公園で片足立ちをする60代の女性

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片足立ちとバランスの運動で、転びにくくなる? 比較試験のまとめから

片足立ちなどのバランスの運動は、転倒予防のためによく勧められます。どのくらい転びにくくなるのか、どんな運動なら確かめられているのかを、比較試験のまとめを中心に整理しました。

根拠 確立4分で読めます公開 2026.10.19更新 2026.10.19
RATRAT編集部
生成AIで下書きし、編集部が出典と内容を確認しました
この記事の要点
  • バランスと日常動作の運動で、転ぶ回数が24%少なくなったと、108の比較試験のまとめで報告されている(根拠の確かさは高い)
  • 根拠が最も確かなのは、指導者がつき3か月以上続けるバランス・筋トレの運動。ウォーキングだけで転倒が減るかは確かめられていない
  • ヨガをもとにした運動の比較試験では、転倒がかえって多かった例もあり、運動の内容で結果は変わる
  • 片足で10秒立てるかは今の状態の目安になるが、それを鍛えて寿命がのびるかは分かっていない

バランスと日常動作の運動を続けた高齢者は、転ぶ回数が約4分の1少なくなったことが、100を超える比較試験のまとめで報告されています。根拠の確かさは「高い」と評価されていますが、どの運動でも同じ結果になるわけではありません。

ここでいうバランスの運動は、片足で立つ、かかととつま先をつけて一直線に歩くといった、姿勢を保つ力をきたえる運動です。研究では、椅子からの立ち座りや段の上り下りなど、日常の動作に近い運動とまとめて調べられることが多くあります。

バランスの運動で、転ぶ回数は減る?

2019年に、国際的な系統的レビューの団体であるコクランが、108の比較試験をまとめました。比較試験は、参加者をくじ引きで組に分け、片方だけ運動してもらって比べる方法です。対象は25か国の、地域で暮らす60歳以上の約2万3,000人で、平均年齢は76歳でした。

バランスと日常動作の運動をした組は、運動をしなかった組より、転ぶ回数が24%少なくなっていました。1回以上転んだ人の割合も13%少なく、どちらも根拠の確かさは「高い」とされています。バランスの運動に筋トレなどを組み合わせた場合は、転ぶ回数が34%少ない可能性があります。太極拳でも19%少ない可能性が示されました。

一方、筋トレだけ、ダンスだけ、ウォーキングだけのプログラムで転倒が減るかは、はっきりしませんでした。骨折を伴う転倒は27%少ない可能性があるものの、試験が少なく、確かさは「低い」と評価されています。

新しい研究でも、同じ結果?

2024年には、カナダの予防医療の委員会が勧告を作るため、219の比較試験、約17万人の結果をまとめました。転倒を減らす根拠が最も確かだったのは、指導者がついて3か月以上続けるバランス・筋トレの運動と、集団で行う太極拳でした。ウォーキングを中心にした運動では、転倒を減らす十分な根拠のあるものはありませんでした。効果は、転びやすい人で特に当てはまるとされています。

注意が必要な結果もあります。2025年にオーストラリアで、60歳以上の700人を対象に、ヨガをもとにした運動を週2回、1年続けてもらう比較試験が行われました。ところが、ヨガの組は、座って呼吸やストレッチをする組より、転ぶ回数が多くなっていました。1人あたりの年間の転倒は、0.87回と0.64回です。教室の多くはオンラインで行われました。研究チームは、この形の運動を転倒予防には勧められないとし、動きのあるバランスの練習を加えた内容を検討すべきだとしています。

片足で立てる時間は、何を表す?

ブラジルでは、51〜75歳の約1,700人に片足で10秒立てるかを調べ、平均7年追った研究があります。10秒立てなかった人は、約5人に1人でした。年齢や持病などの違いを差し引いても、立てなかった人の亡くなる割合は1.84倍でした。

ただし、これは観察研究で、片足立ちの力が弱いことが原因とは言えません。運動の習慣や最近の転倒歴は差し引けていないと、著者自身が書いています。片足立ちは、今のバランスの状態を知る目安のひとつと考えるのがよさそうです。

どのくらい続ければよい?

健康な65歳以上を対象にした23の比較試験のまとめでは、バランスの力が最も伸びたのは、週3回、1回31〜45分、11〜12週続けた場合でした。週の合計では91〜120分です。ただし、試験の質は全体に高くなく、条件ごとに別々に比べた結果だと著者は断っています。

効果ごとの根拠の強さ判定の基準
調べたこと根拠結果
転ぶ回数が減るか(バランス・日常動作の運動、39の比較試験)根拠 確立24%少なかった。確かさは高い
1回以上転んだ人の割合(37の比較試験)根拠 確立13%少なかった。確かさは高い
筋トレなどとの組み合わせ(11の比較試験)根拠 有望34%少ない可能性。確かさは中程度
骨折を伴う転倒(10の比較試験)根拠 有望27%少ない可能性。確かさは低い
ヨガをもとにした運動(700人・1年)根拠 有望転倒がかえって多かった
片足で10秒立てるかと死亡(約1,700人・7年)根拠 初期立てない人は1.84倍
まだ分かっていないこと骨折や入院につながる転倒が減るかは、試験が少なく確かではありません。生活の質には、ほとんど差が見られませんでした。108の比較試験のまとめでは、多くの試験に偏りの恐れが残り、副作用をきちんと記録した試験は1本だけでした。報告された副作用の多くは筋肉や関節の軽いもので、重いものは1つの試験の2件でした。効果は転びやすい人で特に当てはまるとされ、転ぶ心配の少ない人で同じ大きさになるかは分かりません。片足立ちと死亡の研究は観察研究で、運動の習慣や転倒歴を差し引いていません。運動量の目安を示した解析も、試験の質が全体に低く、結果のばらつきが大きいと著者自身が書いています。

では、どうすればよいか

比較試験のまとめからは、バランスの運動を中心に筋トレも組み合わせ、数か月以上続ける形が最も確かめられています。初めての方は、壁や椅子の背につかまれる場所で、転んでも危なくない環境から始めてください。

今日からできること
  • 片足立ちは、壁や椅子の背に手を添えられる場所で行う
  • バランスの運動に、椅子からの立ち座りなどの筋トレを組み合わせる
  • 週に合計90〜120分ほどを目安に、数か月以上続ける
  • 自治体や地域の運動教室など、指導者のいる場で始めるのもひとつの方法
  • めまいがある方、最近転んだ方、骨や関節・心臓の持病がある方は、始める前に医師に相談する
詳しく知りたい方へ(研究の中身)
地域で暮らす高齢者の運動と転倒(Cochrane 2019)比較試験108本・2万3,407人、25か国、平均76歳、女性77%。運動全体で転倒回数の比0.77、転倒者の比0.85(いずれも確かさ高)。バランス・機能的運動で転倒回数0.76(39試験・7,920人)、転倒者0.87(37試験)。複数の運動の組み合わせで転倒回数0.66(確かさ中)。太極拳で転倒回数0.81(確かさ低)、転倒者0.80(確かさ高)。骨折を伴う転倒者0.73(確かさ低)。生活の質はほぼ差なし。有害事象を厳密に記録したのは1試験、重いものは1試験で2件。著者の一部は対象試験の著者
カナダの勧告のための系統的レビュー(Syst Rev 2024)地域在住の65歳以上を対象にした比較試験219本・16万7,864人のネットワーク・メタ解析。中程度の確かさで利益がある21の介入のうち14が運動で、多くは指導つき・3か月超。バランス・筋トレの運動と集団の太極拳で利益の確かさが高い。ウォーキング中心の介入に中程度の確かさのものはない。効果は転倒の危険が高い人に最も当てはまる。利益相反なし
SAGE試験(Lancet Healthy Longev 2025)オーストラリアの60歳以上700人(平均67歳、女性81%)。ヨガをもとにした運動(1時間・週2回の指導つき教室を12か月で80回)と、座位のリラクセーションヨガ(講習2回)を比較。転倒は1人年あたり0.87回対0.64回、発生率比1.33(95%信頼区間1.01〜1.75)。筋骨格系の有害事象6人、重いものなし。教室の多くはオンライン。資金: オーストラリア国立保健医療研究評議会。登録 ACTRN12619001183178
10秒の片脚立ちと死亡(Br J Sports Med 2022)ブラジルの51〜75歳1,702人(男性68%)、2008〜2020年。10秒の片脚立ちができない人は20.4%。追跡中央値7年で死亡はできた人4.6%、できない人17.5%。年齢・性別・BMI・持病で調整したハザード比1.84(95%信頼区間1.23〜2.78)。最近の転倒歴や身体活動は調整していない。利益相反なし
健康な高齢者のバランス訓練の量(Sports Med 2015)地域在住の健康な65歳以上を対象にした比較試験23本。バランス訓練で静的・動的なバランスなどが向上。効果が最も大きかった条件は期間11〜12週、週3回、合計36〜40回、1回31〜45分、週91〜120分(条件ごとに別々に算出)。PEDro平均5点、ばらつきが大きい(I²=76〜92%)
出典
  1. Sherrington C, et al. Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database Syst Rev. 2019. PMID 30703272
  2. Pillay J, et al. Falls prevention interventions for community-dwelling older adults: systematic review and meta-analysis of benefits, harms, and patient values and preferences. Syst Rev. 2024. PMID 39593159
  3. Oliveira JS, et al. The effect of an Iyengar yoga-based exercise programme versus a seated yoga relaxation programme on falls in people aged 60 years and older (SAGE): a pragmatic, two-arm, parallel randomised controlled trial. Lancet Healthy Longev. 2025. PMID 41005344
  4. Araujo CG, et al. Successful 10-second one-legged stance performance predicts survival in middle-aged and older individuals. Br J Sports Med. 2022. PMID 35728834
  5. Lesinski M, et al. Effects of Balance Training on Balance Performance in Healthy Older Adults: A Systematic Review and Meta-analysis. Sports Med. 2015. PMID 26325622
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ReverseAging.Tech をつくる人

加藤順彦
代表者加藤順彦MARUICHI PTE. LTD. CEO

自らの体験をきっかけに、幹細胞点滴の魅力を広めています。100名を超える方々をご案内する中で、その可能性をますます実感しています。人生100年時代にふさわしい選択肢として、あなたの選択肢のひとつに加えていただけたら嬉しいです。

山中大介医師
監修者・医師山中大介DMTC CLINIC 院長

美容医療に携わる中で、幹細胞治療の可能性に注目しています。医師としての視点から、安心できる正しい情報を皆さんにお届けします。

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