い」と答えた人では24%低くなっていました。心臓や血管の病気で亡くなる割合でも同じ傾向でしたが、がんで亡くなる割合には差がありませんでした。この関連は、50歳以上の人や、ふだんの運動量が国の目安に届かない人ではっきり見られました。

どれくらいの速さを「速い」と言う?

歩く速さと2型糖尿病になる割合を調べた、10の追跡調査のまとめが2024年に発表されています。この研究は、速さを時速で分けて比べました。のんびり歩き(時速3.2km未満)に比べ、やや速歩き(時速4.8〜6.4km)では糖尿病になる割合が24%、速歩き(時速6.4km超)では39%低くなっていました。時速4kmあたりから、差がはっきりし始めていました。

時速4.8kmは、1分で約80m進む速さです。不動産広告の「徒歩1分」は80mで計算されているので、表示どおりの時間で歩ける速さがひとつの目安になります。ただし、このまとめのもとになった研究の多くは偏りの心配が大きく、根拠の確かさは「低〜中程度」と著者自身が評価しています。

インターバル速歩とは、どんな歩き方?

信州大学の研究チームが研究を続けている歩き方で、速歩き3分とゆっくり歩き3分を1セットとしてくり返します。2007年に発表された比較試験では、平均63歳の246人を、くじ引きで3つの組に分けました。歩く練習をしない組、1日8,000歩以上をふつうの速さで歩く組、インターバル速歩を1日5セット以上・週4日以上行う組です。期間は5か月でした。速歩きは、その人の歩く体力の上限の7割を超える強さに設定しています。ゆっくり歩きは4割ほどの強さです。参加者は歩数や強さを記録する機器を身につけ、記録をもとに続け具合を確かめていました。

インターバル速歩の組では、膝を伸ばす力が13%、曲げる力が17%伸び、体力の指標(最大酸素摂取量)も8〜9%伸びていました。どれも、ふつうの速さで歩いた組より大きな伸びでした。安静時の上の血圧も、インターバル速歩の組でより大きく下がっていました。

注意点もあります。インターバル速歩の組で、目標どおりに続けられたのは87人中42人でした。2024年に同じ研究チームを含む国際チームがまとめた総説も、短い期間の研究では続けやすい一方で、長く続けることは課題だとしています。病気になる割合や寿命への影響を確かめるには、長期の研究が必要だとも書いています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
歩く速さと亡くなる割合(13の追跡調査・約53万人のまとめ)根拠 初期最も速い組は最も遅い組より43%低い
自分で答えた歩く速さ(英国・約5万人)根拠 初期「ふつう」で20%・「速い」で24%低い。がんの死亡は差なし
2型糖尿病になる割合(10の追跡調査のまとめ)根拠 初期時速6.4km超の速歩きで39%低い
インターバル速歩で筋力・体力が伸びるか(246人・5か月の比較試験)根拠 有望膝を伸ばす力13%・体力8〜9%伸びた
安静時の血圧(同じ比較試験)根拠 有望ふつうの速さで歩いた組より大きく下がった
まだ分かっていないこと速く歩くことで寿命がのびるかどうかを、比較試験で確かめた研究はありません。追跡調査では、病気や体力の衰えのために歩くのが遅くなっている人も含まれるため、「遅いから長生きしにくい」のか「体調が悪いから遅い」のかを完全には区別できません(英国の研究は、最初の2年に亡くなった人などを除いて調べています)。歩く速さの多くは本人の回答で、実際に測ったものではありません。糖尿病のまとめは、もとの研究の多くに偏りの心配があります。インターバル速歩の比較試験は5か月の1本で、目標どおりに続けられた人は半分ほどでした。病気になる割合や寿命への影響は調べていません。

では、どうすればよいか

英国の研究チームは、歩く量や回数を増やしにくい人には、歩く速さに目を向けることを提案しています。今の散歩や通勤の一部を速歩きに変えることから始められます。速く歩くのがつらい日は、ふつうの速さで歩くだけでもかまいません。比較試験でも、目標どおりに続けられた人は半分ほどだったので、続けられる量を自分で探すことが出発点になります。

今日からできること
  • 散歩や通勤の一部で、1分に約80m(不動産広告の「徒歩1分」)の速さを意識してみる
  • インターバル速歩を試すなら、比較試験の条件(速歩き3分・ゆっくり歩き3分を1日5セット・週4日)をひとつの目安にする
  • 最初は1〜2セットから始め、続けられる量を探す
  • 膝や腰に痛みがある方、心臓や血圧の持病がある方は、始める前に医師に相談する。歩いている途中で胸の痛みや強い息苦しさが出たら中止する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
13の追跡調査のまとめ(J Sports Sci 2024)53万841人。最も速い組は最も遅い組に比べ全死亡のハザード比0.57。秒速0.1m上がるごとに0.94。65歳を超える人では直線的でない関係。測った速さでも自己申告の速さでも同様の傾向
英国の11の健康調査(Br J Sports Med 2018)イングランドとスコットランドの調査(1994〜2008年)、歩く人5万225人。最初の2年の死亡を除いた4万9,731人で、「ゆっくり」に比べ「ふつう」で全死亡20%・「速い」で24%低い。心血管病の死亡は24%・21%低い。がんの死亡とは関連なし。性別・体格で差なし。著者は利益相反なしと開示
歩く速さと2型糖尿病のまとめ(Br J Sports Med 2024)追跡調査10本。時速3.2km未満に比べ、時速3.2〜4.8kmで相対危険0.85、4.8〜6.4kmで0.76、6.4km超で0.61。時速4km以上で有意に低下。全体の運動量で調整しても差なし。根拠の確かさは低〜中程度、多くの研究で偏りのリスクが高い。研究計画を事前登録(PROSPERO CRD42023432795)。著者は利益相反なしと開示
インターバル速歩の比較試験(Mayo Clin Proc 2007)平均63歳の男性60人・女性186人を3組に割り付け、5か月。インターバル速歩は体力の上限の40%で3分・70%超で3分を1日5セット以上、週4日以上。膝を伸ばす力13%・曲げる力17%、自転車での最大酸素摂取量8%・歩行での9%向上(ふつう歩きの組より有意に大きい)。安静時の上の血圧の低下も大きい。目標達成は87人中42人。信州大学
インターバル速歩の総説(Appl Physiol Nutr Metab 2024)デンマークと信州大学の研究者による総説。体力・筋力を高め、生活習慣病に関わる要因を減らすと整理。短期の研究では継続率が高いが、長期の継続が課題。実生活での長期研究が必要。著者の一部に講演料・コンサルティングなどの開示あり
出典
  1. Liu Y, et al. Dose-response association between walking speed and all-cause mortality: A systematic review and meta-analysis of cohort studies. J Sports Sci. 2024. PMID 39133765
  2. Stamatakis E, et al. Self-rated walking pace and all-cause, cardiovascular disease and cancer mortality: individual participant pooled analysis of 50 225 walkers from 11 population British cohorts. Br J Sports Med. 2018. PMID 29858463
  3. Jayedi A, et al. Walking speed and the risk of type 2 diabetes: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2024. PMID 38050034
  4. Nemoto K, et al. Effects of high-intensity interval walking training on physical fitness and blood pressure in middle-aged and older people. Mayo Clin Proc. 2007. PMID 17605959
  5. Karstoft K, et al. Health benefits of interval walking training. Appl Physiol Nutr Metab. 2024. PMID 38507778
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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